やっと届いた、どれだけいい香りだろうか・・・。私が子供のころは、まだパソコンも今ほど普及しておらず、インターネットを使って情報を手に入れることも、ネットショップでほしいものを探すこともまだ一般的ではなかったのです。商品を注文して3日ほど経過した日のこと、仕事から帰ると郵便受に宅急便の不在通知書が入っていました。また今年も金木犀の花が咲く時期となり、あのやわらかく甘い香りが漂ってきて、ふと子供のころほしかった金木犀香水のことを思い出したました。期待感いっぱいでドキドキする気持ちを抑えながら包みを開け、そっとにおいをかいでみると、・・・なんだか予想していた香りとはちょっと違いました。子供のころに思い描いていた、ものがついに私の手に入る、いったいどんな香りだろう。
すぐに不在通知を持って部屋に入り商品の再配達を電話でおねがいしました。そして、金木犀の香りがする香水を使ってみたい、金木犀の香りが好きで香水を探しているという書き込みが意外とあり、金木犀の香りがするものとしてはトイレの芳香剤しか見つけられなかった私は、あの香りが大好きで香水として使ってみたいと思っていたのが私だけじゃなかったんだと思い、ちょっぴり嬉しい気持ちになりました。そして、子供のころに見つけられなかったあのいい香りを探してみたくなりました。いろいろなネットショップを見て、いくつかある金木犀香水のうちの一つを購入してみることにしました。きっと、子供のころから思い描いていた期待が大き過ぎたのでしょう。
やっぱりないのかなあ？と思っていましたが、おとなになり、他にもたくさんよい香りの香水があるので、なんとなく金木犀香水のことは自然と忘れてしまいました。と、気持ちを膨らませながら商品を注文しました。毎年秋のお彼岸のころに甘くいい香りがどこからとも無く流れてきて、あたりを見渡すと、オレンジ色のかわいらしい花を咲かせた金木犀が咲いていました。あのふんわりとやわらかく甘いなんともいえないい香り。ほしいものがあったらお店へ行って探すしか無いような時代だったのです。
今となってはパソコンは各家庭に1台あるような一般的に普及したものとなり、ネットショッピングが一般的になり、情報量も格段と多くなりましたので意外と簡単に金木犀香水を見つけることができました。でも、頭で想像していた香りとは違うものでしたが、なんだか夢が一つかなったような気持ちになり、明日からまたがんばろう！という気持ちを元気にしてるれるような香りでした。こんないい香りの香水があったら絶対に使ってみたいと、よく思ってみたものです。ですが、現実ではなかなか見つけることができず、金木犀の香りとして見つかるのはトイレの芳香剤ばかり・・・。金木犀香水(キンモクセイコウスイ）があったら、さぞいい香りだろうと、子供のころに思っていました。