D9の響き

Guitarを肴につらつらと・・

In My Life('98)/George Martin

2006-12-06 11:23:31 | jeff beck-connection
プロデューサーの仕事は多岐にわたっており、しかも人によりカバーできる範囲が違うという・・実に怪しく(笑)興味深い仕事ですネ。
私的には、Eddie Kramerと並びGeorge Martinは好きなプロデューサーの一人です。

もちろんあのThe Beatlesのプロデュースは言うまでも無く、我らがJeff Beck御大の金字塔となった2作‘Blow By Blow’‘Wired’などでの活躍も忘れられません。
そんな彼が、自分の遺作をあらかじめ自分で創ってしまおうと思い立ち、豊富な人脈を駆使してすばらしいアーティスト達を集め、自身で最も心に残るThe Beatlesの曲を中心に最高のパーフォーマンスを納めた作品を創りあげました。

彼に言わせれば、もういつでも死んでも大丈夫ということのようですが・・。



私がこの作品に行き着いたキッカケは、意外なことに‘アイス・スケート’の放送でした。
ミレニアム前後だったと思いますが、ミシェル・クワンがまだ頑張ってた頃・・多分NHK杯じゃなかったかな?
フリー・プログラムで一聴して分るJeff Beck御大のソロギターをバックに滑り出したではありませんか。
しかも‘A Day In The Life’・・うわっ、ビートルズの曲また演ってるのか・・と、ミシェルの演技よりむしろ御大のギターに感激したのでした。

その後探し回った挙句、ついにこの作品に行き着いたという訳です。

聴いてびっくり、御大以上に凄い人たちをいっぱい集めた、贅沢な逸品じゃないですか。(笑)
バックにはRobbie McIntoshやPino Paladinoらのクレジットもありますが、どの曲なのか詳しく書いてないので分りません。

1.Come Together / Robin Williams & Bobby Mcferrin
アクターのロビン・ウイリアムスに声を掛けたら、彼の幼馴染であるボビー・マクファーリンを連れて来てくれたというラッキーな展開。
さすが百戦練磨の天才俳優&声の魔術師だけあってすばらしい出来です。

2.A Hard Day's Night / Goldie Hawn
ゴールディ・ホーンは唯の巨乳女優ではありません・・その辺の歌手に負けないくらい凄いヴォーカリストでもあります。
ここでも、ビッグバンドをバックにコミカルで色っぽいテイストを振りまきながら聴くものを魅了する不思議な魅力を放ってますネ。
外見のイメージとは裏腹に備える知性と上品さが、この歌からも良く伝わってきます。
・・ジョージもウハウハだったそうです。(笑)

3.A Day In The Life / Jeff Beck
くだんの曲です。
当時この手のソロギター&オケみたいなパフォーマンスをあちこちでやってた御大ですが、あの白いストラト1本でここまで色んな音を表現できるなんて、ほんとに凄い方です。
クワンが滑っていた時の音にはこんなに重厚なオケが入ってたという記憶がないのですが、凄く効果的。
・・というか、無いとここまで上手く仕上がらなかったでしょうネ。

4.Here There & Everywhere / Celine Dion
セリーヌ・ディオンもジョージのお気に入りの歌手の一人で、かなりアレンジに気を使い頑張ったとのこと。
歌に関しては、さすが・・の一言です。

5.Because / Vanessa Mae
ベートーベンの‘月光’にインスパイアされジョンが書いた曲だそうです。
今回ミニ・コンチェルト風アレンジで、クラシック・ヴァイオリニストのヴァネッサ・メイが弾いてます。
とても美しい音色にウットリしてしまいます。

6.I Am The Walrus / Jim Carrey
アクターであるジム・キャリーがコミカルに熱唱・・凄いヴォーカルです・・上手い。
彼のパフォーマンスにも魂を感じます・・すばらしい方ですネ。

7.Here Comes The Sun / John Williams
クラシック風というよりポピュラーなギターコンチェルトに仕上がってますね。
クラシック・ギターに関しては語る術が無い私ですが、ジョン・ウイリアムスのテクニックと表現力の秀逸さは、このパフォーマンスを聴けばあきらかですね。

8.Black Bird / Bonnie Pink
この盤にポニー・キャニオンから推薦され参加した彼女も、当時はまだ駆け出しながらジョージにも気に入ってもらえるような才能の片鱗を見せていたとのこと。
・・最近グッときれいになっていい感じですね・・タイプです。(笑)

9.Being For The Benefit Of Mr.Kite / Billy Connolly
私はこの方には全く馴染みがなかったのすが、コメディアンのようですネ。
ジョージはピーター・セラーズらとも交友があったようで、その関係での参加のようです。
サーカスを見てるような雰囲気かな・・。

10.The Pepperland Suite / George Martin
“Pepperland”,“March of the Meanies”,“Sea of Monsters”,“Pepperland Reprise”
映画‘イエローサブマリン’のスコアから・・ジョージがずっと暖めてきたオーケストラ作品とのこと。
音だけでも映像がうかんでくるような雰囲気が面白いですね。

11.Golden Slumbers,Carry That Weight,The End / Phil Collins
フィル・コリンズらしい伸びやかな声でメドレーを熱唱・・まるで一つの曲のように聞こえるのがおもしろいですネ。
・・意外とあの声がハマっています。

12.Friends And Lovers / George Martin
あの事件直後、亡きジョンを想いモンセラート島で夕日を眺めながら書いた曲とのこと。
小品ながらしっかりとアレンジされた美しいエチュードですネ・・改めて彼への思慕が募ります。

13.In My Life / Sean Connery
オケによる演奏をバックに、アクターのショーン・コネリーがあの渋い声で詩を朗読。
・・すばらしい余韻を残しています。



ジャケットインナーには奥さんとの2ショットも載ってます。
なんか暖かい感じがするいい写真ですネ。



前だけを見て、まだまだ頑張って下さい・・Mr.George Martin!



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4 コメント

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嬉しいですね (FUSION)
2006-12-06 19:23:43
お邪魔します。

やっと私がコメント出来る作品が・・・。
私もこの作品を購入した理由は、ズバリA Day In The Life(Jeff Beck)を聴きたいが為だけでした(笑)。ビートルズナンバーをジェフベックが、しかもジョージ・マーティンがプロデュースとなれば聴かないわけにはいきませんよね。結果的には全ての曲が実に個性的で大満足でした。
>あの白いストラト1本でここまで色んな音を表現できるなんて、ほんとに凄い方です。
激しく賛同です。凄い表現力ですね。本当にギターが歌っていますね。やはりベック先生のギターは別格ですね。
その他の曲も勿論素晴らしいですね。
貴兄がこの作品をレヴューされたことが、何だかとても嬉しいです。有難う御座いました。
FUSION様 (elmar35)
2006-12-06 20:40:44
コメントありがとうございます。
しばらく暴走気味だったことをお詫びします。
年末に向かって、自分の中では若干沈静化してきたようです・・なんのこっちゃですが。(笑)

最近のベック御大のインタヴューではエフェクターレスで弾くことに楽しみを見出したそうで・・この方は枯れるという言葉が死んでも当てはまらないエヴァーグリーンなジジイになりそうですね。
私も感性だけは枯れないようにしたいものです。

FUSIONさんが御大に同じような思いを抱いておられるのが嬉しいですね。
いつもながらお気遣い感謝いたします。(謝)
詳しい記事に感謝 (evergreen)
2007-10-08 11:15:32
こんにちは。
TBありがとうございます。
たどり着くとこちらは1曲ごとに
レヴューされていて、いつもながら素晴らしいです。
私はセリーヌの曲が一番好きなんですよ。
ちょっと古めかしいタッチが素敵です。
もちろんベックは涙が出ます。
なんでベックがやるとこんなに感激しちゃうのか
毎度やられたーーーー!です。

George Martinはビートルズに関しては特別な思いがあるんでしょうね。
しかし、さらっと1枚のCDにまとまったところが品の良さでしょうか・・・

いつも読んでくださってありがとうございます。
TBこちらからも宜しくお願い致します。
evergreen様 (elmar35)
2007-10-08 14:14:58
コメント&TBありがとうございます。
こちらこそ、いつもお世話になっております。(笑)
・・滅相もございません。
貴女の見識と懐の深さには及びもしませんわ。(笑)

ジョージ・マーティンは5人目のビートルズとも呼ばれてたように、メンバーからの全幅の信頼を得ていたようですね。
特にレノンをつとに愛していたんだと思いますよ。