レベッカ、その後

2023年05月30日 | 短歌
◇ レベッカ、その後 ◇
レベッカは亡き主人公の名
教材に選んだ教師の動機は
ミステリー

その名前とひびきだけが記憶のかなたにかすんで存在している
レベッカは、イギリス女性の手になるミステリー小説の題名であり、小説中ではすでに死んでしまっている主人公の名であった

英語の教師がなぜこのミステリーを教材として選んだのか
その興味にひかれて一読したが、そのこたえはミステリーだった

本との出合いは、人との出合いに似ている
こちらの姿勢しだいで、ムダな出合いというものはない、と思っている


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レベッカ

2023年05月25日 | 短歌
◇ レベッカ ◇
何十年ぶりに目にする
レベッカという名とひびき
探索始まる

新聞のコラムである小説家が、レベッカという小説に出合ったことが、書くという世界に入ったきっかけだったと書いている

レベッカの名にはかすかな記憶がある。英語の授業でこの小説が副読本として使われていたのである。しかしながら内容についてはまったくといっていいほど記憶がない。大きな屋敷が火災にみまわれているシーンがあったかもしれないという程度である

とおい過去に一瞬すれ違っただけの小説であったが、それが一人の人生を変える力をもっていたと知り、本ずきの血がさわぎはじめてしまった

いったいどんな内容だったのだろう
数日のうちに、定価の半額ほどで注文したその本が届くはずである
こんどは日本語であじわう

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Gセブン・広島

2023年05月20日 | 短歌
◇ ある感慨 ◇
焼け野原に変じた
地元の繁華街
いまは広島記念公園

◇ ある散策 ◇
どのような散策だったか四十分
首脳らバラバラ
資料館より

◇ ある歴史 ◇
敗戦の日より敗戦国なりし
歩みて
いまやセブン一員


広島出身のキシダ首相ならではのGセブンといってよいであろう
イベントのそちこちに、広島・愛が感じられる

原爆の悲惨を伝える資料館で、各国首脳たちは何を見てどう感じたのだろう。その詳細は伝わってこない
館の出口からバラバラ出てくる姿が映し出されるばかりである

二つの原爆を落とされ、アメリカの統治下で出発した日本である
いまやGセブンの一員として今回の諸会議の先導をまかされている

わが半生と重なる期間で、日本よ、よくぞここまで!という思いを禁じえない


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転変

2023年05月15日 | 短歌
◇ 転変 ◇
世の転変 また知らさらる
図書券は 図書カードへと
おき替わるらし

図書券は、まだ存在はしているらしいのである
しかし書店員は微妙な言い回しでカードの方を勧めてくる

書店にとってはカードの方が、間違いが起こらず使い勝手がいいのであろう
世の流れは、磁気を仕込んであるカードの方が優勢なのかもしれない

一歩も引かないようすの店員のいきおいに押されたというわけではないのだが、世の流れを感じつつ図書カードを手にした

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もぞもぞ

2023年05月10日 | 短歌
◇ 十四、五年前 ◇
旅に出る楽しみかかえて
生きていた十四、五年前
まだ若かった

◇ コロナ禍寸前 ◇
コロナ禍の寸前
ベトナム行きありて
その後は旅の夢すら見ずに

◇ もぞもぞ ◇
もぞもぞと
動き始めてきた気配
まだ生きていた 旅の虫らし

コロナ禍の3年数ヶ月があり、いまやっと落ち着きをみせている
このゴールデンウィークは各地で人出が多かったという
こんなニュースに接すると、次の旅を楽しみに働いていた日々を思い出す

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