あわてず騒がず

2022年07月30日 | 短歌
感染者が爆発的に増えている。オミクロン株の新種がまた現れた

TVも新聞も控えめだった報道から転じて、連日トップニュースの扱いである

身のまわりを見わたしてみる。マスコミの騒ぎかたほどにはパニクっている様子もなく・・・
心配と不安をかかえつつも
だれもが落ち着いて生活しようとしているようだ

それでいい
二年半のコロナとのお付き合いの歴史が、人びとにもたらしたもの
それがいまの、人それぞれの生活であるといってもいいだろう
マスクは手ばなせないが、あわてず騒がずの生活である

◇ あわてず騒がず ◇
二年半 すぎてしまえり
コロナとのつきあいかたも
あわてず騒がず

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燃え尽きない

2022年07月25日 | 短歌
プロのアスリートが過去の栄光に別れを告げ、新しい人生を出発させるためには、それまでの思いを燃え尽きさせるということが必要な場合もあるのだろう

TVドラマで綾野剛が、そんなサッカー選手の役を好演していた

先日スケートの羽生結弦の引退が報じられた。彼なりに時間をかけて、気持ちの整理をつけてのことだったろう

いくつかの転職を経験してきた
勤め人という仕事は、職を変えても勤め人である
こんな人生の場合燃え尽きずに、心の隅に火種を残しておかなければならない

けっこうな歳になってしまい、今はパート社員である
灰をどけると現れる小さな赤い火種は、その昔初めて社会人になったとき、埋められたものの何十代目かであるだろう
そんな小さな火種を守り継ぐ人生もあるのである

◇ 燃え尽きない ◇
細ぼそと
小さな火種を守りつつ
なんとか生きて 今ある我か

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近づいている

2022年07月20日 | 短歌
まちがいなくその瞬間は近づいているのに、のほほんと暮らしている
われわれは死を迎え入れたあと、どうなってしまうのだろう

体のほうは原子レベルにまで細かくなって、地球上のどこかにいつまでも存在し続けるのであろう
心のほうはどうなるのか? もともと影もかたちもなかったものである。でも、あったものである。 この世に残るのか残らないのか・・・

そんなことを考えているうちに、ねなければならぬ時間である。あしたは勤めがあるので、ねない訳にはいかないのである
勤めから帰ってしばらくしたら、けっこう楽しみにしているオカリナの会にいく日でもあるのだ

◇ 近づいている ◇
とりあえず いま生きており
死後のこと 先のばしにして
さあ 寝る時間なり

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あのマスクたちは

2022年07月15日 | 短歌
あのマスクたちは今ごろどこでどうしているのだろう

アベノマスクと呼ばれるマスクたちはそのころ政治問題化していた

いまネットで確認してみると当時の数字は次のごとくである
国民に配布されずに倉庫に眠っているマスクの枚数、8千万枚
マスクを倉庫に保管するなどの費用、すでに6億円、今後年間数億円
マスクを廃棄してしまうとするとそのための費用、6千万円

これらの数字を前にどのような選択をしたらいいのか? ずるずると保管するのも、廃棄してしまうのも国民感情に反する
政治家は人気商売、どちらの道を選んでも地獄に通じているかのごとくである

この難しい問題にケリをつけたのが首相になって間もないキシダ氏であった
キシダ氏の決断は思いがけないものであった
在庫になっているマスクは希望する国民に無償で配布した上で残りは廃棄というのである
この案に対してはここでまた1億円も税金をつぎ込むのかといわれたりした

手続きが開始されふたを開けてみるとビックリである。在庫枚数をはるかに超える申し込みがあったのである
これをいちばん喜んだのは、ほかならぬアベ氏であったかもしれぬ。今でもそれを知ったアベ氏の笑顔とコメントをネット上の動画で見ることができる
さしたる反対の声もなく無償配布は実施に移され完了している

キシダ氏の決断はもったいないという、日本人の心情に沿ったものであったといえる
せっかく作ったものを金をかけて廃棄するのは許せないが、さらなる金をかけても国民が使えるというなら納得がいくという心情である

キシダ氏はこのころから政権運営のコツをつかんだかもしれぬ
ウクライナ問題について、キシダ氏はロシアとはきっぱり決別する立場を鮮明にしている。北方領土問題を抱える日本にとってはとりたくない立場であるが、ロシアの横暴許すまじという、多くの日本人の心情に沿ったものとはいえるだろう

わが手元にもアベノマスクは届いている
希望枚数の数分の一であったが、さらにその一部を申し込みそこねた友人に進呈することにした

◇ あのマスクたちは ◇
しっかりと働いており
あのマスク
ひとり暮らしのキッチンに いま




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銃弾ニ発

2022年07月10日 | 短歌
それが身内であれひいきのタレントであれ何らかの知り合いであれ、生きてこの世にいた人がある瞬間、いきなりその存在が無になったと知ったときの衝撃は、口や筆では表現しきれないものがあろう

2022.7.8、安倍元首相が2発の銃弾により絶命するという事件が起きた。この衝撃は、当分おさまることはないだろう

このたびの事件は社会的政治的な面から、警備警護の面から、また犯人の性格心理の面からさまざまに論じられていくことになろうが、このつぶやきのような小稿はそこには立ち入らないことにする
短い文章で結論じみたことを書けば、誤解のもとともなり、書き手・読み手のあいだに目に見えない確執が起きるであろうからである

ここで指摘したいのは、いまこの社会には狂気がまんえんしているようだということである
その狂気が、理不尽な犯罪の温床になっているのではないかということである

身勝手な主張、相手の命の価値を考えない行動などは、狂気の現出形といってもいいであろう
狂気の芽をつむには、どのような方策が有効性をもつのか、われわれの社会はまずはその辺から考えてゆかねばならぬだろう

◇ さらなる危険 ◇
身勝手な主張の奥に
潜みおる さらなる危険に
目をこらすべし





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