二十歳を過ぎたころ

小さなことに一喜一憂する二十歳を過ぎた学生の軌跡。
→いつの間にか社会人4年目。二十歳を過ぎたころからのブログです

Liebesfluchten - 逃げてゆく愛

2009年09月02日 21時28分47秒 | 日記
今日は院試の筆記試験の結果発表日。後輩たちは皆優秀で、合格したらしい。明日は面接。頑張ってほしい。頑張って……耐えてきてほしい。

すっかり秋。快適。夜に空気がカラッとしてくれると、布団を干しやすいのだが。明日明後日の天気はあまりよろしくなさそうだ。残念。

実験がうまくいかない。うまくいかないのが当たり前。結果を求められない、果たすべき責任が小さい学生の身分でよかった。お金をもらっていないことのありがたさに目を向けるべきだと最近は思う。

しかし、皆、なかなかモチベーションの維持に苦労している。ストレス社会を痛感する。


本を一冊読む。「朗読者」で有名なベルンハルト・シュリンク氏の短編集「逃げてゆく愛」。相当、想像力を働かせて読む必要がある。特に、ドイツ人とユダヤ人の戦争後の心境について。男性の孤独が大きなテーマとして全体の底辺に流れているが、コミカルな短編もあり、ある意味ではバラエティに富む。はっきりとした起承転結を求めることはしてはいけないのだろう。読むのに疲れるが、心に沁み入る。松永美穂氏の訳も相変わらず雰囲気を上手に醸成している。静かに思いを馳せられる、こういった短編集も、時には良い。「朗読者」と共に、数十年後にもう一度読み返してみたい。

ドイツではハリー・ポッターに並んでベストセラーとなったらしい。原題は「Liebesfluchten」。英題は「Flights of Love」。これを「逃げてゆく愛」と訳すセンスはすばらしい。Wikipediaに専用のページまであるのだから、人気は高いのだろう。第三作を期待したい。

早いとこ帰ります。新型インフルエンザが猛威をふるう時節柄、どうぞご自愛下さい。


○ Liebesfluchten – Wikipedia(ドイツ語)
○ Amazon.co.jp: 逃げてゆく愛 (新潮文庫) ベルンハルト シュリンク, Bernhard Schlink, 松永 美穂