パンと珈琲日記~整形外科じゃなくて成形~

パン焼きと珈琲を趣味とするある整形外科医の日記

数学的思考によるレシピの構築 ~ポテトグラタン~

2010-07-10 22:28:12 | サンヨーSOB-14 チャレンジシリーズ
今日、早朝から妻と小学生の娘がポテトグラタンのレシピについて協議(!?)していた。総合学習の宿題でジャガイモ料理のレシピを書いて提出しないといけないらしい。で、給食で食べたポテトグラタンがおいしかったのでそのレシピを持っていきたいとのことだった。
基本的に自分で作れる、ということが前提らしい。
妻が娘に言っていた。
「ポテトグラタンは熱を通したポテトにホワイトソースとチーズをのせてオーブンで焼くだけの料理だからホワイトソースを缶詰で用意すれば簡単にできるよ」

その一言を聞いてあるアイディアが浮かんだ。

それは数学的思考による

1) レシピの細分化
2)レシピの再構築と簡略化    ということ。

つまり、料理のレシピを一種の関数にみたてて単純に考えるということだ。

関数というからには関数式と変数が必要だ

この場合、変数は材料で

a=じゃがいも
b=ホワイトソース
c=チーズ
の3つ


さらに
b(ホワイトソース)はb1小麦粉、b2牛乳、b3バターに変数が細分化できる。


aジャガイモと b1~3ホワイトソースは加熱という関数が必要なので

ポテトグラタン=F( f(a) + f(b1, b2, b3) + c)という式が成り立つかもしれない。 F(x) f(x)は加熱という関数で F(x)はオーブンによる加熱でf(a)はジャガイモにあらかじめ火を通しておく加熱でf(b1 b2 b3 )はホワイトソース作りの過程で必要な加熱。 F(x)はオーブン加熱関数、f(x)は予備加熱関数とよぶことにする。

この時、変数c以外の変数a , b1~3は予備加熱関数を通しているのでaとb1~3を一緒の予備加熱関数、f(x)に通すことが出来ればポテトグラタンが簡単に出来ることがわかる。

式で言えば
ポテトグラタン=F ( f (a, b1, b2, b3) + c )だ。

※もちろんホワイトソースを関数として(自分で作る)ではなく、変数として(出来合いのものを使う)さらに単純化することも可能だが、ちょっと味気ない。


ということで単純化を目指し f(a b1 b2 b3 ) とジャガイモの加熱とホワイトソース作りが何とか一緒に出来ないか工夫してみることにした。つまり関数の作成である。

糊化したデンプンが乳脂肪と乳化した状態がホワイトソースだ。バター、牛乳とも実はすでに乳化した状態であるのでデンプンを牛乳にあらかじめ溶解して次にバターを加える。先に牛乳を加えるのは牛乳が水分の中に少量の脂肪が乳化していている状態に対し、バターは逆に脂肪の中に少量の水が乳化している状態で牛乳の方が水との親和性が高いからだ。デンプンと乳脂肪が乳化すれば、あとは加熱して糊化するだけだ。ここらへんはパンの原理(?)とよく似ている。

ホワイトソースとジャガイモの加熱はフライパンを使うことも出来るが、ここは安全と手間を考え電子レンジを使うことにした。それに実は出勤前だったので早く出来ないといけない。

これで関数が構築され万事解決。実際に作ってみたらよく出来た。出勤前の忙しい時間にあっという間に出来てしまったのに娘も驚いていた。でも、これだけだと具もジャガイモだけなので例えばベーコンを加えるとか自分なりに応用して工夫することと告げて出勤した。本当は先のような思考過程も娘に教えたかったが、時間がなかったのでまたゆっくり教授したいと思う。

料理は科学と言う人は多い。ちょっと前に何かの雑誌で母親の料理を手伝う子は理科が得意になる、といった論調で書いてあった。しかし、数学とは言っている人はいないようだ。来年あたり誰かが「料理は数学で関数」と言い出すに違いない。それを見たらこのブログの受け売りだと思って間違いない(笑)。



材料

a. ジャガイモ  1個

b. チャナベッサン(ひよこ豆の粉)または小麦粉 大2
牛乳 大2
バター大 1/2
塩 一つまみ 
胡椒 少々

c. チーズ 適量

ジャガイモはスライサーでスライス(面倒なら皮はむかない)し、ココットにつめる。
別の深皿にチャナベッサンを牛乳で溶解し、軟らかくしたバターを加え適当にねってココットのジャガイモの上に注ぐ。多少のダマは気にしない。

ラップをしてレンジで加熱 500~600W 2分程度

ラップを取ってチーズをのせ、最高温のSOB-14に投入。だいたい10分程度で焦げ目がついたら出来上がり。


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2 コメント

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ルパン三世とホワイトソース (miniko)
2010-07-11 08:46:02
素晴らしい数式、それは、かつて見たルパン三世の泥棒の数式に、似ていた。彼は、盗みを数学の方式にしていた。それは私にはチンプンカンプンだったけど、orthoさんのグラタン数式はかなりわかり易かった。

しかし、ホワイトソースに必要なのは、勇気と自信だ。
おそるおそる、ちょこちょこ混ぜないで、一気に全部入れて、一気に自信と気合いで弱火で混ぜるのだ。これ、本当。絶対ダマにならないから。本当だよ~。
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ホワイトソース作り (ortho)
2010-07-12 22:47:19
難しいのでアメリカで教わったホワイトソースを別に作らないで一緒に混ぜて作るマカロニチーズのやり方で適当にやってました。

今度やってみます。自信と気合、でも弱火ぃ~みたいな感じで。
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