パンと珈琲日記~整形外科じゃなくて成形~

パン焼きと珈琲を趣味とするある整形外科医の日記

パンには「にがり」だ! 世界初?理論

2010-07-12 22:48:22 | パン
夏になると発酵がすすむせいもあって生地がだれてくる。ライ麦はグルテンを形成しないため特にだれやすい。タンパク質の結合を強くすればいいのだが、どうしようかと思っていたときに目に付いたのが豆腐。

豆腐には「にがり」が入っていて、ご存知「にがり」の主成分は塩化マグネシウム。塩化マグネシウムは2価の陽イオンで2つの陰イオン同士を結合する。豆腐の中に豊富に含まれるタンパクの主成分であるアミノ酸、グルタミンは陰性に荷電しているため2価の陽イオンを添加すると次々と結合して大きなかたまりになり凝固する。これがナトリウムのように1価のイオンだと一つずつしか結合しないために大きな塊にならない。

で、ここがポイント。グルテンの中には豆腐と同じようにグルタミンが豊富に含まれている。よって塩化マグネシウムを加えると豆腐と同様にタンパク質(その主成分であるアミノ酸)が結合してかなり「こし」が強くなるはず。さらにマグネシウムは様々な酵素の働きに必要な微量元素であるので添加することにより熟成が促され風味も良くなるはず。

ライ麦パンで試してみたがいつもだとこの季節にはだれてしまうのだが、結構、いい感じにできた。よくパンにはミネラルウォーターを加えるといい、塩を増やすのも同じように見えるかもしれないが、ミネラルウォーターを加えるのと全然違う、というのは塩は1価のナトリウムがほとんどの成分なのに対し、ミネラルウォーターにはマグネシウムやカルシウムなどの2価イオンが豊富に含まれているからなんだろう。

荒削りな理論だが、ちょっと調べた限りでは「パン作りにおいて「にがり入り食塩」を加えているレシピはあっても詳細なマグネシウム添加の理論を言ってる人や論文は世界でもないようだ。う~む、栄養学の分野で世界的に著名なそれなりの雑誌に投稿できるかな。ブログで発表するのはもったいないぐらいかな。研究所に勤務していないのでだめかな。整形外科医辞めてどっかの栄養学教室でパン作り理論の作成を生業とするか、、、などと妄想はふくらむが、面倒くさいのでいいや。

でも、後にしたり顔でこの理論を自分が考えたように唱える人や特許をとる人が出たら悔しいので言っておこう。

「パン作りでマグネシウム添加の理論を唱えたのはこのブログが世界初です」(笑)。



ライ麦 200g
水   200ml
ヨーグルト 5g
青サフ   1g

半日ほど放置。

以上に

ブルーメ(鳥越製粉)  300g
ウーヴリエ       100g
水           170ml
にがり         20g
塩           10g
赤サフ         3g

加えて1次発酵、100g分割、ベンチタイム、成形。

300度予熱 スチーム投入 230度12分。 200度約12分。


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