全粒粉のパンは子どもと高齢者に食べさせるには問題があるという意見もある、、とレイモン・カルベルの「パンの風味」という本に書いてあった。どういうことかというと小麦胚芽に含まれるフィチン酸(IP6)という物質が鉄、カルシウム、マグネシウムなどの金属、ミネラルに強く結合するため全粒粉を取りすぎるとこれらの微量元素不足に陥ってしまう可能性がある、とのことだ。飽食の時代、通常の成人が時々食べるには問題ないようだが、それでもそればっかり食べていると貧血を起こす可能性もあるらしい。
A decrease in iron status in young healthy women after long-term daily consumption of the recommended intake of fibre-rich wheat bread. Eur J Nutr. 2005 Sep;44(6):334-40. Epub 2004 Sep 3
フィチン酸は胚芽で植物の栄養となるリンと結合していて発芽に際して酵素によって壊され、このリンを放出する、という役割がある。だから玄米を取る時にはそのままの形よりも発芽させてフィチン酸を壊して取る方がよいらしい。同様にパンにする時も小麦の中の酵素や発酵によってフィチン酸がある程度壊れるので微量元素も取りやすくなるようだ。発酵に際しては酵母だけでなく、乳酸菌が共存していて生地の酸性度が下がるほど、また時間をかけて酵素が働くようにするとよさそうだ。つまり、サワードゥによる発酵は理にかなっているというわけだ。
Phytate degradation by lactic acid bacteria and yeasts during the wholemeal dough fermentation: a 31P NMR study. J Agric Food Chem. 2004 Oct 6;52(20):6300-5.
Moderate decrease of pH by sourdough fermentation is sufficient to reduce phytate content of whole wheat flour through endogenous phytase activity. J Agric Food Chem. 2005 Jan 12;53(1):98-102
しかし、フィチン酸(IP6)には抗ガン作用もあり、まるっきり悪い側面ばかりではない。ま、何事も中庸が肝心ということで。。。。
Cancer inhibition by inositol hexaphosphate (IP6) and inositol: from laboratory to clinic. J Nutr. 2003 Nov;133(11 Suppl 1):3778S-3784S
さて、サワードゥだが、以前、かりんから天然酵母をおこし(といっても実は砂糖の量が少なすぎたために発酵してしまっただけ)、パンを作ったこともあるが、サワードゥは起こすのが面倒だ。それにコーヒーの問題じゃないが、素性の知れない菌にアフラトキシン、オクラトキシンなどのマイコトキシンを作られても困る。というわけで即席サワードゥを考えた。
要は乳酸菌と酵母があればいいわけで、乳酸菌はヨーグルト、酵母はサッカロミセス・セレビシエ(サフイースト)を使うことにした。共存しないかもしれないが、ま、やってみることにした。
で、カンパーニュ。クープは今流行りなのか十字にした。出来上がりはサワードゥのパンほどではないが、酸っぱさがあり、かなりよい。共存してくれたようだ。
<半液種>
全粒粉 200g
水 200ml
ヨーグルト 大1
発酵生地 150g
以上を混ぜて 室温でオーバーナイト発酵
<生地>
半液種 全部と
全粒粉 100g
キタノカオリ 300g
塩 10g
水 150ml
赤サフ 0.5g
室温で半日発酵、パンチし、1時間発酵させ、150gほど次回の発酵種にとりわけ、成形 1時間二次発酵
オーブン300度予熱 スチームをいれ、230度5分。 210度 20分。
焼きが少々甘かったかもしれない。あと5~10分焼成時間をとった方が良かったかも。
A decrease in iron status in young healthy women after long-term daily consumption of the recommended intake of fibre-rich wheat bread. Eur J Nutr. 2005 Sep;44(6):334-40. Epub 2004 Sep 3
フィチン酸は胚芽で植物の栄養となるリンと結合していて発芽に際して酵素によって壊され、このリンを放出する、という役割がある。だから玄米を取る時にはそのままの形よりも発芽させてフィチン酸を壊して取る方がよいらしい。同様にパンにする時も小麦の中の酵素や発酵によってフィチン酸がある程度壊れるので微量元素も取りやすくなるようだ。発酵に際しては酵母だけでなく、乳酸菌が共存していて生地の酸性度が下がるほど、また時間をかけて酵素が働くようにするとよさそうだ。つまり、サワードゥによる発酵は理にかなっているというわけだ。
Phytate degradation by lactic acid bacteria and yeasts during the wholemeal dough fermentation: a 31P NMR study. J Agric Food Chem. 2004 Oct 6;52(20):6300-5.
Moderate decrease of pH by sourdough fermentation is sufficient to reduce phytate content of whole wheat flour through endogenous phytase activity. J Agric Food Chem. 2005 Jan 12;53(1):98-102
しかし、フィチン酸(IP6)には抗ガン作用もあり、まるっきり悪い側面ばかりではない。ま、何事も中庸が肝心ということで。。。。
Cancer inhibition by inositol hexaphosphate (IP6) and inositol: from laboratory to clinic. J Nutr. 2003 Nov;133(11 Suppl 1):3778S-3784S
さて、サワードゥだが、以前、かりんから天然酵母をおこし(といっても実は砂糖の量が少なすぎたために発酵してしまっただけ)、パンを作ったこともあるが、サワードゥは起こすのが面倒だ。それにコーヒーの問題じゃないが、素性の知れない菌にアフラトキシン、オクラトキシンなどのマイコトキシンを作られても困る。というわけで即席サワードゥを考えた。
要は乳酸菌と酵母があればいいわけで、乳酸菌はヨーグルト、酵母はサッカロミセス・セレビシエ(サフイースト)を使うことにした。共存しないかもしれないが、ま、やってみることにした。
で、カンパーニュ。クープは今流行りなのか十字にした。出来上がりはサワードゥのパンほどではないが、酸っぱさがあり、かなりよい。共存してくれたようだ。
<半液種>
全粒粉 200g
水 200ml
ヨーグルト 大1
発酵生地 150g
以上を混ぜて 室温でオーバーナイト発酵
<生地>
半液種 全部と
全粒粉 100g
キタノカオリ 300g
塩 10g
水 150ml
赤サフ 0.5g
室温で半日発酵、パンチし、1時間発酵させ、150gほど次回の発酵種にとりわけ、成形 1時間二次発酵
オーブン300度予熱 スチームをいれ、230度5分。 210度 20分。
焼きが少々甘かったかもしれない。あと5~10分焼成時間をとった方が良かったかも。
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