木全賢のデザイン相談室

デザインコンサルタント木全賢(きまたけん)のブログ

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市場調査(2) 観察調査

2011年05月31日 | アイデア発想法(コツツボ)
<街には情報が溢れている>


◆簡単な市場調査(2) 観察調査
314:【アイデア発想法】第114発


 こんにちは!
 デザインコンサルタントの木全(キマタ)です。一般の方に向けて工業デザインのエッセンスについて書いたり、デザイナーとの付合い方などについて書いています。御相談がありましたら、コメントをくださいね。コメントによるご質問には基本的に無料でお答えいたします。

 株式会社ビートップツー (木全が取締役を勤めています)

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「思い込み」より「前始末」

 横浜や墨田区で、中小企業のデザイン相談をしていますが、ときどき、絶対に売れるはずだと「思い込み」、設計料や金型製作や初回ロット製品化など初期投資に数百万円を注ぎこみ、多量の在庫を抱え、売れなくて相談にみえる中小企業の方とお会いすることがあります。

 そんなときは、何もアドバイスできません。

 「思い込み」の怖さを感じ、そして、「後始末」で悩むより「前始末」で悩んでほしかったと毎回思います。

 「前始末」は事前の段取りや準備のことで、イトーヨーカドー名誉会長の伊藤雅俊氏の造語だそうです。

 「思い込み」で突っ走り、「前始末」で充分に悩まないから、在庫を抱え、投資回収できず「後始末」で悩むことになる、事前の段取りや準備を充分行う必要性を戒めた言葉です。

 商品開発における「前始末」にもいろいろありますが、その一つが「市場調査」です。

 今回から、中小企業が苦手な市場調査について、以下の三つの簡単な手法をお知らせしていこうと思います。

 ●簡単な市場調査の方法

 (1)調べる オープンデータ調査

 (2)見る  観察調査

 (3)聴く  インタビュー調査


 今回は、(1)見る (観察調査) についてお知らせします。



フットワークの軽さ

 「観察調査」というと、なんだか物々しい感じですが、そんなに硬く考える必要はありません。

 オープンデータ調査も観察調査も、金も時間も大してかかるものではありません。誰でもできます。そんな調査を1、2回行っただけで、すごいアイデアや企画が生まれるほど世の中は甘くありません。

 オープンデータ調査や観察調査は、回数が勝負です。たった一つのテーマのために何回オープンデータ調査や観察調査を繰り返すことができるか。それが「前始末で悩む」ということです。

 商品開発の途中で何かに悩んだら、いつでも、ネットや図書館などでオープンデータを調べたり、事務所から出かけて市場やユーザーを観察に行くフットワークの軽さが「前始末」としての調査のポイントです。

 じっとしていても何も始まりませんし、1回や2回の調査で飽きてしまうようなら、その企画自体に大した魅力がないのです。

 新しい商品企画を考えるなら、とにかく現場にフットワーク軽く足を運ぶことです。



観察調査は失敗しやすい

 観察調査でわかることは、当たり前ですが「見ただけでわかる」ことだけです。

 街に出かけて「見ただけでわかる」ことは、大まかに以下のようなことです。

  ターゲットユーザーの購買行動
  店舗の来場者数や客層
  店舗の店構えや品揃え
  商品の仕様や性能や値段
  店頭のPOPや販促物 など

 街に出れば、そのような情報は溢れています。

 そして、観察調査が失敗してしまうのは、街に情報が溢れているからです。

 「せっかく時間をかけて観察調査に出かけるのだから、情報は手当たり次第に集めればいい」と意気込んでいくから、目移りして、結局「骨折り損のくたびれもうけ」な調査に終わってしまいます。観察調査が無意味だと感じてしまうのは、そういう経験をしているからです。

 従って、観察調査を意味あるものにするためには、事前準備が必要です。



観察調査は準備が大切

 街には情報が溢れています。その中から必要な情報だけ観察することが必要です。

 だから、観察調査に行く前には、事前準備が必要です。準備は以下の3項目です。

  (1)目的を明確にする。
  (2)観察場所を絞り込む。
  (3)調査シートを作り、調査内容を決める。

 でも、「フットワーク軽く現場に出かける」ことと「事前準備」は矛盾します。

 なので、上記の3項目は出かける前の10分間で考えて、ノートに走り書き程度で充分です。準備に時間をかけるより観察調査に出かけることを優先するべきです。

 調査に行く電車の中で、考えても構いません。

 最初、事前準備を面倒く思いますが、慣れてくると事前準備をしない観察調査のほうが面倒くさくなります。それは、事前準備をしない観察調査が「骨折り損のくたびれもうけ」であることがわかってくるからです。



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