2020年の米大統領選挙では、ウクライナのオリガルヒたちとバイデン一家の関係が様々なオルタナティブメディアで出ているのに、主要メディアが緘黙をつらぬくという、すごい現象が起きた。
さらに、トランプは、ウクライナだけじゃないぞ、バイデンと中国の関係も見てみろ、面白いものがあるぞ、などと言ったものだった。
おそらくロシアの少なくない人たちは、まぁ面白いだろうと思ってみてただろうと思う。だがしかし、自分たちがその糞話に巻き込まれる必要はないので知らん顔してた。プーチンも、10月頃だったか、バイデン家のウクライナでの行動について聞かれて、違法ではないんじゃないのかなと思う、大金を儲けたとは思うが、と言ったのを覚えている。
で、最近、ウクライナでは、モトルーシ・シーチという会社が保安庁によって全資産凍結を命じられたことがちょっとした騒ぎになってる。
裁判所がモトール・シーチ社の全資産凍結=保安庁
どういう会社かというと、日本語のwikiのページが基本的に役に立つことを書いてる。そんじょそこらにない企業。
モトール・シーチ(ウクライナ語: АТ «Мотор Січ»)は、ウクライナのザポリージャに本社を置く航空用エンジンや産業用ガスタービンエンジンの製造メーカーである[2][3]。
ソビエト連邦時代からアントノフ An-124とアントノフ An-225に搭載されるD-18TターボファンやD-36/D-436シリーズなど様々な航空機の航空用エンジンを生産してきており[2][3]、ソビエト連邦の崩壊後もカモフとミルのMi-24やMi-28などロシア連邦のヘリコプターの80%以上にエンジンを供給していた[4][5]。
そこが、2014年からロシアという顧客を失い、中国資本が入って来てこのエンジンンを買おうじゃないか、となってた。
前にも書いたけど、中国のエンジン製造技術は、ロシア/ソ連、アメリカとはちょっと比べられないレベル、未熟だと言われている。
ロシア製エンジンPD-14でMC-21-310初飛行
そして、ウクライナ東部はソ連時代の重化学工業の中心地。だからソ連最高峰の技術を持った企業とか従業員がいたところで、航空エンジン、ガスタービンという、世界広しといえども自前でこんなハイレベルなものを作ってる企業はそうはないというものがあるところ。
ここらへんて軍ものを見ている人の多くは知ってるが、それ以外の人には知られていない話って気がする。
それはともかく、そこで、ウクライナのこの会社のケースでは、中国資本が入り込んで全部支配しようとしていることに気づいたアメリカが、これでは、アメリカがウクライナに金だして支えている一方で、ウクライナはその金でアメリカのライバルである中国を強くしてるじゃないか(と、どこかの委員会でアメの議員が言ったらしい)、ということになって、ウクライナをせっついて、資産凍結に入ったという成り行きみたいだ。当然、巨額の投資をした中国人投資家は訴訟に入るんだと思うのでまだ決着してはいない。
言うまでもなく、中国とウクライナの「付き合い」はこの会社を巡るものだけではない。空母をウクライナから買ったのは有名だし、ある種のミサイルもウクライナ由来なんじゃないかと言われ続けてた。しかし、それはウクライナというより実際にはソ連資産。
また、ロシアから戦闘機を買うと勝手にコピーしちゃう中国というのも有名な話。平気の平左なのは知ってたけど、ここは踏ん張らないとと、ついにSu-35では、プーチンが入って一定数以上は買えと言われて再交渉になるという、実に恥ずかしい一面を持つのが中国様だったりする。(例:Su-35)
中国人が恐ろしいのは、こういうのは多くの文化圏では恥ずかしいことだと思うんだけど、全然懲りない。これはもう文明の差だと思って認識していた方がいいでしょう。というか、それでも金払うんだからいいだろう、みたいな考えなんだろうと思う。ロシアは金が欲しいのだ、と言うのは日本人も言うけど、多分中国人も振りまいてると思う。そういえばアメリカ人にはそういう視線はほぼないかも。面白い。
ここらへんを思い起こすと、中国はグローバリストの掌中の珠なんだろうなと思わされる。つまり、中国はなんでもできる、さぁ電気自動車だ、アプリがどうした、5Gがどうしたといって騒いで、積極的に時代は中国だ、とか言う話がとても多い。EV車もそうだね。
ぶっちゃけていえば、中国は鄧小平以来西側と組んで、ムジャヒディーン万歳派だったわけですからね。そして、ソ連崩しはショックだったと言われてるけど、でもそこから利益を得た人たちなわけですね。技術も盗んだし(買ったというんだろうが)、トルクメニスタンとかカザフスタンから自分んち有利にエネルギーを買うというのも、ソ連がいたら簡単にはできなかったでしょう。
また、ベラルーシのルカシェンコたちと付き合ってきたことも、要するに、ロシアを孤立させる、ソ連、ロシア帝国の版図にはしないというドイツ/EUの東方拡大プランの伏兵になってる。
このへんが、グローバリストに好まれる存在の仕方なんだろうと思う。グローバリストはロシアを崩せば天国に行けると思ってるような人たちが多数いる集団だから、その線でいる分にはOK。
さてしかし、ここにきて、ベラルーシのルカはついにいろいろ折れてきて、国家連合プロジェクトは進んでいる模様。
Russia, Belarus to hold joint Air Force and air defense drills on March 16-18
ルカはごじゃごじゃ言ってるけど、軍人、治安機関、および一般住民は事態が何を意味しているのかもうわかってるからこの取り組みはおそらく後退しないだろうと思う。
つまり、NATOが戦争しかける気でいる以上、ベラルーシができもしないのに中立で~すとか言ってたら、そこが前線になる。ベラルーシがロシアと一緒ならそこはロシア軍が守るので、前線はポーランド国境に移る。ベラルーシの人、どっちがいいですかという話。
そして、さり気にこれもなかなか大きい。
ベラルーシは、ロシアの石油を精製してヨーロッパに売ってる。その積出港が従来リトアニアだったんだが、反ロシアの急先鋒に稼がせるいわれはないので、ベラルーシもロシアの港を使って輸出することになった。
Belarus starts oil product transshipment via Russian ports
ということで、ウクライナを含むソ連/ロシア帝国の版図においてヨーロッパと組んで怪しい存在になっている中国の行動は、ぼちぼちといった感じになるのでしょう。
ロシアにとっては、気持ち良い話ではなかっただろうけど、そこを正面から指摘して中国人のメンツを失わせるよりも、そうか、エンジンが欲しいんだな、ではウチのはもっといいですよと営業に出るとか、新しいものは必ず買わせる顧客にするとか、そうか、エネルギー確保に余念がないんだな、どうですかシベリアから直で敷くって、といって商売した方がずっと良かったということじゃないでしょうか。
で、むしろ、ここで問題なのはアメリカではなかろうか。特にオバマ政権。もし、バイデン一派などが、ウクライナをロシアから離すことによって、特殊技術が中国にわたることを知りながら、あるいは、知りながら促進することによって利益を得ていたとしたら、それはアメリカにとって全くの売国行為ではなかろうか?
ここらへんは、もちろん、アメリカ次第。そして、今のところアメリカは民主党はもちろんのこと、共和党もウクライナ問題をつつけないでいる。
思えば、トランプはこの問題をロシアに拾わせたかったのかもしれないね。そうすれば、民主党も壊れるし、中国とロシアの関係も壊れる。一石二鳥! だがしかし、ロシアは拾わず、トランプは自分が壊れた・・・。どうかしら?
私はあなたのような、けち臭い、たいした理屈もない造反有理の末端理屈に付き合うことが大変不愉快です。
あなたが技術や創作に対して真面目でない人間なのはよくわかります。
ですので、以降あなたのコメントは開けません。ご自分でブログでもやってください。
最後になりますが、1950年代のソ連と中国の航空機技術水準が同じだと言った人を、私は人生の中で初めてみました。多分、中国人も言わないでしょう。
だって、強くなりたいなら達人の技を真似するのは当たり前じゃないか。自分、若い時に剣道をやっていたんだけど、未熟なお前等が自己流な動作をしたところで程度が知れている、オリジナルなことなんかしなくていいから達人の真似をしろと教えられたよ。見取り稽古というけど、武道では敵や他流に関わらず基本的に模倣が推奨されていると思うのですよ。本来、日本はそういう文化で生きていて、江戸時代の職人なんかも同じだったんじゃないのかな。
パクリだ、コピーだ等とバカにされ、侮蔑されたっていいんですよ。技を極め、強くなる道の方が絶対に正しいでしょ。
ちなみ、中国とソ連の航空産業が非常に粗悪だった頃から付き合いをしている関係なので、パクリだ、コピーだ言われても「なにおまえが綺麗事言うてんねん」と言い返せる関係ではあると思います。https://ja.m.wikipedia.org/wiki/%E3%82%AF%E3%83%AA%E3%83%BC%E3%83%A2%E3%83%95_VK-1
だから、イリヤー・ムーロメツを作ったロシア帝国のシコルスキーの爆撃機を当時のライバル国もコピーしようとし、また、シコルスキー本人はボルシェビキの革命のせいでアメリカに亡命し、その会社が今も続くアメリカのシコルスキー・エアクラフトとなるわけです。
もちろんシコルスキーの爆撃機が無から湧き出たわけではなく、フランスとの交流が大きかったんじゃないかとも思います。という具合に、確かに技術は交流の結果として向上していくことが多いと思います。