6月16日にプーチンとバイデンが会うというタイミングだからでしょうが、アメリカNBCがプーチン大統領と長いインタビューをして、一昨日番組宣伝を流し、今日本番を流していた。
どうやらやってるようだとputin nbcで検索したらyoutubeでもライブ配信していた。
Интервью Владимира Путина телеканалу NBC. 1-я часть (14.06.21)
といってもこれはロシア語。私はロシア語を聞いても全然わからないので、クレムリンに既に上がっていたスクリプトを目で追いながらプーチンの声を聞いた。
スクリプト(英語)
Interview to NBC
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いつものように本当によくしゃべるプーチンだった。でもって、途中ぎくしゃくしたりしたが、それはもう、もって、このバービー人形のボーイフレンドのお父さんみたいなインタビュアー、Keir Simmonsのせい。というよりNBCに預けられた質問リストなんだろとは思うけど。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/20/d6/28817856824340de0cb5c3df39d26d91.jpg)
マケインがあなたを殺人者といい、バイデンがうんちゃらですが、あなたはどう思いますかとか、ナワリヌイについて言質取ろうとするとか、もう、なんというか、超どうでもいいことをマジな顔して聞くこのアメリカのレベルの低さいに、絶望感しか感じない。
勝手に作った噂話にコメントしたらそれをまた記事にして、って、東スポが売れない芸能人相手にやること。
こんなことを答えさせられるプーチンにはまことにお時間を頂戴して申し訳ありませんといったところ。
アメリカ最大の劣化の象徴の1つは政治言論だなと思った。
デマに基づく言論を大っぴらにやりすぎて、それ以外には聞く耳持たない、アホなオーディエンスを大量に抱えた。もう、難しい言い方とか、遠回しのサジェスチョンを読み取る力が国民から失われていると思う。
とはいえ、それ以外にもたくさん話したので、折に触れて何か書くかもしれない。また、Keir Simmonsは精神病病みというしかないような、ネオコン/ネオリベ系では全然ない人だと思うので、そこはよかった(こんなことを安心するってどうなの、ほんと)。
チャイナのところなど、なかなか面白かった。インタビュアーはプーチンからなんとかしてチャイナへの懸念みたいなものを引き出そうとして、ロシアの隣でチャイナが軍事増強してます、ウィグルはどうですか、と立て続けに聞くんだけど、プーチンはまぁそうだろうなというようなことを答え、最後に、正直に言うけど、ロシアと中国の関係に打撃を与えようという試みがあるわけです、あなたのもその一つ、とか言われていた(笑)。
宇宙開発については、なんとなく予想した通り、米ロは一定の協力関係をしようという試みがドミナントなんだけど、多分、政治状況で上手くいかない、みたいな感じなのかな、といったところっぽい。
そしてそれはアメリカ側というよりロシア側の出方の問題だとアメリカの方は認識しているのかな、とも聞こえた。ロスコスモスのロゴジンが話題になっていた。
お人形さんの行方はどうなるのでしょう。
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(ロシアの宇宙飛行士をモデルにしたバービー人形)
いずれにしても、プーチンとバイデンの会話とか、考えただけでも空恐ろしい。
バイデンは、プーチンとの共同記者会見はやらないというのは、要するに、丁々発止になったら困るので、後で国務省が書いた好きな作文を読むという仕様なんでしょう。
■ オマケ:2019のFTインタビュー
今日のインタビューを見ながら、プーチンはもっと優れた知性が洞察を求めて話しをするべき対象だろうにな、もったいない、と思った。
そういうと、NBCのインタビュアーに申し訳ないし、アメリカの大衆向けテレビ放送の限界があるのも承知する。しょせんテレビはそんなもの。
そこで、いっかな西側といえども、やっぱり時間をかけて、テレビ用ではないものを撮りたかったのかなと思ったのは、2019年夏に、FTの Lionel Barber が行ったインタビュー。
Vladimir Putin interviewed by the Financial Times | FT
西側が取ったプーチンのインタビューで、今までで一番優れてると思う。政治、経済を俯瞰しつつ、そこはかとなく文明論的なものを考えながら話してるところまである、とても率直でハイレベルなインタビュー。
コメント欄でも、プーチンがどうしたというより、Western mediaにこんなインタビューができるんだ!!といった趣のものがあったけど、まさしくそれ。劣化が深刻な西側のジャーナリズム or 言論のプロフェッショナルをこのまま放置しないよう、良いものを作ってくださいよ。ほんとに。
だから、名前が違う。
言質とって貶めて話を作るためのインタビューをなんと呼ぶべきか・・・・
エンベッド取材、embedded journalismの延長なんですかね。2003年イラクの時に、軍隊に同行して軍の言う通りの物語を作るのを「取材」と呼んだあたりから、思えば狂ってる。(多分、ユーゴ紛争からだと思うが)
でも、それを相手を貶めようと悪意でやるわけだから、
「はめ込みジャーナリズム」という名はどうだろうか?
問題はソ連崩壊後に教育を受けた層で、どうも確実に違う印象を受けます。例のナバリヌイなどは本を一切読まないことを公言しています。聞く話では、モスクワの地下鉄車内でも今やスマホを覗いている人が大半のようです。歴史教育も90年代に歪められたようで、「大祖国戦争」の経過もロクに知らない若者が多いという話も聞きます。この無知な若者達を利用しようとしているのがリベラルとその背後の西側機関です。