安倍政権と日本会議について英エコノミストが記事を書いていた

件の集団的自衛権の導入を柱とする安保法制を違憲であると憲法学者さんたちが訴えていることに対して、菅官房長官は合憲だという学者さんちもたくさんいるんだと談話で話した。で、その学者さんたちは、どうやら全員日本会議関係者らしいじゃないのよ、という記事がyahooにあがっていた。

「集団的自衛権を合憲とする」憲法学者は全員、日本会議関係者――シリーズ【草の根保守の蠢動 第9回】
HARBOR BUSINESS Online 6月12日(金)7時21分配信
http://zasshi.news.yahoo.co.jp/article?a=20150612-00045061-hbolz-soci

なんてか、まぁ知ってる人はみんな知ってましたという話である。

で、その日本会議について、英エコノミスト誌が6月5日付けで記事を書いていた。記憶では2年ぐらい前にも一回小さな記事を書いていたように思うので初めてではないと思う（不確かな記憶ベースですよ）。

Right side up
http://www.economist.com/news/asia/21653676-powerful-if-little-reported-group-claims-it-can-restore-pre-war-order-right-side-up

で、それによれば、Nippon Kaigi、「日本会議」という毒にも薬にもならないような名前の団体は、実際のところ日本の有力なロビーグループで、ナショナリストというかあからさまなリビジョニストの集団で、彼らの大義はこのへんにある。すなわち、

・戦時中大東和を西洋人の植民地主義から解放した日本を賞賛せよ
・軍備を再構築せよ
・左翼教師に洗脳された生徒たちに愛国心を吹き込め
・天皇を戦前の古き良き時代にそうであったように崇めろ

さらに、アメリカが戦後占領し、民主主義をもたらしたことに対しては、日本会議の支持者は、占領と、そこで生まれたリベラルな憲法が日本を骨抜きにしたととらえている。

と、まぁその、チャンネル桜をご覧の皆様にとってはあまりにもなじみ深いお話が書かれてますね（笑）。

さらに、

奇妙なことだが、このグループはその影響が政権の中枢に及んでいるにもかかわらず日本のメディアではほとんど注目されていない。

ともある。その後このグループの規模や地方での影響などについて書かれていて、かなりちゃんとしたレポートと言っていいでしょう。

私としては、自由に団体を組むのはいいけど閣僚の大半が影響を受けている団体があるのなら、その団体の主張をいちいち検証したり、反駁したりするのは民主制度下におけるジャーナリズム、メディアの役割ではなかろうかと思うのが、英エコノミストが主張する通り、この件は日本では、ゲンダイとか赤旗とかいう、主流とはいえないところでしか記事になっていないと思います。

私はこの状況はよろしくないと考えます。

でもって、憲法学者の長谷部先生や小林節先生のような、そもそも別に反自民でもなんでもない方々がこぞって現在の状況に精力的に警鐘を鳴らしていらっしゃるのは、要するに、自民党の中の影響力の源泉には、どうやら現代の民主主義を前提とした社会の価値観とは相いれない人々が強力に存在していることが大きく関係しているんじゃないかと推察します。

つまり、このまま行ったら今見えてる以上の危機が予想されるのに座して見過ごせるか、ってところです。私はこの危機感を共有します。

■ さはさりながら

さはさりながら、思うに、こういうある種の「暴発」は起こるべくして起こったという側面もあると私は思うし、長い目で見れば必要だったとさえいえるんじゃないかなと思う。だから問題はその混乱をどう制御、整備していくかってところだと思う。この続きは後で書く。

暴発にならないよう出てきてくださった憲法学者さんたちに敬意を表します。

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