時間の問題となっていたアレッポ、ついにシリア軍アレッポ解放達成した模様。
まだラッカ、パルミア以西のイラク側とイドリブ県がいわゆる反体制派なる人々が跋扈する地となっていますが、とりあえず大都市が陥落したのはまったくめでたい。
こういう際に好例の人々が旗ふって喜ぶの図はこのRTの記事の中の動画にある。
Street celebrations in Aleppo on news of Syrian Army retaking east of city – RT reporter (VIDEO)
https://www.rt.com/news/370084-aleppo-liberation-reports-celebrations/
日本語の記事では、
アレッポで反体制派敗北=全主要都市失う-シリア内戦
http://www.jiji.com/jc/article?k=2016121200801&g=isk
【カイロ時事】在英のシリア人権監視団のアブドルラフマン代表は12日、シリア内戦の激戦地である北部アレッポでの戦いについて、ロシアが支援するアサド政権軍の攻勢により反体制派が事実上敗北し、終わったとの認識を示した。
というわけで、最初から最後まで西側メディアは取材にも行かず、ロンドンにある単体の監視団なるところからの「見解」を書き連ねてきたわけです。バカな話。
それはジャーナリズムを捨てる行為なわけですから当然腹を立てるのはジャーナリズムは大事であると使命感を持った人たちになる。
そこで、前にも紹介した通りのイギリス系アメリカ人のバネッサさんの渾身のアレッポ報告なんてのもありましたし、ここ数日では、カナダ人のエバ・バレットさんというジャーナリストが国連でのプレス会議で、堂々と状況を説明していた映像が注目を集めている。
私の国カナダを含む西側は、アレッポの93%が政府軍コントロールになったここにきてもまだ停戦しろと国連で提案を出していますが、これはシリア人のためのものはありません。アサドを倒し、ロシアを悪者化するためのものです、と言い切る。
Canadian Journalist on lies about Syria | December 9th 2016
最後の方では、シリアの現場にいる各種機関によればこうだああだと言う西側(ノルウェーだと言う噂)のジャーナリストに対して、どの機関ですか? どんな機関がいるというんですか? いないんですよ。西側メディアは上述のロンドンにある監視団なるところや、白ヘルメットという西側各国が金出して作った団体の偽情報に基づいてます云々、ときっぱり発言。
こういう状況は本当に大事。新聞やテレビというメディアは上位下達の仕組みにフィットする。だから、あれ、そこは違うでしょ、という反論機会を確保することが大事。そうでないと理性的に事実を基にした議論にならない。
と、ここまで来てしみじみ思うけど、これは一体何をしていたことになるのか。あたかも、既存ジャーナリズムに失格、適格でないという烙印を押すための罠だったんじゃなかろうかとさえ思う。あまりにも馬鹿げている。
(別の角度から見れば、本当に現地を動かせる人たちとメディアを動かせる人たちが対立している、ということも読める。)
■ シリア東部情勢
パルミアをISに再度取られて、大わらわになってるシリア軍ですが、これは米がイラクのモスルを解放する~とかいってISをシリア側に送り出したことが主要な要因でしょう。
こんな位置関係。
もちろん、シリア軍もパルミア周辺が手薄だったり、情報共有がちゃんとできてなかったりとかいろいろ失敗があったらしい。
ロシア軍はパルミア周辺の地雷撤去を完了させた工兵が撤退してから基本的には現地軍まかせ。パルミア遺跡の修復はロシアの文化機関が参加して修復している。全体として、人口の多い西側を片づけることに優先度があって、砂漠側は次のフェーズという体制であるように見える。
で、私が思うにシリア軍は人が足りてないと思うんだな。総動員かけてるわけじゃないし、なんせ多数の人がこの6年間で移民、難民となって外に出て行ってしまった。
というわけで、ここはもう、シーア派の民兵を募り、わけてもヒズボラを拡大すべきですとかいう声を大きくするのがいいのでは。パレスチナからの民兵の存在にももう少しフォーカスをあててもいいでしょう。金ならチャイナも手伝いますよ、とか言ってもらって。そうすると、イスラエルがとても嫌がると思うので、話が進むかも(笑)。
アレッポを解放すればシリアの政権安定に寄与しますからね。砂漠を解放してもこれは見込めない。
欧米の軍事工作員が多数取り残されている、と言われていたのだけれど、何か取引があったのでしょうか、表に出てきませんね、残り数パーセントの解放されていない地区にいるのでしょうか?
ホワイトヘルメットと公開処刑をしていたisは同一人物が多数いたから表に出てくることはできない。
IS、アルカイダおよびその多数のアフィリエイト等々の処遇をどうするのか、いくら金詰むのか、どうやって秘密を守らせるのか、とかとかを西側は検討していたんだろうなーーー、と思うんですよね。
だって、これが15年戦争の裏側ですから。