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コミーとメイ、西側の混乱は温く続くんでしょう

2017-06-09 07:18:35 | 太平洋情勢乱雑怪奇

アメリカでは元FBI長官のコミーが議会の公聴会で証言したというので大騒ぎをしている。

コミー前長官「捜査中止の指示と受け止めた」

http://www3.nhk.or.jp/news/html/20170609/k10011011391000.html

というロシア関連の部分を取り出してみても、それほどインパクトはないでしょう。だってそう感じた、だけだから。

むしろ証言の途中で、ロシアに関する情報がいっぱいでているが、全くの嘘もあると言っているところとか、2月のNYTの記事は嘘といった言明の方が職務上から知り得る情報に基づいて言っていると考えられるんだから貴重というべきではなかろうか。

Ex-FBI chief Comey: Many news stories about Russia are ‘just dead wrong’ 

https://www.rt.com/usa/391376-james-comey-testifies-trump/

また、大統領選挙中、クリントンのいわゆるメール事件を捜査していたのは本当だ、だが司法長官から「捜査」と言うな、その件と言えと言われた、その時俺は非常に不愉快な気がした、とかいう話の方が重要ではなかろうか。そのうちまたこのクリントンの件は重要になるかもしれないのでクリップ。

Comey Testifies AG Lynch 'Pressured' Him On Clinton Probe: "It Gave Me A Queasy Feeling"

http://www.zerohedge.com/news/2017-06-08/comey-admits-ag-lynch-pressured-him-use-clinton-campaign-language-it-gave-me-queasy-

 

いずれにしても、勝手にやってという感じは残る。

そういえば、12日から4夜連続で放映されるというオリバー・ストーンのプーチンのインタビュー集の中で、プーチンは、アメリカは大統領は変わったけど、政策は変わらなかった、と言明している模様。

US policies unchanged now matter who is in power — Putin

http://tass.com/politics/950630

 

アメリカの政策は変わらないのだが、だいぶ足元に変化はあるよなとは思う。オバマ時代ほど恐怖政治めいてはいない。オバマ時代は暗殺はするし、国税庁は使うし、メディアとオバマの方向性が一緒だしってんでとんでもない強権だった。どの政権もそうだが、メディアが圧倒的にオバマ支援だというのは、やっぱりよくないでしょう。ISを残せばいいじゃないかとテロ支援発言が出るところまでいってしまった一つの原因はここにあると思うな。政府の方針ならクソも味噌になる、みたいになりがち。

トランプは確かに無法者めいているが、メディアと合体してない分実はやれることに限界があるし、メディアが敵対してくる以上、通常の報道ができないわけでこれをトランプのせいにするのはどうなのそれ、とも言える。

民主主義とメディアってのが実は問われているテーマだと思うが、メディアにその自覚がないんだから仕様がない。

というわけで、アメリカがどうなっていくのか、わかりませんが、個人的にはもうとても冷めてる。Cold Warを誘発するつもりがCold Civil War(冷たい内戦)を引き起こしたようなもので、どうやって収めるんでしょうね。

 

一方、イギリスは、総選挙に打って出たメイ政権が、どうやらhung parliamentという、要するに過半数を取れない内閣になるんじゃないかと報じられている。賭けに負けた格好ですね。

これはつい最近「マスコミに載らない海外記事」さんが訳されていたものがこの間の事情を伝えていると思いました。お借りします。

イギリスのメイ首相はテロ・カードを切ったが、実はジョーカーかも知れない

http://eigokiji.cocolog-nifty.com/blog/2017/06/post-0b6c.html

 

テロを強い内閣アピールに使ったことがバックラッシュを引き起こしているという観測。他にもあるとは思うけど(Brexitを阻止したい派)、このアピールは広くイギリス人一般に、嫌悪というか困惑を呼んだというのは本当だと思うな。

そもそも、イラク戦争に反対、リビアは間違ってたという結論を出した国の人たちなわけで、それを懲りずにサウジアラビアの金が大事なシティーを放置しているというところに、潜在的な不満がある。テロに強い内閣アピールはこの不安に火をつけたと思う。

ここで大事なことは、少なからぬイギリス人の頭の中には、アルカイダ他のテロリストの資金源はサウジ、カタールらの産油国が主体であるという認識があるという点じゃないかと思う。メディアはそうは書かないけど(笑)。だから、それを知ってて戦争に火をつけている自国政権に対して一般的にシニカルでもあり、しかし機会あるごとに腹を立てる、と。

 

とはいえ、こっちも、メイが強かろうが弱かろうが、彼らにできることも大分限られていると思うなぁ。今からシリアを崩しに行ったところで誰も付き合わないし、イスラエル&サウジアラビアにおべっかつかっていくことの将来性を考えるべきじゃないんですかね。

で、そのサウジはカタールを降伏させようとしているわけだが、多分カタールは結構長持ちするだろうと考えられるし、イギリス、ドイツなどはカタールの現体制からの投資が結構大きいので、潰せーとかできないでしょう。一方サウジも上得意。

というわけで、西側勢はどこも手詰まり感一杯の今日この頃。


 

 


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2 コメント

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『ねじれ政府』 (ローレライ)
2017-06-09 08:59:14
以前、フランスで『コアビタシオン保革共存政権』と言うのがあったがトランプ政権も『ねじれ政府』で思い切った独裁ができない所は似ています。『彼には文革はできない』ようだ。
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その上イスラエル派だし (ブログ主)
2017-06-09 09:31:54
ローレライさん、
確かに共和党が敵に近いので、実際コンビタシオン的ではあるんですよね。

私はもともとトランプはやれることに限界がある、敗戦処理、と考えているので文革なんて滅相もない派ですのでその点で驚きはないですけど、このままでアメリカは全体としてどう収束するんだろうなぁと遠い目をしちゃいます。
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