DEEPLY JAPAN

古い話も今の話も、それでもやっぱり、ずっと日本!
Truly, honestly, DEEPLY JAPAN!

プーチン大統領訪日:日露国交正常化への一歩

2016-12-15 18:55:03 | 太平洋情勢乱雑怪奇

プーチン大統領が山口に到着したそうで、まずは無事の御到着、慶賀いたします。ようこそ、日本へ! ですね。

RTはプーチンに同行したら必ず空港の到着シーンをアップしているので、今回も到着シーンが出てた。背景で時々拾われている音はジェットの音だと思うので、マジの厳戒態勢だったんだろうと思う。

https://www.youtube.com/watch?v=tu7dBdExj30

パノフ元大使の姿があちこちで見える。この人が大使をしている時に、ウクライナ問題が起きて、日本側が自分でプーチンを招待したその招待をキャンセルした。これをひっくり返して今回ここまで来たのは、おそらくこの方と日本側で日露関係をつぶしてなるものかと考えている少数だろうが頑張る人々の尽力の賜物なのではないかと想像する。

 

スプートニクを見たら、読売&日テレのおじさんたちによるインタビューの最後の部分が、日本の人々へのメッセージとして独立していた。

プーチン大統領から日本人へのメッセージ 【動画】
https://jp.sputniknews.com/politics/201612143133054/


「いま申し上げたいのは、両国には残念ながら多くの未解決の問題がある。しかし、ロシアでは非常に多くの人々が日本を知っているし、愛している。まったく無条件に確信しているのだが、我々はいつの日か、必ずあらゆる問題を解決できるだろう。しかし、いつ実現するかに関係なく、今日すでにロシアに住む何百万という人々が、大袈裟でなく、日本にひかれている。日本の何百万という人々もそうだろう。 

(彼らには)お互いを知り合おう、互いに協力しよう、有益な情報を交換しようという気持ち、そして未解決のすべての問題を解決しようという心からの願いがある。」

クレムリンのサイトに出てる英語版の該当部分はこれ。

Vladimir Putin: I would like to say, you know, that, unfortunately, we have many unresolved problems. But a great number of people in Russia know Japan and love Japan, and I am sure that eventually we will resolve all our problems. Irrespective of when this may happen, it would not be an exaggeration to say that today millions of people living in Russia and, I am sure, millions of people living in Japan have an urge to get to know each other, cooperate and exchange useful information, as well as a sincere desire that all problems that still remain unresolved be resolved.

http://en.kremlin.ru/events/president/news/53455

 

■  日露国交正常化への第一歩

全体としてこのプーチン騒ぎは何なのかといえば、私が思うに、日中国交正常化と同じなのではあるまいか。日露国交正常化への第一歩みたいな感じ。

日露は1956以来一回も国交は途絶えていないわけだけど、でも、はっきり言ってちゃんとした外交関係ではないんでしょう。そもそも平和条約を結んでいないんだし。

つまり、戦争するかもしれない状態を解決できない両当事者が、北東アジアの平和的な状態を模索するといったって土台がないってこと。

もう一つ気付かされるのは、今回、日本のバカマスコミはパーなこと書き散らして煙幕はってますが、それを避けてみれば、ロシアが求めたというより日本側が紆余曲折を辿りながらも、プーチン訪日を達成したかったようにしか見えないこと。これは何故か。

これは、戦後体制見直しにあたって、現在の、ロシアと半端な外交しかできない状況では、実のところ日本にとって不利益があるということかと思う。

例えば、国連改革を今後していくにあたって、日本は敵国条項の撤廃を求めていると思うんだけど、それはどうやって成り立つのかといえば、近隣諸国との関係の正常化、土台作りしかないでしょ? 近隣諸国と揉めた約50年の果てに真珠湾があるんだから。

それを、ここ数年、アメリカと仲よくすればすべてが上手くいく、なにしろ我々はG7だ、みたいなパーな見解に引きずられた外交を全面に出していた。

しかし、日本の当局者か奥ノ院みたいなところもさすがに、そうじゃないんだってことは理解しているのだろうと私は思う、ってか、そう信じたい。

 

■ ドイツの東方政策

ドイツはなぜロシアと一人前の外交ができるのかといえば、70年代にいわゆる「東方外交」というのをやって、ソ連との間で大きく関係を改善したことが根本にある。現在欧州中に張り巡らされているパイプラインはその結果のひとつ。これはソ連が、無理くり俺の天然ガスを買えと言ったのではなくて、むしろ逆で、ドイツ側が頭使って、金使って提案していった産物。

私はこれを、ドイツはロシアとの間で経済的相互確証破壊体制を作ろうとしたのだと考えている。

ドイツは自分が広義のロシアに踏み込んでいる側なので、ロシアが意味もなくドイツを攻めてくることなんて考えてない、信じてない。

しかし、NATO体制というアングロ・シオニスト・アメリカ体制の下にあっては、いつかそう言わざるを得ないことが来る可能性は常にある。自国ドイツの側の方にも資本主義的合理性の果てに経済を使って戦争をしかけたくなる人々は多いことも自覚しているでしょう。

だからこそ、我々は相互に相手を必要としているという体制を作ることで、一気にヒトラーのような真似ができないよう、大きなハードルを作ったのだろうと私は理解している。

バルト海を突っ切ってロシアとドイツの間で直接パイプラインを設置したノードストリームはそのバージョン2でしょう。ポーランド、スウェーデンというアングロ系下僕の国をすっ飛ばすという物凄い力技なわけで、さすが独・露だなとも思いますが。あはは。

 (クリックで拡大)

 

■ 中国じゃ足らない

そう考えてくると、同時期に日本だって日中国交正常化(または樹立と言いたい人もいるでしょう)をしたじゃないかとも考えられる。確かにそれはそう。

しかし、私たちが住む世界は、しょせんはアングロ・シオニスト・アメリカが覇権を握っている世界だという考えからすれば、これでは足らない。なぜなら、アングロ・シオニスト・アメリカ世界の最終目標は、ロシアを略奪支配することで全世界に敵なしの状態を作ることにあるから。地政学で使う地図とか見るとこのへんは明らかですよね。

だから、日中の友好では、アングロ・シオニスト・アメリカ世界がしかける大戦争構想に対抗できない。足らない。

そして、だからこそ日露友好が問題になり、それだけ阻止する人々も多い。大戦争を妄想する、または妄想させることによって金儲けをしたい人々からしたら、まったく迷惑な話だから。

ということだと思います。

 

で、日本とドイツの差は何かというと、ドイツは現在の世の中はアングロ・シオニストがアメリカを乗っ取って作ってるんだ、という点に明確な見極めがあるが日本にはそれがない、ってところじゃないですかね。

 

■ つまり何なのか

で、なんでこんなことをやっているのかといえば、策謀による大戦争を再び起こさないためにはどうしたらいいのか、が隠れたテーマなんじゃないでしょうか。そして、国連というのは原初的にはそのテーマに沿って構築されている。

これが戦争に関して機能不全だった使われなかったのはもって「冷戦」なる人工的な枠組みが出来たから。これを取っ払おうとしてもしても反逆が生まれるのが過去70年ってことじゃないっすかね。

だから、冷戦を仕掛けたトリックを今あちこちで、特にアメリカ(-(ネオコン+ネオリベ))が中心になってぶち壊している、と私は理解してます。

結局こういう世界をそろそろお終いにしようと思う人が多くなった、という風に見ても同じでしょうね。タイミング的にはここから考えているのじゃないでしょうか。

1917年を見直す時になるのか2017年

 

そして、なぜそう考えるようになったのかという推進力は、あまりにも兵器の破壊力がデカすぎて本格戦争ができないことだと思う。アメリカは核兵器の独占で自分だけエライ、「俺が国連」みたいなことをしようと考えたわけだけど(これがリベラル帝国主義となる)、結果的にそれは白昼夢だったってことです。

で、これは別に今年気がついたのじゃなくて、50年代ぐらいから既に、これはヤバい、こんな、世界中に原爆落とせば俺の勝ちみたいな考えを持った奴らをのさばらせるのは間違ってるという「悩み」はずっとアメリカにある。

もう一つは、しょせんリベラル帝国主義は嘘と欺瞞が主要な道具なので、嘘つきすぎてもう西側としては道徳的、価値観的に劣位に立たされすぎて、このままじゃどうもならん、ってのもとても大きいと思う。911は本当に凄まじい自爆だと思う。

リベラルとリベラル帝国主義

 

何はともあれ、日露関係の正常化に向けて尽力された皆さまには日本人の一人としてお礼を言いたいと思います。

これはだってとっても大変な仕事でしょ? だって私たちったら、アメリカの支配下というより、極東米軍の私的統治下みたいな状況なんですもの。

 

■ オマケ

チャイナの反応。中国外務省広報官が言ったという話。TASSからの引用。

「ロシアと日本は中国の隣国です。」

「私たちはロシアと日本が相互尊重と平等に基づき正常な関係を発展させることを希望しています。このような友好的な関係は、地域の平和と安定の促進のためになります」

"Russia and Japan are China’s neighboring countries," the diplomat noted. "We hope that Russia and Japan will develop normal relations based on mutual respect and equality. Such friendly relations will help promote peace and stability in the region," Geng Shuang said.

http://tass.com/world/919497

 

中国は今何が起こっているかよくわかってるでしょう。で、やっぱり、日露の関係がノーマルでない、というのが現状認識なわけですね。

 


 


コメント (2)    この記事についてブログを書く
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする
« プーチン秋田犬と共に登場「... | トップ | 「プチャーチン上陸」  »
最新の画像もっと見る

2 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
『ロシア世界解禁』 (ローレライ)
2016-12-16 11:39:00
日本人には恐らく初めて『ロシア世界解禁』の時代が来て『投資やマネロン』の対策の舞台にできる時代が開いた。
返信する
とりあえず壁を破る (ブログ主)
2016-12-16 12:09:16
別にロシア世界は初めてでもないんでしょうし、素晴らしいといったものでもないでしょうが、でも、とりあえずガラパゴス脱出の一歩にはなると思います。

で、そうさせたくないからこそいろんなところで、意味不明なロシア叩きが始まると思います。今のUS/UKがやってるのが、そのまま来るんだろうなぁと想像。
返信する

コメントを投稿

ブログ作成者から承認されるまでコメントは反映されません。

太平洋情勢乱雑怪奇」カテゴリの最新記事