フェザー級10回戦
WBOフェザー級王者のオルランド・サリド選手(Orlando Salido)が無冠戦のリングに登場。フィリピンからのウェン・ハヤ選手(Weng Haya)との10回戦はメキシコで行われ、サリド選手が2度のダウンを喫して大ピンチに陥ったものの逆転の8回TKOで勝利した一戦でした。
ファンマ・ロペス選手との再戦を睨むサリド選手にとっては軽いチューンナップの意味しかなかったこの試合でしたが、あわや大番狂わせというヒヤヒヤの勝利でした。
スタートから上下へ散らす左フックや顔面を狙う右アッパーなどの力強く的確な攻撃でペースを握ったサリド選手。ハヤ選手の右ストレートや左フックなどの攻撃はなかなか鋭いものだったのですが、格の違いを感じさせた序盤戦の攻防で、2回からは左右フック・アッパーで徐々に攻勢を強めてサリド選手がペースを完全に掌握します。
3回に入ると強い右フックや強烈なボディアタックでハヤ選手の失速を呼びます。仕上げに入ったサリド選手が一気に試合を決めてしまう、いつハヤ選手が倒れるか、という状況にまでなったこのラウンド終盤だったのですが、ここでサリド選手にとっては大きな落とし穴が待っていました。
左フック同士のカウンターをどんぴしゃりのタイミングで浴びてサリド選手がノックダウンを喫してしまいます。
このラウンドはなんとか凌いだサリド選手でしたが、ラウンド終了時にコーナーを間違えるなどダメージは浅くはなく、続く4回開始早々にハヤ選手のなんでもない左フックを浴びて再びダウンを奪われてしまった場面は絶体絶命の大ピンチでした。
しかし打ち気にはやるハヤ選手の攻撃がラフになったのも手伝って、サリド選手の後退しながら狙う的確なカウンター攻撃が徐々にペースを挽回していきます。4回終了時には再びペースを握っていたサリド選手。
5回6回は無理に出ることは避けて上手く休み、そんな中でも要所を押さえる的確で強い攻撃でペースはがっちりとキープしていたWBO王者。7回に強い右フックでチャンスを掴んでから再び攻勢を強め、8回に右でダウンを奪った末の逆転ストップ勝利でした。
3回に食った左フックでのダメージは深刻で、4回は本当にあと一歩のところまで追い詰められたサリド選手でしたが、ピンチをなんとか凌いだ辺りの攻防からはキャリアの深みも感じさせました。元々の地力の差、ハヤ選手の拙攻に助けられたという面も多分にありましたが、流石と思わせるサリド選手のピンチでのボクシング、でもありました。
サリド選手は37勝(25KO)11敗2分。ハヤ選手は14勝(8KO)5敗。
Orlando Salido Gets Badly Hurt, Rallies To Stop Haya(Rafael Soto/BoxingScene)
Photos: Mexico Shocks - Salido Nearly Stopped, Paez(Boxing Scene)
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