大福 りす の 隠れ家

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みち  ~未知~  第114回

2014年07月04日 14時57分39秒 | 小説
『みち』 目次



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『みち』 ~未知~  第114回



午後の業務に入ると同時に 古いデスクトップのPCを琴音の机に移動させるため 少々ゴタついたが何とか収まりこれからはPCを使いたい放題だ。

「これでエクセルで数字の管理が出来てワードを使えば苦手な字を書かなくて済むわ」


会社を終え部屋に帰るとPCで見た事を思い出していた。

「ひいお爺さんって陰陽に興味があったのかしら。 興味があったくらいであんな物を手にするのかしら・・・あれをお経だと思ってたお父さんに聞いても分からないだろうし」 琴音も陰陽道に興味があって本を読み漁っただろう? 時代の違い、対象物が違うだけで琴音のやっている事と同じ事だよ。 

そしてPCで見た気になる文面を思い出していた。

「宇宙の形相が約象されている・・・神々によって人間の魂を向上させるため・・・森羅万象の霊妙なる力を宿している・・・。 確かに陰陽道は宇宙よね。 でもそんな風に今まで本を読んでこなかったわ。 ・・・宇宙・・・?」 頭の中が切り替わった。

「・・・宇宙・・・魂・・・地球・・・マクロとミクロ・・・」 和尚の話だ。

「私・・・」 うん? どうしたんだい? 次の言葉に期待していいかい?

「何か見落としてないかしら? 何か忘れてないかしら?」 そうだよ、よく考えてごらん。

「・・・今思いつくことって・・・」 うん、うん。 なんだい言ってごらん。

「・・・あっ! ケチャップを買ってくるのを忘れたわ! あーん、今日の夕飯はオムライスを食べたかったのにぃ!」 あ、そう。


翌日会社では朝からPCを立ち上げ、古いバージョンではあったがエクセルでデータ作りを始めた。

そして昼休みは調べたかった事を調べ始めた。 愛宕山に登り空也滝を下りた時に膝下しか見えなかったあの服だ。

「あの服・・・秦の時代の服かしら?」 その時代の服の画像を見るが同じような物が見当たらない。

「違う・・・いつの時代の服かしら・・・」 色んな時代の画像を検索していると

「あ、これだわ! よく似てる」 それは写真ではなく絵であり、中国ではなく日本の画像であった。

「あら? 他の画像は全部写真で日本の神官の服って書かれてあるわ・・・一緒にあるってどういうこと? この絵も神官の服なのかしら・・・でもどうしてこれだけ絵なの?」 じっとよく見てみる。

「ちょっと違うかしら・・・覚え間違いかしら」 



電話が鳴った。 

「もしもし」

「は~い、元気?」 暦である。

「久しぶり! どうしてたのよ」

「毎日バタバタよ。 それよりまた8月に山に登りにいったんだって?」

「わ、早いわね。 もう知ってるの?」 

「お婆さんからまたもや電話があったのよ」

「おばさん何か言ってた?」

「琴音に誰かいい人を紹介してあげれば? って言ってたわよ」

「それと山を登るのとどう関係があるのよ?」

「デートで山登りどころじゃないでしょ、ってことよ」

「もう、お母さんってば何を言ったのかしら」

「ね、それよりランチの事覚えてる?」

「勿論よ。 あ、食べに行く時間できた?」

「今週末の土曜日のお昼、唯一空いたんだけど どう?」

「OKよ。 何を食べたい?」

「バイキングに行きたいなぁ」

「バイキング? バイキングがいいの?」

「和洋中、全部食べたいの」

「ああ、それじゃあバイキングになっちゃうわね」

「でしょ?」

「行きたい所なんてあるの?」

「サーチ済み」

「さすがは暦ね」

「ただね、夕方からまた出かけなきゃなんないからその後ゆっくりは出来ないんだけど」

「相変わらず忙しそうね」

「まぁね。 じゃあ、どこで待ち合わせをする?」 話は弾む。

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