大福 りす の 隠れ家

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みち  ~道~  第170回

2015年01月23日 14時36分28秒 | 小説
『みち』 目次



『みち』 第1回から第160回までの目次は以下の 『みち』リンクページ からお願いいたします。

  『みち』リンクページ






                                             



『みち』 ~道~  第170回



時間というものはすぐに過ぎていく。

「あら? もうこんな時間だわ。 正道さんまだ大丈夫ですか?」

「ああ、もうこんな時間になっていましたか。 いや、琴音さん 今日はいいお返事をもらえると思っていなかったので嬉しい限りです。 有難うございました」

「いえ、こちらこそ。 1週間に1度だなんて我が侭を言って・・・」

「それで充分です。 ・・・それでは琴音さん早速なんですがいつからなら来てもらえますかな?」

「会社がお休みであればいつからでも大丈夫ですが でもまだ建物が出来上がっていないんですよね?」

「やっと設計相談が終わって少しずつ進んではいるんですがまだまだですからなぁ。 ですが一度場所を見に来られませんか? 来週は時間をもらえますかな?」

「あ・・・時間はありますが・・・」

「何か不都合でもありますかな?」

「いえ、あまりにお話が早くて実感がついていけないみたいです」

「あははは、それはそうですな。 無理なお願いをして早速と言われれば気持ちがついてはきませんですな」

「琴音さん時間があるのなら一度見ておけば? 長い時間を取るものじゃないし、ご実家にも寄って帰ったらどうかしら?」

「そうですね。 連休に実家にも帰っていませんでしたからちょっと顔を見るだけでも寄って帰ろうかしら」

「正道さん、土曜日が宜しいかと思いますわ。 次の日が運転で疲れてしまうでしょうし」

「そうですな。 それでは来週の土曜日にお願いできますか?」

「はい」

「場所は私から説明しておきますわ」

「ありがたい。 お願いします」 野瀬が

「正道さん、これからまたどこかへ行かれるんですか?」

「貧乏暇なしでしてな」 それを聞いた野瀬が更紗を見て

「それでは更紗さんは琴音さんとこのまま居て僕がお送りしましょうか?」

「そうね。 このまま場所の説明をすればいいから・・・じゃあ、私の車でお送りして」 鞄から車のキーを出しそれを野瀬が受け取り、野瀬も車のキーを更紗に渡した。

「それでは正道さん行きましょうか」

「いつもすみませんですな。 それでは更紗さん琴音さんお先に失礼致します」

「お気をつけて」 更紗が立ち上がりそう言った後ろで琴音も会釈をした。

更紗と琴音が正道を見送った後、地図を書きながら場所を教えてもらいその日は更紗に送ってもらった。


車の中は涼しい空気だったが車から降りるとムンとした空気だ。

「有難うございました」

「それじゃあね。 琴音さん・・・やれば出来るからね。 自信を持つのよ」

(あ、また・・・) 更紗の言葉が心に響く。

「なに? 琴音さんどうしたの?」

「あ、いえ。 何でもありません」

「そう? 大丈夫?」

「はい」

「ならいいけど。 それから無理はしないこと。 いい? いつでも相談してよ」

「はい。 それじゃあ、有難うございました。 お休みなさい」 更紗の車を見送りマンションに入った。 

部屋に入ると外以上にムンとした空気だ。 すぐにエアコンのスイッチを入れ和室の机に両腕を置いて

「来週の土曜日かぁ・・・本当に出来るのかしら・・・いったいどうなるのかしら」 両腕の上に額を乗せた。

何度何を考えても事は進んでいるんだよ。 素直に受け止めて波に乗らなきゃいけないよ。

「え!?」 ビックリするじゃないか急に何だい?

「ちょっと待ってよ!」 立ち上がりエアコンに手をかざすと

「やっぱりー・・・。 動いてないー」 エアコンが壊れたようだ。

身体を冷やす事はよくないけど 今の日本はコンクリートジャングルだからね。 早く新しいエアコンを買うといいよ

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