大福 りす の 隠れ家

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みち  ~未知~  第112回

2014年06月27日 14時15分00秒 | 小説
『みち』 目次



『みち』 第1回から第110回までの目次は以下の 『みち』リンクページ からお願いいたします。

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『みち』 ~未知~  第112回



「二人で何話してるのよ。 琴ちゃん運ぶの手伝って」
 
「うん」 母親の顔を見てすぐに台所に向かいそして夕飯を運びながら

「あ、そうだったわこれを聞かなくちゃ。 お父さんうちって何宗なの?」

「何だよ急に・・・浄土宗だよ」

「知恩院派? 西山派?」

「え!?・・・そんな事知らないよ。 浄土宗に派閥なんてあったのか? あ、待てよ・・・確か知恩院って聞いた覚えがあるなぁ」

「知恩院派ね。 まっ、どっちにしても法然上人ね」

「へぇー琴音がそんな事を言うのかい?」

「えへへ ちょっとね。 それと、ここの氏神様は?」

「春日神社だよ。 驚いたなぁ、何があったんだよ」

「春日神社って・・・天兒屋根命じゃない・・・」 琴音の言うように 春日神社の祭神は 天兒屋根命と姫大神、武甕槌命、経津主命の四柱だ。

「うん? 何か言ったか?」

「うううん。 何でもない」 今までの琴音が琴音だ。 
変わった自分を見せたくないと心の片隅で思ったのか、無意識なのかそれ以上何も聞かなかった。

そして正月以来の両親との食事の時間を楽しんだ。
食事のあとは母親と洗い物を済ませゆっくりとした時間が流れた。 すると急にあの5月の連休の事を母親が聞いてきた。

「いったいあの時どうなってたの?」

「うわ、そんな事聞くの・・・」 ポツポツと話す琴音の話に両親は大笑いをしている。

「事故にでもあったのかと思って心配したじゃない」 

「ごめんなさーい。 5月の時は私もあんな事になるなんて思ってもしなかったんだもの。 でも、お母さんが暦のおばさんに言ってくれて助かったわ」

「暦ちゃん良くしてくれたみたいね」

「当分暦には頭が上がらないわ」 

「え? 琴ちゃん今、5月のときって言った?」

「あ・・・」

「どういう事?」

「実は8月にも・・・」 また登りに言った事を告げると

「もう琴ちゃんも若くないんだからそんな無茶しないでよ」 若くないと言いながらも母親はいつまでたっても子供のことが心配なのである。


4日間の連休。 二泊三日で帰ってきた。


『太上神仙』 会社の帰りにすぐ図書館へ寄りそれらしい本を探すが見当たらない。

「どうやって探せばいいのかしら」 この日は諦めてマンションへ帰った。

「どう考えてもあれはお経じゃないわよ。 でも、もし呪文や・・・陰陽関係だとしたらどうしてそんなものをお爺さんが持っていたの?」

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