Diario del companero ocioso

missing Marrakech!

蜜蜂と遠雷

2019-10-10 00:50:13 | cinema
NHK BSの"空港ピアノ"に影響され、長いことbucket listに入れていたことの一つ、人生初のピアノレッスンを始めて1年数ヶ月。
月二回にレッスンなので、歩みは遅く、今も童謡レベルの曲で練習中だけど、少し前にギロックに入ってから、レッスンが一段と楽しくなった。
更に"ピアノの森"にハマってNetflixのお試し契約までして二週視聴、そして私の中ではショパンブームがしばらく継続中で、
パン・ウェイ、もとい、ニュウ・ニュウの生演奏を聞きに行った今年。

本のベストセラーに疎く 、恥ずかしながら原作も本屋で表紙を見かけた程度だったので、この作品のことをあまり知らずニュートラルな気持ちで観賞。
音はもちろん、映像も非常に美しく、詩的で哲学的な雰囲気もある作品だった。
小説の映画化って、原作のファンからしたらイメージと違う、とか、いろいろ突っ込みも入れたくなるだろうし、だからこそ、製作サイドの苦労も並大抵でないはず。だけど、映像だからこそ見せられるもの、そして実際の音、スクリーンを通しての世界観って、活字の世界とは違う広がりがあるわけで。
ショパンの雨だれやノクターンは登場したけど、あとは馴染みがない曲ばかりなのが新鮮だった。
Sportyで探したら、しっかり、本作の曲集が出てきたので、原作ではかなり多くの曲が登場していることでしょう。
時間が限られた劇中では登場人物の説明が少なく、"蜜蜂”に言及している部分も非常に少なかったので、原作を読みたくなったな。

最後のコンクールの演奏は鳥肌立った。松岡さんは、"万引き家族"の時もすごくよかったし、もちろん今回もよかったのだけど、
個人的にインパクトが強かったのは風間塵役の鈴鹿央士君。芸暦も短いと言うけど、ちょっと妖精のような雰囲気で、
そして演奏のシーンでは狂気というか、恍惚と言うか、すごい表情を見せた、不思議なキャラクターだった。
亜夜と二人で二人で月夜に、ドビュッシーの月光から展開し、ベートーベンの月光にも飛び、そしてまたドビュッシーに戻る場面も素敵だった。
前後するけど、第二審査のカデンツァのそれぞれの解釈も面白かったな。
全て即興(たぶん)で演奏していた塵のすごさが、ちょっと、一ノ瀬海にも重なるような。。。

明石の"生活者のピアノ”っていう目線もまた面白くて。確かに、ピアノコンクールって、小さな頃から英才教育を受けてきた猛者の集まりで、
そんな中、家族・仕事を持ってコンクールに挑む参加者なんて、現実にいるのかどうかわからないけど、支える家族がいるからこそ、
紡ぎだされる音楽っていうのもあるのかもしれない。
"あめゆじゅとてちてけんじゃ"って、むかーし、教科書に出てきたような気もする。読み返してみたくなった。

審査員長役の由貴ちゃんがヘビースモーカーの設定だったのにびびったけど、これは原作の設定なんだろうか。。。
福島リラもいろんな作品に出てるんだなー。

この作品のプロモで、ソラリアプラザにYAMAHAピアノが登場、と聞き、早速見に行った日は残念ながら演奏者が少なく、
習い始めのようなちびっ子がお母さんと一緒にちょっぴり弾いていただけだった。
Youtubeで見るような、凄腕ピアニストには遭遇できなかったけど、私も、人前で弾くにはレベルが低すぎて。。。
ショパンでも弾ければあの場で弾きたいけどね。。。
ピアノの森の影響で、すごく速度を落とした初心者向きレッスンのYoutube見ながら、Etude10-01をこっそり練習してみているけど。。。先は長い。。。
でも楽しいからいいのだ。
ピアノがある世界ってすばらしい。