ブログ人 話の広場

日頃の生活のなかで見つけたことなどを写真もそえて

ハッピー・リタイアメント

2007-04-08 09:42:02 | ブログ

 数日前、40年近く働かれた知人から「ハッピー・リタイアメントをしました」と記した書状を頂いた。まさに団塊の世代のお一人だ。 今までの働くと言う行動に染み付いたなかなか取れない垢をやっと落とせるといった幸せ感が伝わってきた。型どおり「終わって何なさるのですか」と伺うと、「もう、何もしません。しばらくのんびりと過ごしてみようと思います。そのうちに何か見つかるでしょう。でもあくせくはもうしたくありませんね」としみじみ語る言葉の背後に、少し働きすぎたなあと、ご自分の身体をいたわっておられるようにも受け取れる。

 日本はこうした激変社会の中で人々を心身ともに疲労困憊の状態にしたまま、心の慰みも無く、違った大海に放り出してしまう冷たい社会を作ってしまった。心にむなしさだけが行きかいし、急速に気力を下げてしまう。人の生き方もまた加齢と共に、ソフトランディングでありたいものだと思う。巧みにかいくぐってリズミカルに生きている人はそれはそれでどうこう言うことも無い。しかし、格差社会が生み出した排除社会が、過去高い貢献への賞賛も無く、誰からも顧みられず、対話相手を失い、何かに挑戦する意欲を欠いてしまった人をさらに造り出している新しい社会問題を起こしていることを忘れてはならない。多発する高齢者の自死ももまた日本の恥部だ。言い知れぬ不安が襲ってくるような気がしてならないのだ。そんな国が「美しい国」を創るというのは、空をうつ拳闘のようなものだ。まず自分の心を美しくあれ、と阿部さんに言いたい。

 「そのうちに絵を描きに外に出ましょう」とお誘いしているのである。そしてゆっくりと過ぎし日の思い出にしたりつつ、ソフトな生活を営んで全うしたいものだと思っている。ご苦労様でした。

やさしいタイガー 


コメントを投稿