ブログ人 話の広場

日頃の生活のなかで見つけたことなどを写真もそえて

ブルドーザーが走る

2007-02-26 09:37:49 | ブログ

 朝から、自宅界隈の高く積もった雪を除去するブルドーザーが大きな唸りをあげて走り回り、次々と積雪を取り除いていった。2日ほどですっかり道の雪はなくなっていた。今朝、ごみを出しに表に出たら、見事に整地されていて、もう春を告げているようなすっきりした道路になっていた。朝の太陽は、燦々と降り注ぎ、窓から見あげるだけで心地よい。

 昨日夜遅くまで地球環境の資料を読んでいて、迫り来る地球の危機という思いを深くしたが、何事も無いようなこの自然の光と風はどこにそんな危機があるの、とでも言いたいような清々しい。昨日「幸せの力」と言う映画を観てきたが、何だかよきものを得たときのような幸せを今朝の天候で感じる。

 いやだいやだと思っていた雪も、自然の摂理に従って春にバトンを渡し、美しい草花に席を譲る、そう思うだけでこの寒い札幌が一日一日美しく見えていくようだ。札幌の円山公園の近くに住み、生涯公園の移り行く四季を描き続けた水彩画家繁野三郎は、こんな日はきっと心うきうきしながら絵筆を取っていたのだろうか。

やさしいタイガー


情熱のこもった卒論

2007-02-23 15:39:52 | ブログ

 大学入学以来、ぼくの授業をほとんど取得してもう4年生になる学生が、卒論が書けたので差し上げたいとの連絡をもらい、喫茶店で作品を見せてもらった。盲導犬に関連する調査や実態、これからの課題などを約70ページほどの力作であり、あまりこの種の論文は少ないだけに貴重な資料になるだろうと思う。担当の教員の点数は辛いらしいが、ぼくはよく纏め上げたなあと思う。学術論文ではないのだから、ここまで調査して書き終えたこの学生にとっては永久保存物となるに違いない。努力を終えた彼の顔はそれなりに満足のいく表情だった。

 ぼくももう何年も前に書いたYMCA研究所終了後の主事認定論文は今でも原版を残し、リタイプして永久保存している。必要なときに開いて読むと、今の時代でも通じる内容が散見できる。誰でもそうだと思うが、ひとつのことを寝食を忘れて没頭し、完成したときの喜びは何物にも替えがたい充足感みなぎるわが子の誕生を見る気分だろう。青春時代の一ページだ。

 彼はこれから大学院に進み、教育の研究をするそうだ。一段と逞しくなり、やがて教育と言う現場に立ち、今日の問題に果敢に挑んでくれることを期待したい。

やさしいタイガー


まだ春は遠い

2007-02-20 18:47:36 | ブログ

 ひさしぶりに、市内の真ん中にある中島公園を通って町に出た。どんよりと重たそうな雲間から、急に大ぶりの雪が舞い降りてきた。視界が見にくい。屈むようにして歩いて進んでいく。やたらにカラスだけは元気に遊びまわっている。枝の落ちた木々は、たっぷりと雪をかぶり、いかにも寒そうだ。公園の真ん中の池は、まだ真っ白な雪に覆われていて、水面が見えない。静かな日中だ。いつ止むともわからない雪をフードの上に積もらせながら、小さな犬を散歩させている女性とすれ違う。ぼくはひたすら町のほうに歩いていった。

 地元の人は雪祭りが終わったころが一番寒いと言う。確かにそんな感じがする。所用を終えて建物の外に出た。止んだようだ。雲間から漏れる陽ざしが、温かく身を包んでくれる。一番寒くても陽がさすと、この時期、もう春はそこまで来ているのだな、と感ずる。足元の雪もやや水気を帯びて溶けるのも早くなったようだ。特にこの季節は、三寒四温の繰り返しの中で、やがて北国にも本格的な春を迎える。真っ白な雪の間から少しずつ姿を現す鮮やかな緑をみて、やっと長い冬がこれで終わるのだ、と実感する。札幌で一番美しい春と初夏を味わうのはそれからだ。

 ”春はどこからくるかしら あの山越えて 野を越えて” 童謡は謳う。そう一風ごとに肌に感じる優しさが違ってくる。刺すようなきりっとした風は少しずつまろやかになっていくように思う。今年もおかげで春を味わうことが出来そうだ。元気でいることに感謝しなくちゃね。

 やさしいタイガー


荒城の跡

2007-02-15 18:14:28 | ブログ

 今年も札幌の風物詩「さっぽろ雪まつり」は2月の上旬の1週間開催され、天候に惑わされながらも史上2番目という多くの観光者が雪像を楽しんだ。今回も自衛隊の活躍は大変なものだった。いまや芸術品とさえ言われるほどの見事な雪像が並んでいた。しかし、どんなに見事な作品でも終われば、直ちにブルドーザーやクレーン車によって容赦なく壊されていく。これを観るツアーもあるそうだが、たまたまぼくはその場面を通りすがりに出会い、しばし寒さを我慢しつつ眺めていた。何となく、はかなく宴の跡のような空しさを感じさせた。

 メインの作品は彦根城であった。この城の藩主は井伊家の居城として1622年に井伊直継によって築城され、最後の藩主井伊直弼大老まで継がれた。明治6年に廃城令が出されたが、大隈重信の上奏により破却は免れて残ったが、明治11年廃城した。琵琶湖を眼下に眺め、その優美さは、白鷺城で有名な姫路城と並んで美麗な城としても知られている。 

 大きな音を立てて次々と雪像が壊され、雪の塊になっていく。華やかな宴の後の荒城をみるようなそんな思いが頭をかすめた。小山となった雪の下には長い冬から待ち焦がれていた春が準備をしているに違いない。

やさしいタイガー

 なおホームページもご覧頂くと幸いです。 http://www16.ocn.ne.jp/~com212/