ブログ人 話の広場

日頃の生活のなかで見つけたことなどを写真もそえて

原発は止められないのか。

2017-02-28 17:53:36 | 国際・政治

 今、日本には50基ほどの原子力発電所があるが、稼働しているのは数機程度だ。                                                       政府や電力会社は盛んに再稼働を急いでいる。東日本大震災以後、東京電力福島第一原子力発電所の爆発によって                                    受けた被害はいまだに終焉していない。犠牲者は先の見えない中で日々苦しい生活を送っているに違いない。

 一向に進まない対策、政府は関連省庁を設け、非力な大臣のポストを設け、口先では花火を上げるが、後が続いていない。                                わずかな賠償ももう底をついていることだろう。これからどうして生きていけばよいのか、支援するシステムも整っているわけでも                                   なさそうだ。さらに加えて、心ない人々が陰に陽にかける言葉や排除的態度、差別や蔑視によって、ひとかけらの愛や同情もなく、                                         非難する許せない人もいるようだ。

 政界も経済界も教育界も到底真摯な取り組みをしているとは思えない動きで、怒りさえ感じる人も多かろう。                                         そんな中、先ごろ民進党は原発を「2030年」で廃止すると発表した。当時は「2030年代」と言っていたものを前倒しだ。                                 なかなか勇気ある決断だと思っていたところ、前言取り消して「2030年代」に戻してしまった。どうやら「連合」が                                        待ったをかけたからだ。

 どう話し合ったかは知らないが、連合という組織は弱者やモノを言えない人々を守ろうとして組織ではなかったのか。                                       まるで経団連のお抱え組合のような誰の立場に立っているのか、大いに疑問を感じる。                                                   この言い分が本当なら明らかに間違っている。計画とは、まずはゴールを設定して、その期間になすべきことを時系列的に示し、                                      一つ一つつぶしていくという手法は企業ならどこでもやっていることだ。

 連合は解決への道を断念したかのようだ。先見的的立場で計画する能力がないからだろう。政党が自らの政治信念で                                    発表したものを外郭団体の圧力によって転向するというのは理不尽な話だ。自民党がとる各種団体とのなれ合いを                                        日常茶飯事年、集票を目的とする党なら、やっぱりかと思うが、この重大な事故対応にゴールを表現しないというのは、                                    政党も連合も期待のかけらもないことを露呈してしまった。そんなことをいうと、「お前ら素人に政治のことなどわからないのだから、                            黙ってみていろ」というのかもしれないが、私は一人の人間として断じて許せない動きだ。 

 民進党が本当に市民の側に立った政治を志すのなら、堂々と意志をつらぬて行くべきではないのか。                                            こんな態度では与党を利するだけだ。失望を禁じ得ない。考えてもみてほしい。原発爆発以後、何が解決して安心さてくれたのか。                              放射能の汚染の処理は済んだか。核廃棄物の処理や埋め立て地は決まったか。それはどこか。                                                再稼働の条件、厳しい事故への多様な環境作り、条件など整ったか。再稼働に相応しい条件を国民に提示したか。                                          国民も納得しているか。

 これに対して政府はまともに誠実に真実を語れまい。何も解決していないからだ。にもかかわらずインドと原子力の輸出の                                   締結をしているし、虎視眈々と相手先を探している。次々と発する政府や自民党の矢はまるで毒矢のようなものだ。                                        これを「積極的平和」の中に包み込んでしまうのなら、国民の思いとは到底相容れない反対の道を進みつつあるということに                                        なるだかろう。そんな宰相を幼い子供たちに「応援しましょう」と唱和させる幼稚園が大阪にあるそうだ。                                                  こんな幼稚園に通わせる親のの心の内側をのぞいてみたい気がする。

やさしいタイガー


プレミアム・フライディでみんな幸せ?

2017-02-24 13:22:10 | 日記・エッセイ・コラム

 月末の金曜日は、特別の日にしようと午後3時にはみんな引き上げて、自分なりの時間をエンジョウイしては、と                                        新しく推奨された日なのだ。 だがこんな日の呼びかけに意欲的なのは、もうけを狙う経済界だけではないのかと、                                     意地悪く想像する。早めに仕事を終えて、 明日も含めた週末を大いに楽しもうと計画している血気盛んな人はいいが、                                    サンデイ毎日の人や専業主婦の方にとっては、特段目新しいこととは思えないのではないか。私がそうだから。

 様々なイベントを企画したり、商品などをディスカウントする店もあろうが、何とか消費を促したいという推進者の下心を感じる。                                              休みの時間が増えた分、他の曜日の時間が増え、結局残業する羽目に陥ることはないのだろうか。

 本来こんな日の設定など、余計なお世話だと思いたい気がするが、日本人は何となく上から言われると従うほうがよいか、と                                             風の向きに任せるところがあるので、特段の抵抗もなく乗っていくのであろう。その一方で休みを犠牲にして、辛い思いを隠しながら、                                               対応する人々がいることも忘れてはなるまい。

 このような対症療法的な措置で一時の浮かれ気分で取り組んでいると、この結果は思いのほかうまくいかなかったとの評価でもあれば、                                    一気にしぼんでしまうことになりかねない。今の時代、何かの勢いに乗るのではなく、落ち着いて一見無駄な時間と思うかもしれないが、                                        ぼんやり過ごす時間があってもよいだろう。ちょうど村上春樹さんが新刊本を出版した日だ。                                                   久しぶりに分厚い本を手に取って開いてみるのも一興かなと思う。

 これも余計なお世話かもしれないが。

やさしいタイガー


札幌雪まつりはじまる

2017-02-06 12:42:36 | 日記・エッセイ・コラム

 今年も札幌のイベント第68回札幌雪まつりが始まった。中国など大勢の感恋客が詰めかけて鑑賞している。                                         1か月も前から自衛隊が中心になって無垢な雪を満載に積んだ自衛隊トラックが連日大通会場に運び込み、                                          多くのユニフォーム姿の隊員が黙々と大きな精巧な雪像を作り上げ上げた作品だ。確かに一見に値する。

 ただ地元市民はもう飽きてしまったのか、寒さゆえか、そう高い関心もなく、わざわざ見ないというつれない                                           返事が多かった。準備状況をバスの窓から見ていても日ごとに変化していく光景は興味をそそる。                                                当日に間に合うのかな、と心配することもあるし、市民用の小さな数多くの雪の塊は手つかずが多い。

 メインは奈良興福寺の中金堂は細部にわたり精巧にできている。雪であることを忘れてしまう。そのほか、                                      「決選!雪のファウイナルファンタジー」「台湾・台北賓館」などがあるがフランス凱旋門もある。                                                          夜間にはライトが一層鮮やかに飾り、ラッピングも施されるらしい。

 初めてみち方や雪を知らずに育った方などは、少々の寒さなど吹っ飛んでしまうほど楽しいことは請負だし、                                              ついでにいろんなところに回られて雪景色を堪能されるのもよいだろう。だが、札幌市内はこれといった                                            観光スポットがない。どこに案内してよいか戸惑うのだ。文化レベルが低いといわれるのも欠陥の一つだ。

 おそらくかつてはこの寒い時期に市民は何もすることなく、じっと春を来るのを待っていたのかもしれないが、                                      その突破口にこの雪祭りが生まれたのかもしれない。しかし、みんなでわいわい言いながら作ってきた雪像も、                                    今では制作技術がこんなに高度で精密になれと、素人が手を出すような代物ではなくなってしまった。                                                   

 鑑賞者は、ただ一方通行になった作品の周りの道を歩き、時には出店で温かいものを口に入れる程度の                                             楽しみであって、今では外部からの観光用に様変わりしてしまった。近頃の地元の人は、見ないと漏らしていた。                                             1週間もすれば、何しろ雪のことだ。溶けて怪我でもされたら大変なので、最終日にあっという間に                                                   専門家が来て取り壊していく。実は近年では壊す場面を観ようというツーリストが関心を高めているようだ。

 一年で最も寒い日を選んだといわれる雪まつり、それが済むと、ようやく北国にも初春がやってくると市民は期待しているのである。

やさしいタイガー


思い出した「バカの壁」

2017-02-02 13:20:18 | ブログ

 久しぶりに「バカの壁」という本を思い出した。解剖学者の養老猛司さんが2003年に出された本で当時爆発的に売れたし、私も読んだ。                                                 学者らしく多少理解しえないところもあったが、興味深く読んだことを思い出す。要するに「人間同士が理解しあうというのは根本的には                                            不可能である。理解できない相手を、人は互いにバカだと思う」というのが本旨である。

 いま世界で一手に話題をさらっている人はアメリカの新大統領になったトランプさんだろう。世界のトップリーダーとして君臨してきた                                          自由な国の統領が、自ら向かい風を吹かせる台風の目のような存在になっていて、アメリカはいったいどこに行こうとしているのか、                                      注目している国や人は多いと思う。

 もともと選挙期間中から彼は毎日のようにツイッターで攻撃的な発言を発信し、驚がく的な政策を打ち出していた。メキシコとの国境に壁を作り、                                      その支払いはメキシコに払わせる。もし拒否するなら輸入品に高い関税をかける、や、反トランプに対してはおよそ不謹慎で抑圧的な態度を                                   示していて、まるで敵を増殖するかのような傲慢とも思える態度に見えた。 ほとんどの人は当選しないだろうとさえ思っていたようだった。

 だが就任するや否や問題になりそうな事案を次々と大統領令にサインしたことで、同盟国の指導者さえあわてさせたように思えた。                                            大統領令というのはどれほどの効力を持っているのか、知らなかったので一つ勉強にはなったが、実際に実行に移そうとした政策には                                        一見非常識とも思えるものもあった。移民の人々で成り立ったアメリカが今や移民の入国拒否し、ことにイスラム圏の7か国を指定した。

 彼は今、オバマ前大統領の政策をことごとく裏返しの取り組みをしているようだ。わが宰相も近々彼と会談するそうだが、                                                高いハードルがあるやに見える。安倍さんもアメリカ・ファーストを念頭に置いているし、歴史を踏まえた発想をしない人なので、共通していて                                  案外馬が合うかもしれない。

 それにしても排外主義と自国を回転軸として世界を服従させようとする「アメリカ・ファースト」は本当に成立するのか、やがてアメリカ国民も                                 疲れ果て、こんなトップはもう結構と排他的行動に出るのではないかとさえ危惧する。

 人間関係は言うに及ばず、国との関係においてもそうだと思うが、自ら心に壁を作るようだと、よい関係などできないことは子供でも知っている。                               もし養老先生の言う所詮人間は本質的に理解しあえないとすれば、ただ相手をさげすんだり、不利になると声高になったり、威嚇する態度などではなく                                 自らの心を冷静に謙虚に相手の懐に入って、なんとか理解し、一緒に考える姿勢が必要だ。

 トランプ氏の高い目線は当分続くだろうが、竦んだり、追従や忍従せず、堂々と渡り合うスケールの大きな姿勢で臨むことが重要では、と                   素人は考えるのである。

やさしいタイガー