シネマ日記

超映画オタクによるオタク的になり過ぎないシネマ日記。基本的にネタバレありですのでご注意ください。

天使の約束

2007-01-16 | シネマ た行

ケーブルテレビでは「エヴリン」という題名だったのですが、ネットで見てみると「天使の約束」という題名が一般的なようなのでそちらで紹介します。これは日本では未公開の作品のようですね。

1953年のアイルランド。デズモンドドイルピアースブロスナンは不況で職にありつけず、妻がよその男と逃げてしまったことで、子供たち3人を教会の付属の施設に“保護”されてしまう。子供たちともう一度一緒に暮らしたいデズモンドは酒を断ち、国の法律を相手に戦う。という実話を基にしたお話。

父子家庭で収入がなく、子供を保護されてしまうというお話は映画としてもよくあるパターンだと思うのだけど、子供を取り返す手段として、超保守的なカトリック教会とべったりの法律が親子が共に暮らす自由という憲法に違反しているということで国に訴えるというのはかなり思い切ったやり方で、それがまた実話だというのだから興味深い。

だいたい、映画に出てくるアイルランドやイギリスのお父さんは酔いどればかりで、このデズモンドも最初、お金がないお金がないと言いながらパブでギネスばかり飲んでいて、「飲む金あんねやったら、それ貯めて子供たちを迎えに行けよ」と思っていたら、途中できっぱり酒をやめ、子供たちを取り戻すことに専念し始めたので、とても好感が持てたし、何と言ってもこの作品の題名にもなっている長女のエヴリンがめちゃめちゃ可愛いのだ。母親が出て行ったあと、幼いながら父親を支え、修道院では意地悪なシスターにいじめられてもきちんと自分の意見を主張し、裁判でも威圧的な検事に負けず、父親を勝利へと導く。そのエヴリンの心の支えとなるのが、日本語の題名になっている“天使の約束”。雲の切れ間から差してくる光は天使が見守ってくれている証拠だと今はもう死んでしまったおじいちゃんが教えてくれた。

とまぁ、めちゃめちゃ心温まるお話で、ピアースブロスナンが製作も務めているのを考えると基のお話にほれ込んだのかなー?それで、主役も務めた?ただ、ピアーズブロスナンがこの役っていうのはちょっとなー。がんばってたけど、どうしても彼にはどこか気品のようなものが付きまとうというか、、、貧乏な下層階級の役を演じてもどうしてもこう粗野に見えない部分があったなぁ。まぁ、これはワタクシの勝手なイメージの問題なんですけどね。彼を助ける弁護士役をアイダンクインが演じていたけど、どうしてもこの二人のイメージが逆に感じちゃう。アイダンクインはそういう貧乏なお父さんって他にも演じてるからタイプキャストになるのを避けたのでしょうけどね。

それにしても、こういう物語に出てくる教会の偽善ぶりにはほとほとあきれてしまいますね。もちろん、いいシスターもいたけど、組織としては権威を押し付けているだけのように見えました。「フィオナが恋した頃」でも書きましたが、人々の心のよりどころとしての信仰とのギャップが大きいような気がします。宗教って一体なんなんでしょうねぇ?



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2 コメント

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Unknown (lucky777_sw)
2007-01-17 09:49:32
ピアースブロスナンといえば、007のような役しかしらないので、これは興味津々。酔いどれなんてイメージがないから逆に面白そうです♪
めずらしいですよね (coky)
2007-01-17 11:37:41
そう。彼がこういう貧乏なお父さん役をやるっているのは非常にめずらしいですよね。貴重なので見てみてください。物語もいいので、損はないと思います

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