見に行こうかどうか迷ったのですが、ジェニファーガーナーに魅かれて見に行くことにしました。
まず始めに日本人用にNFLのドラフトについての説明が映画が始まる前に入りました。ワタクシ、こういうの嫌いなんですよねー。なんか興冷めしてしまうっていうか。と、思ったのですが、後々この最初の解説に感謝することになりました。
1、ウェーバー制でのドラフト
2、指名権をトレードできる
3、指名の持ち時間は10分。その間にも指名権のトレードは可能。
特にこの3番目を知らなかったので、教えてもらっておいて良かったです。
成績不振が続くクリーヴランドブラウンズのGMサニーウィーバーJr.ケヴィンコスナーは12時間後に迫ったドラフトに向け、シアトルシーホークスから今年の第一位の指名権を譲るから3年分の1巡指名権を譲れと取引を持ちかけられ悩む。私生活では球団の財務の役員でもある恋人アリ(ガーナー)に妊娠を告げられ戸惑っていたが、今日はドラフトの日、それどころではないという態度をしてしまい彼女を怒らせてしまう。
GMたちはお互いに電話でやりとりをしてその間に選手のエージェントや選手本人に電話もしたりして、駆け引きが行われていく。肝心の駆け引きがほぼ電話でのやりとりになるにも関わらず、スピード感もあるし、映像のうまさもあってまったく退屈しなかった。
60歳のケヴィンコスナーと43歳のジェニファーガーナーが恋人同士で、彼女が妊娠っていうのが絶対ないとは言わないけれど、なんか無理やり感のある設定で、恋人同士でもいいけど、妊娠どうのこうのっていうのはこの作品には必要なかった気がします。「カンパニーメン」ではジェニファーガーナーの実際の夫ベンアフレックの義理の父をケヴィンコスナーが演じていたので、そんなことも思い出してしまって違和感がありました。
ジェニファーガーナーを目当てに見に行ったワタクシとしてはこの幼い頃からフットボールが大好きで、フットボール愛ゆえに男の世界でのし上がった役員のアリがとても魅力的で大満足でした。さすが男社会の中できびきびと働いている優秀な女性だけあって、はっきり言うことは言い、それでいて研修生などには優しい一面も見せるところがとても良かったです。彼女が喧嘩をするGMとヘッドコーチ・ペンデニスリアリーを止めて「2人ともコーヒーでもどう?」と言い、コーチが「砂糖とミルク入りで頼むよ」と言うと「誰が淹れてやるか!」と啖呵を切るシーンはとてもすっきりしたし、前のチームでの優勝リングをみせびらかすペンコーチに向かって「世界で一番タフなスポーツの優勝記念品がジュエリーなんて誰が決めたのかしらね」なんて言うところも吹き出しました。今時のデキるオンナなのに、食堂で取っていたのはジャンクフードばかりだったのも好感が持てました。
いよいよドラフトが始まって、それぞれの指名の持ち時間10分の間にも、他チームとの交渉を続けるシーンがとてもスリリングで手に汗握りました。実際にも一番人気のはずの選手があとにあとに残されていくという現象が起こることもあるようで、絵空事でもないのかなと思う反面、こんな当日ギリギリに色々調査とかするの?という疑問もありつつでしたが。結局は人柄で判断、みたいなのって実際には甘い!ってことなのかもしれないけど、映画的にはそれもありかなと思いました。それにしてもドラフトまでエンターテイメントにしてしまうアメリカって本当に貪欲な国だなぁと思います。
ひさびさにケヴィンコスナーの主演作を見ました。彼ってこういう不器用だけど、実直で誠実みたいな役がとてもよく似合います。がんがん有能な人ってわけじゃないけど人柄で周囲を惹きつけるタイプのリーダーが似合います。
フットボールを知らない人が見るとわけの分からない作品かもしれません。アメフトまたはスポーツ好きの方にお勧めです。
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