シネマ日記

超映画オタクによるオタク的になり過ぎないシネマ日記。基本的にネタバレありですのでご注意ください。

イングロリアスバスターズ

2009-11-27 | シネマ あ行
ブラッドピット×クエンティンタランティーノということで以前から楽しみにしていた作品。ダイアンクルーガーも出ているしね。

結論から言うと、ワタクシはかなり好きです。世間の評判はどうなのかな?知らんけど。残酷なシーンが苦手な人はダメですね。全編がではないので、そこだけ目をつぶればいけるけど、そういうシーンがあるということで悪趣味だと思う人はダメでしょうね。

今回ワタクシはもっとタランティーノの狂ったところが炸裂するのかなぁと思ってたんですけどね。「フロムダスクティルドーン」のときみたいに、物語の途中でいきなりタガが外れたようにムチャクチャになるのかなと。だから、そのきっかけを今か今かと待っていたわけですが、結果は意外にマトモ。いや、この映画を“マトモ”と呼んでしまうとワタクシがイカレてると言われそうですけどね。話の筋はちゃんと通ってるし、実際の歴史にこんな嘘ばかり粉飾して映画にしていいの?という倫理感を脇に置いておけば十分に楽しめる作品でした。タランティーノ相手に“倫理感”なんてねぇ。言うだけ無駄ってもんです。上映時間が152分と長めなんですけど、ワタクシは全然感じなかったなぁ。むしろ、もっと続いてほしいと思うくらい。

タランティーノ独特の長回しでのセリフの応酬も、今回は全部意味があることだったしな。ハンスランダ大佐クリストフヴァルツと農民のやりとりとか、アーチーヒコックス大佐ミヒャエルファスベンダー、ヒューゴスティーグリッツティルシュヴァイガー、ブリジットフォンハマーシュマルク(ダイアンクルーガー)VSナチの親衛隊のやりとりとか、長いけど、ちゃんと意味のある駆け引きでこちらも固唾を呑んで見守るという心地よい緊張状態が続いて映画的な面白さに満ちていた。ハンスランダ大佐と農民のやりとりのときに「ここからは英語で話そう」なんて言って、アメリカで字幕を嫌う人たちへのサービスっていうギャグかと思って笑っちゃったんだけど、それがちゃんと意味があったのがすごかった。

ショシャナを演じたメラニーロランは今回初めて見た女優さんだったんだけど、結構きれいだったなぁ。彼女がフレデリックツォラーダニエルブリュールに呼ばれてゲッベルスシルベスターグロートの前に出されるレストランのシーンでは特に飾り気のない様子がとてもきれいだった。ダニエルブリュールは今回ちょっと薄気味の悪い役でかわいそうだったな。

ブラピ×タランティーノとは言っても、タランティーノの映画らしくアンサンブルキャスト系なので、ブラピばかりが目立つという感じではなかったですね。ブラピのようなスーパースターはそんな映画のほうが楽しめるのかもしれません。

ひとことで言うとやっぱ「悪趣味」ってことになっちゃうのかなー。最後のアルドレイン中尉の“最高傑作”を笑い飛ばせる人にはオススメですけどね。タランティーノの映画ってどんなんって知らん人はビックリしてしまうかも。まぁ、そんな人ももう少ないか。エグいのとふざけてるのがダメな人な見ないほうがいいですな。


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