シネマ日記

超映画オタクによるオタク的になり過ぎないシネマ日記。基本的にネタバレありですのでご注意ください。

幸せになるための27のドレス

2008-05-27 | シネマ さ行
こういうタイプのラブコメって本当によくあると思うんですけど、ちょっとここまで根性が悪い姉妹が登場するのもめずらしいな。

物語の運びとしてはね、面白いと思うんですよ。笑えるところもたくさんあるし。特に最初のシークエンスで、ヒロインであるジェーンキャサリンハイグルが2つの結婚式をかけもちして、タクシーの中で衣装を着替えながらニューヨークを行ったり来たりするところなんかはオープニングとしては最高の導入だと思います。

ジェーンがとても友達思いだけど、自分の恋には臆病というよくあるキャラではあるけど、途中までは結構イイ感じでそれが出てたし、応援したくなるタイプのヒロインとして成功だと思っていたんですけど、ジェーンの妹テスマリンアッカーマンがジェーンが長年恋をしているボス、ジョージエドワードバーンズと恋に落ちてしまったところから、なんだかヘンテコな展開になってくる。まず、ジョージを落とそうとしている妹テスのウソつきっぷりが、かなり可愛さに欠ける設定になっていて、あまりにもテスを悪く描きすぎてるがゆえに、その彼女にメロメロになっているジョージがすごくアホな男に見えてくるし、そんなジョージに恋しているジェーンもアホに思えてきてしまう。そして、その妹のウソを暴いたジェーンのやり方があまりに卑劣すぎて、まぁどっちもどっちで同情できないんだけど、それでも、姉妹が次の日にはさっさと和解っていうのにも納得できなくて、無理やり感漂う後半になってしまいました。唯一救いだったのはジェーンの同僚で友人のケイシージュディグリアのアドバイスが常にマトモだったことかな。ジェーンが妹に卑劣なことをしたときも彼女の説教があるから、観客はまだジェーンから心を離さずにいられるという感じでしょうか。

ヒロインの恋のお相手として登場するケビンジェームズマースデンは、特に徐々にジェーンに惹かれていったっていう感じは全然なかったですね。最初の結婚式で見たときに一目惚れしたって感じでしょうか。ケビンはとてもシニカルで結婚式が大好きなジェーンとは正反対でよく言い争いをしますね。これもラブコメの王道。この二人の言い争いにもう少し、ハッとさせられるような真実とかそういうのをもうちょっと入れてくれたらさらに良かったかなぁとは思いますが。

まぁ、一応ラブコメとしては及第点でしょうか。アメリカでの興行成績が「ブリジットジョーンズ」を越えたっていうのには納得いきませんけれども。27着ものゴージャズなドレスを期待して見に行かれる方、27着の“ダサい”ドレスという設定ですので、ドレスには期待しないでください。

エドワードバーンズ、どうしてあんなしょーもない役引き受けちゃったんだろう?本当はハリウッドの知的マイナー分野を支えるタイプの人なのにな。


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