シドニー行きのカンタスはとても感じがよくてポイント高かったのですが、実際は、搭乗後メイクを落とし、楽な服装に着替え、寝て、再度着替えて化粧をして降りるというプロセスは、結構ハードなものがありました。
同行した若いメンバーは日本と同じくばっちりとしたメイクアップ。
カジュアルな雰囲気の人が多いオーストラリアで、同行者はとても浮いているように思えました。シドニー初日、引率にちょっと不安を覚えました。
20時過ぎに日本を発つこの便は、ほとんど寝るために利用する移動手段です。
狭いエコノミークラスのシートでは寝るのが困難な乗客はどうにか空いているシートを探して、2人分を一人で使って横になって寝ようとしています。
私も隣の席の同行者を気遣って、違う席を探すことにしました。
今まで座っていたのと反対側の窓側の席を見つけてしばらくうとうとしていると、真っ暗だった空がだんだん紅く染まってきました。
紅と漆黒の間には不思議な光があって、深いブルーが発光しているように広がっていきます。
これは、見逃せない光景。
とてもこの世のものとは思えない景色。数年前にパリに行くときに飛行機で見て以来、また見たいと思っていた朝に向かって飛ぶ何かの終わりと始まりを感じさせるようなドラマティックなあの景色です。
感動してカメラを窓に向けていると、私のシートの後ろの席に、近くで寝ていたオーストラリアの少年(多分14歳くらい)が移ってきました。
しばらくは無言で窓に向かって写真を撮っていた私たちですが、上手に採れた画像をデジカメのモニターで見せてあげると、少年は恥ずかしそうに自分の撮った画像も見せてくれました。
サラサラっとした金髪の髪の毛に人懐っこそうなブリッジをしている口元。
少年と私は、日本語と英語交じりで、カメラの性能や、撮り方の工夫を説明しあいます。
露出をアンダーで、ってどういうんだっけ?
とお互いのデジカメのモニターで設定を変えてみて、撮った画像をふたりで確認しあったり。
少年は、ムービーで撮ったりいろいろな工夫をしていて、今使っているデジカメはパナソニック製で、きのう、Shinjuku(新宿)で買ったんだ!と嬉しそうに説明してくれました。話を聞いていると、少年は今回の旅行で東京と茨城に、家族とともに行って、この飛行機でシドニーに帰るところらしく、日本のことが好きになった、と教えてくれました。
言葉が違ったり、人種が違ったりしていても、感動する風景や、使っているカメラは意外と万国共通で、こういうひとつの趣味から文字通り世界が広がっていくのだなーとちょっと考えさせられました。
こういう何気ないヒトコマが旅をもっと楽しい思いで深いものにしてくれるのでしょうね。
最後はこんな風に明るくなって夜があけてしまいました。
リフレッシュメントとして、夜中にココアかオーガニックカモミールティーが出されます。
どっちがオススメ?と聞いてみると、「ココアよ!」との答え。
それください!!とオーダーすると、ココアにマシュマロの入ったかわいいホットココアが提供されました。
マシュマロがかわいい!と言っていたら、日本の固いマシュマロでは溶けないけれど、オーストラリアの柔らかいマシュマロだったらこんな風に溶けちゃうからココアにはオススメなのよ、とのご意見。
そうなのかー。
普段はココアはあまり飲まないけれど、狭くて疲れちゃった機内では、こんなココアが癒されますね。
やるな、カンタス。