1年以上も開業の遅れていた<台湾高速鉄道>が、1月5日から営業を開始した。開業の遅れを気にしてか、盛大なセレモニーは無かったようだ。板橋(北部)-左営(南部)間の345km(東京-福島間よりも少し多い)を1.5時間で走る。
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台湾新幹線1番列車 MADE IN JAPAN
台北~高雄間 最短90分
1月5日15時53分配信 産経新聞
【板橋(台北県)=長谷川周人】台湾の南北(台北-高雄間345キロ)を最短90分で結び、西部全域を「1日生活圏」とする台湾高速鉄道(台湾高速)が5日、営業運転を開始した。日本の新幹線技術が海外で初めて採用され、開業時の運転士はフランス人らが担当、日欧の技術を結集させて開業にこぎつけた。
当面の起点となる板橋駅(台北県)では午前7時(日本時間同8時)、関係者が見守る中、1番列車が南端の左営駅(高雄市)に向けて滑るように発車した。
乗客第1号となった愛知県知立市から来た中学校教員、竹口史恭さん(43)はこの日、高雄への日帰り旅行を楽しむため、家族3人と高速鉄道に乗り込んだ。詰めかけた日台の報道陣に感想を聞かれると、「偶然にも一番列車に乗れた」とうれしそう。一番列車の運転を担当したフランス人運転士も、台湾に貢献ができたと胸を張った。
台北-高雄間の大動脈を結ぶ高速鉄道は三井物産や川崎重工業など7社の日本企業連合が欧州企業と競争の末、基幹部分を請け負った。車両は東海道・山陽新幹線の「700系」のぞみをベースにした12両編成(定員989人)で、最高時速は300キロ。
信号システム、土木工事など日欧の技術が混在するため、安全性を危ぶむ声もあるが、陳水扁総統は元旦の初試乗で事実上の開業を宣言。この中で「日本初の新幹線輸出は成功です」と述べ、安全性を強調するとともに、プロジェクトを日台経済のきずなと位置付け、今後の関係強化に期待感を示した。
■再三の延期、トラブル続出
台北、高雄の南北二大都市を短時間で結ぶ台湾高速鉄道(台湾新幹線)は、台湾経済に大きな効果をもたらすと期待がふくらんでいる。その一方で開業は遅れに遅れたうえ、2日から始まった乗車券の予約販売でもトラブルが続出するなど、不安を抱えてのスタートとなった。
高速鉄道は当初、一昨年10月の開業を予定したが、運営会社の台湾高速鉄路は、工事の遅れなどから1年間の延期を決定。にもかかわらず、審査手続きなどに手間取って12月にずれ込み、同月上旬に設定した開通式も直前になって中止を余儀なくされた。
相次ぐ計画変更の背景には、混在する日欧の技術調整などがあるが、同時に台湾側の計画性の欠如を指摘する声もある。
2日から始まり、事実上、「ぶっつけ本番」となった乗車券の予約販売では、券売システムが軒並みダウン。券売機に紙幣を入れると、コインが出続けるなどのハプニングも起き、地元紙に「スロットマシン」と皮肉られた。混乱続きで乗車券入手が「10時間待ち」ともなり、「これではバスの方がよっぽど速い」との苦情も。
事業者側は改善策を講じるとしているが、開業初日の5日も、予約乗車券の過剰販売であふれた乗客に対応するために臨時便を増発するなど、波乱含みの幕開けとなった。(台北 長谷川周人)
【用語解説】台湾高速鉄道
台北-左営(高雄市)間の345キロを1時間半で結び、従来の在来線特急で4時間以上かかっていたのが、大幅に短縮された。1日19往復を運行する。板橋-左営間の片道運賃は1460台湾元(約5300円)で、航空運賃よりも約3割安い。
民間企業が契約から35年の間に建設・運営し、政府に引き渡す方式。予定総工費は150億ドル(約1兆8000億円)。
最終更新:1月5日15時53分
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20070105-00000024-san-int
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この鉄道は、最初欧州系(独仏連合)が1997年に受注したが、ドイツのICE高速鉄道事故(1998)、台湾大地震(1999)などがあった。そこで、違約金を払って日本技術導入に変更された。李登輝氏のアドバイスもあったらしい。再検討の結果、車輛・電力システムは日本製、軌道・ポイント系統はドイツ製、交通管制システムはフランス製となる。だから、日本型の新幹線総合システムとは言えない。
多数の列車を統御して精確に、かつ安全に走らせているのはソフトウエアを含めた総合システムである。台湾の場合は、ハードウエアがばらばらだから、初期に大事故が起らない事を祈るのみ。
高架橋を含む路線工事に韓国ゼネコンも参加したが、手抜き工事をやって開業の遅れに寄与した。以後、韓国ゼネコンは台湾へ出入り禁止となった。
まずは、日本の技術協力で出来た台湾高速鉄道、安全第一に走る事を期待する。私は、いつか台湾訪問をする際、様子を見て利用したいと思ってはいるが。
【追記】
台湾の日常に詳しい<私の「認識台湾」>さんが、昨年11月にこんな事を報告していた。
台湾新幹線、訓練中に脱線
台湾政府も日本から総合システムを導入したかったのだろう。だが、政治的にそれが出来ない。台湾は、従来からフランスより兵器を導入している。戦闘機ではミラージュ2000ー5を導入、これは米国から導入している戦闘機体系とは異なるから、恐らく実戦で問題を起こす。
このブログでも台湾の軍艦汚職に書いたが、台湾政府はラファイエット型駆逐艦導入に固執した。これは8億2000万ドルに及ぶキックバックで、フランスを巻き込む政界スキャンダルになっている。艦体のみの導入(艦上設備は中共に取られた)、制御システムは別では、台湾海軍の艦隊統合作戦システムにも瑕瑾があると想像する。
台湾高速鉄道は、いずれ日本の新幹線システムへ切り替わるだろう。長い眼で見て、JR東海は技術協力をしてあげたら良いと考える。
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台湾新幹線1番列車 MADE IN JAPAN
台北~高雄間 最短90分
1月5日15時53分配信 産経新聞
【板橋(台北県)=長谷川周人】台湾の南北(台北-高雄間345キロ)を最短90分で結び、西部全域を「1日生活圏」とする台湾高速鉄道(台湾高速)が5日、営業運転を開始した。日本の新幹線技術が海外で初めて採用され、開業時の運転士はフランス人らが担当、日欧の技術を結集させて開業にこぎつけた。
当面の起点となる板橋駅(台北県)では午前7時(日本時間同8時)、関係者が見守る中、1番列車が南端の左営駅(高雄市)に向けて滑るように発車した。
乗客第1号となった愛知県知立市から来た中学校教員、竹口史恭さん(43)はこの日、高雄への日帰り旅行を楽しむため、家族3人と高速鉄道に乗り込んだ。詰めかけた日台の報道陣に感想を聞かれると、「偶然にも一番列車に乗れた」とうれしそう。一番列車の運転を担当したフランス人運転士も、台湾に貢献ができたと胸を張った。
台北-高雄間の大動脈を結ぶ高速鉄道は三井物産や川崎重工業など7社の日本企業連合が欧州企業と競争の末、基幹部分を請け負った。車両は東海道・山陽新幹線の「700系」のぞみをベースにした12両編成(定員989人)で、最高時速は300キロ。
信号システム、土木工事など日欧の技術が混在するため、安全性を危ぶむ声もあるが、陳水扁総統は元旦の初試乗で事実上の開業を宣言。この中で「日本初の新幹線輸出は成功です」と述べ、安全性を強調するとともに、プロジェクトを日台経済のきずなと位置付け、今後の関係強化に期待感を示した。
■再三の延期、トラブル続出
台北、高雄の南北二大都市を短時間で結ぶ台湾高速鉄道(台湾新幹線)は、台湾経済に大きな効果をもたらすと期待がふくらんでいる。その一方で開業は遅れに遅れたうえ、2日から始まった乗車券の予約販売でもトラブルが続出するなど、不安を抱えてのスタートとなった。
高速鉄道は当初、一昨年10月の開業を予定したが、運営会社の台湾高速鉄路は、工事の遅れなどから1年間の延期を決定。にもかかわらず、審査手続きなどに手間取って12月にずれ込み、同月上旬に設定した開通式も直前になって中止を余儀なくされた。
相次ぐ計画変更の背景には、混在する日欧の技術調整などがあるが、同時に台湾側の計画性の欠如を指摘する声もある。
2日から始まり、事実上、「ぶっつけ本番」となった乗車券の予約販売では、券売システムが軒並みダウン。券売機に紙幣を入れると、コインが出続けるなどのハプニングも起き、地元紙に「スロットマシン」と皮肉られた。混乱続きで乗車券入手が「10時間待ち」ともなり、「これではバスの方がよっぽど速い」との苦情も。
事業者側は改善策を講じるとしているが、開業初日の5日も、予約乗車券の過剰販売であふれた乗客に対応するために臨時便を増発するなど、波乱含みの幕開けとなった。(台北 長谷川周人)
【用語解説】台湾高速鉄道
台北-左営(高雄市)間の345キロを1時間半で結び、従来の在来線特急で4時間以上かかっていたのが、大幅に短縮された。1日19往復を運行する。板橋-左営間の片道運賃は1460台湾元(約5300円)で、航空運賃よりも約3割安い。
民間企業が契約から35年の間に建設・運営し、政府に引き渡す方式。予定総工費は150億ドル(約1兆8000億円)。
最終更新:1月5日15時53分
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20070105-00000024-san-int
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この鉄道は、最初欧州系(独仏連合)が1997年に受注したが、ドイツのICE高速鉄道事故(1998)、台湾大地震(1999)などがあった。そこで、違約金を払って日本技術導入に変更された。李登輝氏のアドバイスもあったらしい。再検討の結果、車輛・電力システムは日本製、軌道・ポイント系統はドイツ製、交通管制システムはフランス製となる。だから、日本型の新幹線総合システムとは言えない。
多数の列車を統御して精確に、かつ安全に走らせているのはソフトウエアを含めた総合システムである。台湾の場合は、ハードウエアがばらばらだから、初期に大事故が起らない事を祈るのみ。
高架橋を含む路線工事に韓国ゼネコンも参加したが、手抜き工事をやって開業の遅れに寄与した。以後、韓国ゼネコンは台湾へ出入り禁止となった。
まずは、日本の技術協力で出来た台湾高速鉄道、安全第一に走る事を期待する。私は、いつか台湾訪問をする際、様子を見て利用したいと思ってはいるが。
【追記】
台湾の日常に詳しい<私の「認識台湾」>さんが、昨年11月にこんな事を報告していた。
台湾新幹線、訓練中に脱線
台湾政府も日本から総合システムを導入したかったのだろう。だが、政治的にそれが出来ない。台湾は、従来からフランスより兵器を導入している。戦闘機ではミラージュ2000ー5を導入、これは米国から導入している戦闘機体系とは異なるから、恐らく実戦で問題を起こす。
このブログでも台湾の軍艦汚職に書いたが、台湾政府はラファイエット型駆逐艦導入に固執した。これは8億2000万ドルに及ぶキックバックで、フランスを巻き込む政界スキャンダルになっている。艦体のみの導入(艦上設備は中共に取られた)、制御システムは別では、台湾海軍の艦隊統合作戦システムにも瑕瑾があると想像する。
台湾高速鉄道は、いずれ日本の新幹線システムへ切り替わるだろう。長い眼で見て、JR東海は技術協力をしてあげたら良いと考える。
台湾新幹線やっと開業しました。
これから無事に運行してもらいたいですね。
貴ブログを時折拝見しております。
勝手にTBさせて頂きました。
私は、高砂族と旧陸軍の思い遣りある関係を考えますと、この高速鉄道に対し日本は出来るだけの技術協力をして上げたら良いと思います。それは何十年か後に、麗しい話となって戻って参りましょう。
また、お立ち寄り下さい。