瓢簞舟の「ちょっと頭に浮かぶ」

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尊厳と自由

2017-08-13 14:43:04 | 随想
人は誰かの所有物ではない。

奴隷制が野蛮であるのは人を人として扱わないからである。物扱いするからである。奴隷は所有物でしかない。そこには人に対する敬意がない。

奴隷制こそなくなってはいるが、人を物扱いする発想はなくなってはいない。人は得てして他者を自分の所有物であるかのように扱う。さまざまな人間関係の中にそれは紛れ込んでいる。夫婦、親子、友人などなど。

物扱いする発想と書いたが、発想というより欲求、欲望といったほうがいいかもしれない。所有欲であり独占欲である。それは支配欲であることもある。
結果、人は他者の尊厳を傷つけることに無頓着である。他者の自由を奪っていながら平気でいる。

そのような他者に向けられる欲求、欲望はめぐりめぐって自分に返ってくる。関係性とはそういうものである。その欲求、欲望が自ら己の尊厳を傷つけ自由を奪うことに気がつきもしないで。

哀しいかな、そのような欲求や欲望を文化は吸収しているし、それによって社会制度は成立している。そしてその中に生まれ育った私たちはそれを当然としている。

解き放ってはどうか。
そんなものは百害あって一利なし。自ら傷つけ不自由になることはない。
私たちは互いに尊重し合えば、もっと自由なのだ。
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