おばば院生,その後

主婦から40代で大学院入学・博士取得。非常勤日本語教師を掛け持ちしてきた凡人母院生。縁あって大学の先生に。

素直な目で会話を見る

2013-07-27 14:41:42 | Weblog

昨年12月にした地域韓国語講座への学生たちの出前支援という実践の文字起こしをしている。
その時点では、とりあえずICレコーダーに録ったけど、研究と呼ぶ価値のあるものにできると思えなかったので、放っていた。

しかし、春学会のさえりさんの発表を聞いて、自分が「あ、おもしろい」と感じたことを素直に探ればいいんだ、と気づかされた気がして、この会話の文字起こしと分析を始めた。
学生たちの協力も得て、少しずつ、へたくそだけど、インタビューもし、素直な目で「ああ、おもしろいなー」と会話を聞く。


来週は実践フォーラム。
残念ながらオープンキャンパスのせいで参加できないが、昨年偶然参加の機会を得て参加させていただいて以来貴重な出会いがいくつもあり、大学院生活で植えつけられてきた研究というものに対する気負いとかネガティブなひがみ根性とかが消えた。

そして素直な目で見ると、どんなデータもおもしろさを秘めていて、それを形にしたくなる。

院生時代にさんざん言われた'So What?'
日本語教育研究で、So What?にこだわることがそんなに大事だろうか。

これ、おもしろいね。
そーだねー、おもしろいねー。

と言い合えたらそれでいいように思う。

腰を上げない

2013-07-26 18:33:07 | Weblog

「腰を上げない」って、派生的な意味ではなく、文字通りの意味です、以下。

研究室で座ったままで対応される先生が私は嫌いだ。
以前渡すものがあってある先生の部屋に行ったとき、相手は座ったままで、結果、私は「ここにおいておいたらいいんですかっ」とほとんど喧嘩腰で渡すものをテーブルの上において出た。ゆるせねえ、と思った。

ところが、昨日、同じことを自分がしてしまった。

それは年下だけれどもとても尊敬している先生で、私のスペイン語の師匠で現代ラテンアメリカ文化の師匠なのだが、
お貸ししていたDVDを返しに来てくださったのだが、
ちょうど学生とPCに向かって作業をしていたときで、いかん、たたんと、と思いながら、まったく立ち上がらず、どこにおいてくれともいわず、彼はちょうど前述の私のようにテーブルにものをおいて出て行かれた。。。。

あのですね。
別に失礼をしようと思って立ち上がらなかったのではなくてね。
腰が上がらなかったの。
今その時していた作業から頭が切り替わらず、
先生がいらっしゃったことは認識していながら、
そうだ、立ち上がって受け取らねば、とぼんやりわかっていながら、
ちゃちゃっと指令を作って体にその指令を届けることができなかったのだ。
いかんよこの対応・・・と思っていながら、頭と体に指令が届かないのだー。

おー、これも加齢現象の一つに違いないっ!


あまりにも失礼な自分の対応に、そのあとで廊下で会ったときすかさず呼び止め、
意味も脈絡もなく他のDVDを押し付け、何とか関係を保ったのであった(と思いたい。。。)

お年寄りの態度が時に横暴に思えるのは、実はその人の人格とは関係なく、単に認知的身体的機能の衰えのためだと皆さん、ご理解いただきたいものです。
まことに、自分がその年にならないとわからないことって本当に多い。。。。

こうして大きくなっていくのだ。


その師匠からいただいた、先の記事でご紹介した(って読者はいるのかしらないが)CD, Vincentico の「Los rayos」の中の一曲。

Los caminos de la vida
no son lo que yo pensaba
no son lo que yo creia
no son lo que imaginaba

(いいかげんな訳)
人生の道は考えていたようにはいかない。
思っていたようにはいかない。
想像していたようにはいかない。

そうっすね。

3年後のシニア日系ボランティアを心の支えにする今日この頃。
体力作りをせねばならないのでせめて歩こうと思って歩いて買い物に行ったら、なんと、ただ歩いていただけで転んだ。。。
2回続けて。。。

歌の続きはこう。

Los caminos de la vida
son muy dificil de andarlos

人生の道は歩くのが難しい。

普通の道も難しい。。。

休む

2013-07-22 13:24:01 | Weblog
昨日の日曜日がオープンキャンパスで激しく出勤だったので(学科の広報部委員というのをしている)、今日は授業もない日でもあるし、休むことにして家にいる。

仕事を家でするつもりだったが、
やはり案じたとおりする気にならない・・・。
7月の声をききもうすぐ夏休みだ!と思いはじめてから早や2週間。
しかしまださらに2週間実はあり、夏休みを待つことに疲れてきた気がする。
しかし確実に夏休みはやってくるので、あと少し根性出して頑張ろう。

ここでまたまた非常勤と常勤の違いを考える。
非常勤の時のほうが明らかに一つ一つの授業を頑張っていた。
準備もその為の研究も。
非常勤は一つ一つの授業が勝負で仕事そのもの。
しかし、常勤は学生指導全体に関わり授業はその一つのピース。
授業そのもので勝負するというよりは他の部分との関係の中に授業もある。

これまでの長い非常勤生活。今の雇用は終身雇用ではないので、更新があるとはいえまた早晩非常勤に戻る可能性だって大きい(その非常勤もあればの話だが)。
学習者の状況も授業に大きく作用するけれど、教師側のそれも授業に大きく作用する。
単なる雇用形態の違いというのではなくて、授業のとらえ方やそれに向かう態度など。

若い人たちと話す

2013-07-20 13:35:48 | Weblog
最近、自分が年を取っていっているのだから当然なのだが、まわりに自分より若い人が増え、若い人たちと話す機会が増えたように感じる。
そして、若い人たちと話すのはほんとにためになる。面白い。

昨日の夕方は、同じ職場の別の学科の若い先生たちの集まりに加えてもらった。
思考の自由さ、というのか、やっぱり面白い。

先週の日曜日は東京での科研の研究会に参加してきた。
こちらは年齢的には若くなくてもやはり思考的に自由な人たちで、話を聞いているだけで面白かった。


なぜ面白いのか。
年齢や立場がとても違うから、逆に素直に面白いと思えるのか。
それもあるのかもしれないが、それよりも、
思うに、何かを見るのにまっすぐに見ている人たちだからではないだろうか。
何かをまっすぐに見ている人たちだから、こちらも相手にも話の内容にもまっすぐに相対する。
欲とか自意識とか他者の思惑とか、そういうのを持たずに見るとどんな現象も不思議で面白い。

文章の練習

2013-07-13 12:41:59 | Weblog
ブログを書く目的の一つに文章の練習があったことをふと思い出しました。
がんばろう。
何のことはない、最近本職を含めてまとまった文章を書いていないのだ。
「本職を含めて」ということは、つまり論文も書いていないのだ。
それなのに「日本語表現」など教えているのだから仁義にもとること甚だしい。


前期もあと何とか2週間となり、
ふつう言ってはいけないことだが、
先生だって早く休みたい。
今期は非常勤先も増えしかも継続非常勤先も担当科目が変わったので、
ともすれば本務校よりそっちの授業に心と時間を取られ、
しかも、午前中に非常勤先に行って取って返して夕方には本務校で2コマほどこなす、ということをしていたので、
これに思ったより体力を消耗し、
移動中にパーキングエリアでとる昼食のお肉うどんでは補いきれなくなってきたわけで、
というか、季節が変わって暑いのでお肉うどん、どうもいかんし、
かといって、代わりになるメニューもなく、
とにかく前期の全日程を終えるまで、耐え忍ぶのみ。


午前中、娘から帰省スケジュールを知らせるメールが来た。
メール打つのも面倒だから電話すると、折り返しメールで

「今、授業中だから」

授業中のメールはいけませんよ。
私なら携帯取り上げですよ。
てか、授業中の携帯をほうっている教師も教師だ
と、すぐ親視点と職業視点を往還する職業病。

・・・・・・

しかし、後で改めて電話で聞くところによると、
その入門スペイン語の授業、講師は日本語のわからないスペインの方で、なのに学生数40名以上。

ゼロ初級対象の直説法の授業で40名?
それはありえない。
本来せめて2クラスに分けるべきである。
先生のご辛苦が目に浮かぶ。
きっと今頃非常勤講師室に戻って憂さ晴らしてるに違いない。


というようなことを電話で娘っこに話してしまったら、
娘っこ、「そうなんだー。やっぱA大ってせこいんだー」
と、入学後彼女の中で評価下がりっぱなしの通学大の評価をさらに下げそうだったので、
「どこもそんなもんだけどねー」
とA大フォロー。
異常に高い授業料払ってるのだから、せめて本人にはすばらしい大学に行っているのだと思ってほしいではありませんか。


Vamos a aprender Español!


しかし、こういう話を聞くと、「これに比べればうちの日本語教育は恵まれている」と深く心に思うのでした。
残りの前期、がんばりましょう。


スペイン語の勉強と言えば、新たなCDを師匠からいただいた。
Vicentico 。
通勤・移動の間中常に聞き続けた結果、
現在頭の中で常に鳴っているのが、その中の1曲'EL CIELO'のフレーズ。


En el cielo no hay iglesias
está Dios que te despierta


一曲をしつこく聞き続けるのが私の特技です。