松竹の三月大歌舞伎の演目。昼、夜と2週に渡って三階の安い席を取ってみた。あらすじも観ずに鑑賞していたが、義経千本桜といっても義経はどうも脇っぽい。歌舞伎役者で唯一すきな松本幸四郎が渡海屋、大物浦で知盛を演じていた。大向こうも多く大変盛りあがっていた。が、ニ幕目は少し冗長で周囲は居眠り漕くひとも多いがまぁ仕方あるまい。源平の歴史好きからすればストーリーは無茶苦茶、良く考えればその時代に武家は月代も剃ってないし庶民の家屋に畳も一般的でないが、舞台の誂えは江戸時代に合わせている。今は歌舞伎はなんだか高尚な感じで敷居も高い雰囲気だが女歌舞伎、若衆歌舞伎の時代から大衆の娯楽でありどっちかというと下世話な方なんだからもっと気軽に歌舞伎の話題ができるといいなぁ。実際は師童や団十郎のシモのほうの話題しか世間一般の芸能ネタにしかならない。歌舞伎はそんじゃそこらの人気劇団の似たり拠ったりの芝居より余程面白いのに嘆かわしいことだ。
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