ザボンの香り

喜びや悲しみ、
ささやかな日常の想いを、エッセイで・・・

体操日本の気品

2010-10-23 13:43:08 | 体操競技
2010世界体操。

団体決勝は、女子が、がんばって5位。
優勝を期待された男子は、最後の猛追及ばず、2位。

「その口惜しさを、個人総合で晴らす」
と、インタビューで言っていた内村航平選手、
見事、貫禄の個人総合2連覇を果たしました!
日本で初の快挙です。

ケガを抱えた今年の得点が、昨年を上回ったのも驚異ですが、

1位内村と2位ボイとの点差(2.283)の方が、
なんと2位から12位キム・ソミュンまでの点差(2.049)よりも
大きいというのが、驚きです。

内村選手は、21歳。
まだまだ才能は、開花し続けるのでしょうか。

植松鉱治選手は、24歳での世選デビューですが、
鉄棒の強さは、国内では昔から有名。
表情が明るくて、見ていて楽しい選手ですね。

女子の個人総合もまた、
16歳の新女王・ムスタフィナ選手(ロシア)の独壇場。
おそらく、ロンドン五輪でも活躍が期待される星ですね。

我らが日本のエース・鶴見虹子選手は、
不調の予選から、だんだん復調してきた矢先に、
得意の段違い平行棒で、思わぬミス。
自分を許せぬ厳しい表情で挑んだ、最終種目の平均台では、
本来の演技ができて、良かったです。
倒立で平均台に乗った瞬間の、時間が変わるようなスローモーション、
その後に繰り広げられる、鶴見選手独特の気品ある世界が、私は好き。

もう一人の女子・田中理恵選手。
初の兄妹代表にして、美貌の持ち主。
23歳にして、初の世選でいきなり、
なんと、栄誉ある「エレガンス賞」を受賞!

田中三兄弟(和仁・理恵・佑典)の演技は、美しいですものね。

体操日本の気品が、世界に評価されることが、本当に嬉しい。
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2010年世界体操選手権・予選

2010-10-20 17:09:15 | 体操競技
ロッテルダムでの今年の大会
2年ぶりに競う団体総合に、ワクワク期待が高まりますね。
内村選手、肩の故障を抱えながらも、
なんと92点台という高得点で、予選総合(PDF)1位!

団体男子としても、日本は、1位中国に1点差に肉薄する2位です。
冨田や鹿島が惜しまれて引退したように、
中国の北京・金メダル世代も引退し、両国チームは新世代へと交代。
明後日の決勝が、非常に楽しみ。

今日から4日間ほど、深夜にフジTV系列で、生中継されます。
(女子団体総合・男子団体総合・男女個人総合・種目別)

女子もがんばれ!
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極限状況における実存

2010-10-17 11:42:37 | TV番組
今週の『風をよむ』(TBS・サンデーモーニング)を観て。

チリ落盤事故・救出のニュースで、非常に感動したのは、
33名のうちのほとんどが
「自分は最後でいい。仲間を先に」
と申し出た事実だ。

リーダーシップを取った人が、優れていたのは確かだろうが、
なぜ、1人も自己本位な行動に走らなかったのか、
不思議に思った。

極限状況において、人の心理がどう働くかを、
番組は『夜と霧』(V・フランクル)や、
仏教の修行・千日回峰行を紹介しながら、辿る。

地位も名誉も財産も、全て剥ぎ取られ、
裸の肉体だけ、という状況に置かれた時、
人は、大宇宙の中に生かされている、
1個の生命体に過ぎない“自分”を悟るという。


浅井信雄氏の、
「戦争という極限状態で、美談だけではない、
 悲惨な結果が多く生まれた事実を、忘れてはいけない」
というコメントに、その通りだと思った。

どちらに転ぶか分からない、危うさを抱えた生き物が、
私たち人類なのだと思う。

鍵を握るのは、やはり“リーダー”。

しかしそれは、職業としての“リーダー”ではなく、
“リーダーシップ”という人間性。
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『かたみ歌』 朱川湊人

2010-10-13 13:44:23 | 読書関連
フジTV「世にも奇妙な物語」の『栞の恋』で、
胸を掴まれるような感動を受け、
原作に興味を持って、読んでみた。

書店で、「大反響!」のPOPと共に、
大々的に売り出されていたのが、こそばゆかった。

架空の町・アカシア商店街を舞台にした連作短編集で、
『栞の恋』他・全7篇から成っている。

ホラーなので、後味の悪い作品も数篇あるが、
最終話まで読み終わると、全てが浄化された快さと共に、
懐かしさと切なさが湧いてくる。

行ったこともない覚智寺の風景も、
アーケード商店街の賑わいも、
こじんまりした家屋が寄せ集まった町並みも、
鮮やかに、目の前に浮かび上がってくる。



重松清と、同い年の作者だが、優れたストーリーテラーだと思う。
重松が、秀麗な文章と感性で泣かせるのとは異なり、
きちんと練り上げた構成で、泣かせる人だと思った。

だから、後から思い出して泣ける、泣ける。



――――――(※ 以下ネタバレ ※)――――――

1番好きなのは、『ひかり猫』
失意の青年の元に、毎晩、死んだ猫の魂が帰ってくる。
その魂と戯れているうちに、
傷心が癒え、だんだん元気を取り戻していく青年。
ある晩、その猫の魂が、可愛がっていたチャタローではなかったことが分かる。
魂は、青年の驚きを解明するかのように、
自分の亡骸の元へ、青年を案内する。
その亡骸は、青年が部屋に入れてやらなかった、もう一方の野良猫だった。
こんな風に、一度は人間に可愛がってもらいたかったのかと、
寂しいのは全ての生き物に共通する想いなのだと、
青年は、猫の亡骸を、手厚く葬ってやる。

そのほか、殺された後も家族を守ろうとする夫の魂や、
反対に妻子を無慈悲に連れて行ってしまう幽霊、
邪悪さを感じさせる死神などが、各話に登場する。

――――――(※ ネタバレ終わり ※)――――――


『栞の恋』(堀北真希・主演)は、
ドラマの脚本と演出が、秀逸だと思った。
原作とは異なる終わり方だったが、
ドラマの方が、カタルシスが清らかで、より感動的だった。
声優と、後姿のみの俳優と、
手紙の美しい字を書いたスタッフ、グッジョブ!

ただ、昭和40年頃の商店街は、もっと活気があって、賑やかだったはず。
あの寂しさは、(まるで現代のようで)もの哀しく感じられた。
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ノーベル平和賞に、込められた祈り

2010-10-10 14:43:01 | 社会のこと
国家が、国民を支配してはいけない、ということ。

全ての人は、
人間として尊重される権利を持っている、ということ。

一人の人間の頭脳や体躯は、全宇宙に匹敵する、
無限の可能性を秘めたものである、ということ。

その可能性を寄せ合って、
人類は、地球上に生きている、ということ。

だから――ー
 中国よ、21世紀の世界の一員として、早く目覚めてほしい!

 20世紀の大戦は、傲慢と強欲の行き着く果てを、
 古今東西・全人類の“業”の果てを、
 “原子爆弾”という地獄絵図で、世界に教えたのだ。

 強者が弱者を支配するのではなく、 
 1人ひとりの人間が、それぞれの幸せを掴む権利を守れ。

 
世界の先進諸国は、
生まれ変わってゆく中国を、
首を長くして待っている。



・・・・そんなメッセージが、発せられている気がする。
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世界への国家戦略

2010-10-03 14:11:58 | 社会のこと
海洋領域をめぐる小競り合いは、昔からある。
今までの自民党政権は、対・露中韓朝との領域問題が起る度、
日米安保に頼って、問題化させないように努めてきたのであろう。
今までは、それで済んだのかも知れない。

 だが、これからは、そうは行かないらしい。
 これから、日本はどうするのか。

国際社会の一員としての日本の在り方を、
我々は、常に問われ続ける。




今回の、尖閣諸島をめぐる、一連の中国との騒動に関し、
中国の自国への報道は、著しく偏向していた。

日本は、どうか。
初期は、かなり怒りに燃えて熱かったが、
総理による謝罪賠償拒否声明が出されて以降は、
急速に、冷静になっていったように感じられた。

 日本は、昭和初期の過ちを、繰り返すわけにはいかないのだ。

再三このブログで述べてきたが、
日本が世界に担うべき任務は、「核廃絶への旗手」だと思う。

国の内外問わず、あらゆる暴力行為に、毅然として反対すること。
芯は、そこに置き、
そこから柔軟に、新しい国家戦略を作り上げていってほしい。




自民党の、
政権奪還に焦るあまり、
ひたすら与党を誹謗し妨害する一辺倒の、
品の無い野党ぶりには、がっかりを通り越して辟易とする。
長年、政権を担当してきたゆえの知恵や、
先輩政党としての助言など、
“新生する日本”への協力姿勢が、全く見られないのが、本当に残念だ。

幕末維新の人々が、日本を夷敵から守るために、
みんな無私になって協力したのと比べて、
あまりにも現代の上層部は、私利私欲に走っているように見える。

民主党もまた、脆弱過ぎるゆえ、
国民は、新たな政権担当者を、望まずにはいられないだろう。

政党など要らないし、古めかしい議会選挙制度も要らない。
政治家も、研ぎ澄まされた精鋭しか要らない。
政策科学研究者の集団を中心とした、
清新で、真に日本らしい民主主義国家を、私は望む。

党を超えた(すなわち万民の良識が納得する)国家戦略構築こそ、
大切な急務ではなかろうか。
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