ザボンの香り

喜びや悲しみ、
ささやかな日常の想いを、エッセイで・・・

“寛容”の重み

2010-06-29 10:43:27 | TV番組
今週の『風をよむ』(TBS・サンデーモーニング)


2年前、心底ぞっとした、秋葉原無差別殺傷事件。
「・・・・誰でもよかった・・・・」
同様な無差別殺人事件が、世界各地で増えているという。
単に社会的病理で片付けられない、時代や文明そのものが内包する病理。

自己を客観視できず、他者を恨んでしまう精神構造。
と共に、人類の生存競争が、ここまで来てしまったということ。
グローバリズムが加速させた、冷酷な、負け組排除の論理と、
搾取・被搾取の差別。
袖すり合うも多生の縁どころか、目が合っただけの縁でも相手を憎むような、
ぎすぎすイライラした、人間の間に漂う空気。

芥川龍之介が『蜘蛛の糸』で描いた、地獄の亡者の姿が、脳裏に重なる。
他者を押しのけ自分だけが助かろうと、お互いがつぶし合うおぞましさ。

これを脱却する知恵は、全ての生物のDNAに、きちんと備わっているという。
許し合い、共存しようとする“寛容”という名の英知。

なぜ人類だけが、今、それを発揮できないでいるのか。
“寛容”を阻害するものは、何か。




以下、共感したコメント。

スポーツジャーナリスト・中西哲生氏
「一度ミスしたら、もう取り戻せない社会になっていることを感じる。
 たった一度のミスが、人生そのものの失敗になってしまったら、
 人間なんて生きていけないですよね」

写真家・浅井慎平氏
「現代には、普通の現実社会と、メディアやネットなどのバーチャル社会と、
 2つの社会があって、犯罪者の心理は、
 バーチャル社会(で得られる反応)に向かっているのではないか。
 きちんと現実社会で生きていく心を、取り戻さなければいけない」

毎日新聞主筆・岸井成格氏
「幸福の捉え方が、問われている。
 地域主権や自然からかけ離れない生活を、重視しなければ」

日本総研会長・寺島実郎氏
「仕事の意義も薄く、人間関係も過疎、
 生きる意欲を見失いがちな社会状況の中で、
 なんとか大人としてできることは、若者の手本となれるものを
 自分の中に持つこと」



加えて、私は、コミュニケーションの大切さを思う。
時代の流れが激しさを増す中、人類はこれから、
コミュニケーション不全に陥っていくのではないか、と危惧する。

健康なコミュニケーションがとれていれば、防げたと思われる事件事故は多い。
健康なコミュニケーションを、妨げるものは、いったい何か。
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気分を左右するもの・・・・

2010-06-20 14:33:44 | TV番組
今日の『風を読む』(TBS・サンデーモーニング)

サッカーワールドカップが、日本のカメルーン戦勝利で、
俄然盛り上がりを見せている。

昨日のオランダ戦も善戦、というか、
実力差ある格上を相手にして、
日本代表たちの、真っ直ぐ前を向いた凛々しさに、感動した。

だがカメルーン戦前は、大会への関心度は低かった。
このように「期待したいが、不安も強い」場合、
ちょっとしたきっかけで、すごい勢いで、
評価を上昇させる心理が、人間には働くらしい。

民主党政権に関しても、菅内閣への高い支持率は、
それを現わしているそうだ。

人の心のパワーはすごいが、
それが集団で付和雷同で動くと、
とてつもなく恐ろしい。

だが、浅井慎平氏の
「日本人の心には、絶妙なバランス感覚がある」
というコメントにも、共感する。
まさしく、それこそ日本が誇れる“和”の精神だと思う。


SFCG事件に関する掘り下げが、寂しかった。
出演するはずの江川紹子さんがいなかったのが、本当に残念。
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「はやぶさ」のロマン

2010-06-14 20:34:38 | つぶやき
幾多の困難を乗り越えて、帰還した
小惑星探査機「はやぶさ」。

度重なるトラブルも、あきらめず、
知恵を結集して乗り越えた、技術者チーム。

けなげに、7年も応え続け、最後は使命を果たして、
大気圏で燃え尽きる。

その「はやぶさ」が、オーストラリアの砂漠に送り届けた、
惑星の小さなかけらには、
宇宙のヒントや神秘が、たくさん詰まっている。

 「はやぶさ」のロマンに、胸が熱くなる。
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高校男子新体操のドラマ その2

2010-06-07 13:13:04 | TV番組
  (その1はこちら

TBS土8ドラマ『タンブリング』、毎回、楽しみに観ている。


2話から6話まで、不必要な暴力シーンや安易な設定が目立ち、
リアリティに欠ける脚本で、うんざりしていたが・・・・

先週と今週の7話と8話は、見違えるように面白く、
感動的だった。

役者たちはみんな好演で、特に、
主人公・東航(あずまわたる)と、個人選手の火野、
双方の父親、そして顧問の柏木先生の心理表現が、
上手くて胸打たれる。

“柏木スペシャル”に、泣いた。
(部員たちを侮辱した新コーチに激昂して殴ってしまったため、
 退職して、学校を去ってゆく柏木先生を引き留めようと、
 部員たちが徹夜で練習した新体操ワザ) 

柏木先生は素人ながら、少しでも演技の参考になるように、
自分でビデオを撮影して、資料を集める。

その映像には、一見、新体操とは無関係だが、
その実パフォーマンスの本質ともいえる、
さまざまな物の“動き”の美しさが収められており、
それをヒントに、部員たちは演技を構成する。

何が感動って、チームの和とか、若者たちのエネルギーとか、
人間の温かさとかはもちろんそうだが、
新体操の可能性や、芸術というものの無限性に、
私は強く心を打たれた。

  大自然もそうだが、人間の持つ秘められた可能性は、
  まだまだ果てしなくあるのではないか。
  私たちが、気付かないだけで――

そんな希望を、ふと感じた。、
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言論の自由を奪う“鬼”

2010-06-04 16:14:57 | 社会のこと
このニュース記事を見て、怖気が走った。↓
  「ネット全履歴をもとに広告」総務省容認(全2ページ)


ブロバイダーが、個人のネット履歴の全データを、情報として業者に売り、
業者は趣味嗜好を計算して、ふさわしい広告を出すと。

 背筋が寒くなる。

私は、広告が大嫌いだ。
周知徹底を図るためのお知らせなら、大歓迎だが。
TVコマーシャルに代表される、売らんがため大音響でアピールする行為は、それ自体が、世の中を悪くする元だと思う。

欲しいものは、自分で探す。
そのための有用情報を検索しやすくする方が、
はるかに大切ではないのか。
アマゾンのお勧めコーナーの、的外れさからも分かるように、
検索履歴なんかで、趣味嗜好を把握できはしないのだ。

 検索履歴で推し測れるものは・・・・思想傾向だろう。

つまり、上のニュースの本意は、
総務省は、個人の思想を検閲しようとしている、
もしくは、ゆくゆく検閲しかねない、ということだ。


これは、単なるプライバシーの侵害のみならず、
本当に言論弾圧・思想統制に向かう、恐ろしい道ではないだろうか。
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問われるのは、日本の民主主義

2010-06-02 13:56:37 | 社会のこと
鳩山総理が、とうとう辞意表明。
小沢幹事長も、共に辞任。

まだ前回から10カ月も経っていないのに、
信じられないことだが、
衆議院総選挙も、あり得るとか。

こぞって、与党批判を繰り広げる野党たちの、醜さ。
むしろ党利党略を二の次にして、大同団結して、
日本国民のために、最良の道を模索することこそ、
国会議員の務めでしょうに。

 ほとほと政治家には、愛想が尽きる。


なぜ、鳩山総理や小沢幹事長が辞めなければならないか、
私は疑問に思う。

笑っているのは、誰なんだろう・・・・

政権交代は、残念ながら、国会の議席数のみであった。
実質、民主党よりはるかに、権力を握っていたのは、
検察・官僚・TV・マスコミ・既得権益層、
さらにはもっと恐ろしい黒幕たち。

 それらにより、あからさまに、
 徹底的に、民主党はつぶされた。

行く行くは(もしくは一気に)、戦前と同じく、
言論統制・思想弾圧へとつながっていくのではあるまいか。
そして搾取の激しい、奴隷階層社会が定着してゆく――



国民は騙されてはならない。
真の敵が、何であるか。
強者による脅しに、負けてはならない。

今、問われているのは、
日本がこの先、民主主義を維持していけるかどうか。
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