国鉄があった時代blog版 鉄道ジャーナリスト加藤好啓

 国鉄当時を知る方に是非思い出話など教えていただければと思っています。
 国会審議議事録を掲載中です。

昭和33年10月7日 第30回国会 衆議院 社会労働委員会 第3号から抜粋 第10話

2024-04-23 23:26:02 | 国鉄関連_国会審議
久々に更新させていただきます。

第2組合員のミスは、全力で管理者が守る?
小林委員は、組合差別と言うべき不当労働行為があったのでは無いかと言うことで、以下のような具体的な事故が有ったこと。
そして、その事故を隠蔽するために運愉主任が事故を隠蔽(国鉄の隠語でマルにする)為に奔走したとしており、事故を起こしたのが第2組合員であったが国労組合員であったならばこうしたことを行わなかったのでは無いかと質問をしています。
○小林(進)委員 次に私は第二組合員を不当に庇護いたしております一つの事例としてこれを申し上げたい。これは新潟駅で起った問題でございますが、十月一日の十六時ごろ、第六一四列車の編成すえ置きの際、信号機のモデル板不確認から一〇五号転轍機が反位になっておるのを客車操車掛が発見いたしまして、事故を未然に防止いたしました。この関係者は全部第二組合員であったのでありますが、近藤運輸主任は第二組合員が起した事故を隠蔽するために、信号分区、保線分区、機関区などにそれぞれ酒五升、かきの種若干を贈り秘密を守ってくれるように奔走をいたしました。おそらくこれが国労の問題であったならばどういうふうに当局側は出たか、私ども考えるときにりつ然たるものがございます。第二組合員でありますので、おそるべき事実は未然に防いだのでありますけれども、これを隠蔽するために、河村局長の意を引いた末端の管理者は、かくのごとく東奔西走してこれを隠蔽しているというのでありますがこれに対する総裁の御所見を一つ承わりたいと思います。
小林委員自身が、社会党所属の議員ですが、その出自をwikipediaで参照しますと、中央大学卒業後、東京倉庫運輸株式会社入社。その後、幹部候補生の教育を受けて、陸軍主計大尉として終戦を迎えた とされており、戦前からの労働運動家ではありませんでした。
ただ、発言はかなり労働者よりと言いますか、国労に肩入れする発言をしているのが特徴と言えます。
もっともこの質問に関しては当然のことながら総裁は知らないという返答するわけですが、些か意地悪な発言という風に見て取ることが出来そうです。

言いがかりにも取れる質問で、何かを引き出したかったのか?
いかにこの新潟監理局の管理が間違っておるかということです。いたずらに組合員を弾圧し、いたずらに組合にけんかをしかけて、そして組合員をいじめることをもって本分としている。私どもが監理局の各駅に入っても少しも明るさがないじゃないか。駅長室に入ってみたところで、あるいは駅の出札に入ってみたところで、まことに不愉快きわまる。このような空気が一体なぜでき上っているか。あなたは知らぬ、存ぜぬというが、知らぬ、存ぜぬで総裁が勤まると思っているか知りませんが、知らぬ、存ぜぬというのは総裁の勤めじゃないのですよ。一体なぜこういう問題が起きるのか。総裁として遺憾千万なら遺憾千万、申しわけないなら申しわけない、責任とるなら責任とる、いま少ししゃんとした御回答をいただきたい。
この質問に対して、当然のことながら十河氏は知らないと発言し、我孫子常務理事当然のことながら存じ上げないと発言しているのですが、些か重箱の隅をつつくと言うか、わざとしているだろうと思わせる内容ではありますね。更に小林委員の質問は続き、新潟鉄道管理局発行の労働情報という冊子についても質問をしていますが、こちらは承知していると我孫子常務理事は発言をしていますが。我孫子常務理事の発言では未然に事故を発見したこと、更にはそれをマルにしてくれと言うことで、運愉主任が事故にしないで欲しいとして奔走したことは不当労働行為ではないと判断していると発言しています。
それに対しても、さらに小林委員は質問を繰り返すのですが、その辺はまた改めてアップさせていただきます。
応援よろしくお願いします。

****************************以下は、本文となります*************************
○小林(進)委員 次に私は第二組合員を不当に庇護いたしております一つの事例としてこれを申し上げたい。これは新潟駅で起った問題でございますが、十月一日の十六時ごろ、第六一四列車の編成すえ置きの際、信号機のモデル板不確認から一〇五号転轍機が反位になっておるのを客車操車掛が発見いたしまして、事故を未然に防止いたしました。この関係者は全部第二組合員であったのでありますが、近藤運輸主任は第二組合員が起した事故を隠蔽するために、信号分区、保線分区、機関区などにそれぞれ酒五升、かきの種若干を贈り秘密を守ってくれるように奔走をいたしました。おそらくこれが国労の問題であったならばどういうふうに当局側は出たか、私ども考えるときにりつ然たるものがございます。第二組合員でありますので、おそるべき事実は未然に防いだのでありますけれども、これを隠蔽するために、河村局長の意を引いた末端の管理者は、かくのごとく東奔西走してこれを隠蔽しているというのでありますがこれに対する総裁の御所見を一つ承わりたいと思います。
○十河説明員 そういう事実を私存じませんので、今どうするということを申し上げかねます。
○小林(進)委員 私は一々こういう具体的な例を述べているのでありますが、総裁は知らぬ、存ぜぬということで通されるのでありますけれども、しかし一々こういうことが起きているということは、いかにこの新潟監理局の管理が間違っておるかということです。いたずらに組合員を弾圧し、いたずらに組合にけんかをしかけて、そして組合員をいじめることをもって本分としている。私どもが監理局の各駅に入っても少しも明るさがないじゃないか。駅長室に入ってみたところで、あるいは駅の出札に入ってみたところで、まことに不愉快きわまる。このような空気が一体なぜでき上っているか。あなたは知らぬ、存ぜぬというが、知らぬ、存ぜぬで総裁が勤まると思っているか知りませんが、知らぬ、存ぜぬというのは総裁の勤めじゃないのですよ。一体なぜこういう問題が起きるのか。総裁として遺憾千万なら遺憾千万、申しわけないなら申しわけない、責任とるなら責任とる、いま少ししゃんとした御回答をいただきたい。
○十河説明員 私は新潟の問題について、たといどういう事情があったにしろ、皆さんに御心配をおかけすることははなはだ遺憾だと、最初にそのことは恐縮して申し上げておるのであります。ただいまあげられたような事実は私存じませんが、いずれ速記録を詳細に拝見いたしまして、取調べをいたしてからお答えすることにいたしたいと思います。
^○小林(進)委員 吾孫子理事の回答を聞いてみたいと思います。

○吾孫子説明員 ただいまの十月一日の事故隠蔽のお話というのは、私も承知しておりませんのでございます。総裁からお答えのございましたように、よく取り調べた上でお答えをいたしたいと思います。
○小林(進)委員 どうもあなた方は、いいとか悪いとか責任者じゃありませんか。知らぬ、存ぜぬで回答して一体それでいいのですか。不謹慎きわまると思っているのだ。私はまた別な角度から一つお尋ねしますが、これは新潟の監理局です。これは御存じになっているだろうと思う。これは知らぬとは言わせないのですが、静岡の国労の臨時大会前後をもって新潟監理局で創刊されているのでありますが、その労働情報、あるいは新潟国鉄労働情報とか、いわゆる労働情報、こういう名前のものが新潟監理局の労働課長の公文書の形で発行をせられておる。これは総裁御存じでございますか、お尋ねします。
○吾孫子説明員 新潟の監理局におきまして、局の労働課長の名前で労働情報というものを出しておることは承知いたしております。
○小林(進)委員 その情報が不当労働行為に該当するかいなかということをお考えになったかどうか。私は不当労働行為になっておる、かように解釈しておりますが、御存じになっておりまするならば、その見解もあると思います。一つ総裁あるいは吾孫子理事の御所見を承わりたい。
○吾孫子説明員 局の情報に限らず、不当労働行為にわたるようなことをやってはならないということは常々厳重に注意をいたしております。そのような情報が不当労働行為になるというようなことはないはずであるというふうに思っております。
○小林(進)委員 これは全部あなたお読みになりましたか。
○吾孫子説明員 私自身は全部は読んでおりません。

コメント    この記事についてブログを書く
  • Twitterでシェアする
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする
« 昭和33年10月7日 第30回国会... | トップ | 知鉄話 日本国有鉄道史 第44... »
最新の画像もっと見る

コメントを投稿

国鉄関連_国会審議」カテゴリの最新記事