環境問題スペシャリスト 小澤徳太郎のブログ

「経済」 「社会」(福祉) 「環境」、不安の根っこは同じだ!

「将来不安」の解消こそ、政治の最大のターゲットだ

日本がめざすべき「エコロジカルに持続可能な社会」の理念とビジョン

2010-02-27 09:50:17 | 持続可能な開発・社会/バックキャスト
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昨年9月16日のブログで指摘しましたように、国、自治体を問わず、行政には「総合性」、「整合性」、「柔軟性」、「継続性」などが要求されますが、日本は「官僚主導の政府」ですので、よく言われるように行政組織は、いわゆる「縦割り行政」です。ですから、「総合性」、「整合性」、「柔軟性」に欠ける傾向があります。ただ、「継続性」だけはありました。その結果 “困った状態” が今なお継続しています。

本来、行政の最も重要なことは「継続性」ですから、「継続性」があって、しかもスウェーデンのように、政治主導の政府で「総合性」も「整合性」も「柔軟性」もあることが望ましいのですけれども、日本はそうではありません。

民主党政権が発足して5ヶ月が経ち、民主党政権による初めての通常国会が1月18日に開会しました。6月16日の会期末まで建設的な議論が展開されるのを大いに期待しますが、特に、私は日本が向かうべき中長期の方向性に関する議論に関心があります。会期中にどの程度の議論がなされるのでしょうか。

日本には「経済成長の議論」はあふれていますが、「21世紀に日本をどのような国にするのか、ビジョンや理念がない」という批判が高まっています。今に始まったことではないのですが、この時期にそのような議論が高まってきたのは好ましいことだと思います。なぜなら、現在は「20世紀型の経済規模の拡大」から「21世紀の経済規模の適正化」への大転換期だからです。

今年1月22日のブログで、持続可能な国づくりの会が21世紀前半にめざすべき「日本の姿の理念とビジョン(試案)」を公表したことをお知らせしました。そして、2月3日からは、事務局による「試案の背景」に対する解説記事の連載が始まりました。2月3日から24日までに、9本の解説記事が掲載されています。

解説記事は易しく、しかも現実的です。早い時期に、政治家や官僚が本気で「この理念とビジョン」の内容をしっかりと理解し、これを手がかりに日本の現状からどうすれば日本の望ましい社会を実現できるかをここに示された方向で積極的に議論し、決断していけば、日本の閉塞感を突破できると思います。同時に、この種の議論は政治家や官僚だけでなく、広く一般に行われる必要があることはいうまでもありません。


 

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3 コメント

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ビジョンが通用しにくい時代に (副男)
2010-03-04 03:01:55
小澤先生

ブログいつも楽しみに拝読しております。
ほんとうにこういうビジョンが官僚や政治家にも通用すればいいのですが、現在までの理念・ビジョン発送結果があまり芳しくないことは、予想されたこととはいえ残念なことです。
しかしこれからはどういうかたちであれビジョンというものが不可欠な時代にならざるを得ないと思います。その有力候補として、広報にお力添えいただければ幸いです。
それではブログ更新お待ちしております。
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なぜビジョンが通用しにくいのでしょうか? (小澤)
2010-03-04 11:43:05
コメントありがとうございます。私は日本が次のような状況にあるからだと思います。

現在、書店に「環境後進国ニッポン」というタイトルを表紙に掲げた週刊誌「日経ビジネス」(2010-03-01)がならんでいます。この雑誌の冒頭の「今週の焦点:政治を待っている時ではない」で桜井正光さん(経済同友会代表幹事)がインタビューアーの質問に次のように答えています。

問 民主党政権は、「温暖化ガスを1990年比で25%削減」という数値目標を打ち出したのみで、具体的な施策が見えません。

答 政府が率先してビジョンと具体的な目標を示し、それに向かって企業が邁進するのが理想かもしれない。ですが、世界では既に競争が始まっています。政治の動きを待っている時間はないのです。
 不平を述べていても、何も始まりません。政治がどのような状況であろうと、企業にチャレンジ精神があることが大前提になります。こうした企業の挑戦を支援していくことが、経済同友会が果たすべき役割でもあると考えています。

桜井さんは企業経営者の中では、私の知るかぎり、特に温暖化防止対策に対して大変積極的に発言をされてきた方です。
 「問」に対するお答えの前半はおっしゃる通りで、適切なご所見だと思います。後半のお考えは20世紀の「経済の拡大」という発想、21世紀に入って「持続的な経済成長」と表現は変わりましたが、そのような流れの中で経営者や技術評論家をはじめ経済学者など多くの知識人が賛同する主流の考えです。

 私は、適切だと考えられる「前半の状況」がしっかりと確立した上で、「後半の状況」がなされるのが望ましい姿だと思います。「前半の状況」が不十分で、「後半の状況」が国際競争力を高めるという意識で強力に推し進められますと(これは20世紀の発想そのままです)この雑誌のサブタイトルである「25%削減」よりも恐ろしい現実(日経ビジネスの考えとは異なると思いますが)に直面すると思います。

もう一度、次のブログをご覧下さい。
http://blog.goo.ne.jp/backcast2007/e/cdbccb4212dd16d2353871e1ed142f28

 
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ありがとうございました (しゅとう)
2010-05-15 18:01:56
小澤先生こんにちは。
大変遅くなってしまいましたが、
以前お電話を頂き、質問に丁寧に答えて頂きありがとうございました。
小澤先生の声はとてもやさしく聞こえました。
変な質問をこれからもするかもしれませんが、よろしくお願いします。
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