以前に山形市内の農協直売所で「木灰」や「土灰」を購入して、自分流の釉薬作りを始めましたが、
今度は「自分流の土作り」に挑戦します。
先日、何気なく作陶中に聞き流している地域FM局によると、
「建設中のダム現場から大量の粘土が出たので、希望者には無料で提供する」と言うもの。
早速、インターネットで検索すると、その工事現場は天童市の山奥にある「留山川ダム」。
田畑の灌漑用や洪水を防止するための治水ダムとして、平成22年末に完成の予定。
現在はダム周辺の林道更新工事や付帯工事が進行中の様です。
ここ2ヶ月の間に採取可能の粘土は約40,000㎥だそうで、40,000㎥と言えば、仮に200mx50mの
広さとしても、深さはさ4mにもなる。
陶芸用に使うには気の遠くなるような話です。
工事施工の管轄機関は山形県の村山総合支庁建設部。
厚かましいが早速「陶芸用に40kg程度分けてもらえないか」とおそるおそる電話したところ、
幸いにも快く了解してもらいました。
待ち合わせ場所の地図がファックスで送られ、当日はわざわざ山形市内から工事関係者の方が、
「現地の天童市の現場まで案内しましょう」と言う念の入りよう。
たかだか趣味を楽しむ一市民のために、大変心のこもったサービスで感謝感激です。
(横浜の様な大都会ではどうだろうか?とデスクトップさんは考え込んでしまいました)
9/5の残暑が厳しい午後、現場近くの林道入り口で関係者の方と待ち合わせて現場に到着。
粘土の採取はダムの本体部(堤体)で、これから10m位掘り下げると言う場所。
パワーショベルで掘削した壁は、堆積した白い粘土の層がむき出しになっており、
スコップで比較的簡単に粘土を採取出来ました。
ざーっと見た感じでは砂や葉っぱ、根っこなどは無く、純粋に粒度の細かい良質の粘土のようです。
関係者の方にお聞きしたのですが、某工芸関係の大学の先生が「釉薬にもなる」と評価済みだとか。
試しに焼いた小品を見せていただきましたが、鉄分が多く粒度が細かく表面が滑らかで、
「常滑焼」のような焼き締めに仕上がっていました。
更に、「焼き物を焼く人が多ければ、この土で焼いた作品の展示会なども開催したいのだが.....」
と今後の夢も語っていただき、とにかく誠実に対応していただける熱意に感動しました。
関係者の皆様 大変ありがとうございました。
必要なら今後も追加もしていただけそうなので、取り敢えず今回は約40kg程を頂戴しました。
耐火力や加塑性も今後の取り扱いでクリア出来そうな感触です。
これからどのように「自分流の土」にして行けるか?
楽しみがまた一つ増えました。
工事中の留山川ダムは天童の温泉街から車で約10分の山間
ダム建設現場(ダム本体の真下付近)
掘削現場の状況
粘土を採集した場所 (向こう側にも白い粘土層が見える)
お世話になった工事関係者の方々
持ち帰った粘土(3袋で約40Kgほど)
水簸前の粘土