陶芸を楽しむ諸先輩がある程度「土と釉薬」の扱いに慣れてくると、
さらに陶芸らしい作品を目指して「桃山陶」を極めたいと思うそうです。
日本のやきものの最高峰といわれる「桃山陶」は、志野、織部、黄瀬戸、唐津などの施釉陶の総称で、
土と釉薬の組み合わせや焼成の方法により、これまでに実に多彩で趣のあるやきものが作陶されています。
陶芸を志す人々がより奥深い世界を求めて苦悩と挫折を繰り返すなど、
完成度を高めるには、専門家でさえ技術的にも大変困難な世界だといわれています。
もっともデスクトップさんのように、自前の知識のみで新しい分野を切り開いていこうとするアマチュアは、
出来上がった作品を鑑賞して評価するいわゆる「審美眼」にも乏しいので、
いろいろな作品に出会って「良い作品を見分ける力」も鍛える必要があります。
と言う訳で、今回から黄色の発色が美しい黄瀬戸釉に挑戦してみます。
まずは習作から始めるために、16 x 6 Cmの小さな向付けを制作しました。
結果は予想していた通り?の失敗作となりました。
・全体の発色はまあまあの様ですが、もう少し褐色がかっても良いかな?
・側面に「鬼板」で彩色を施した切り込み部は、やさしい色合いになっていますが、若干薄い?。
・内面の三カ所に「胆礬(たんぱん)」を出そうとしたのですが、浅い緑ではなく青銅色で黄瀬戸をはじいています。
恐らく「胆礬(たんぱん)」の酸化銅が濃くすぎて?、その結果、黄瀬戸とのコラボレーションに失敗したようです。
胆礬(たんぱん)には「硫酸銅」を使うのが本当らしいのですが、今回は酸化銅で代用しました。
織部釉を使う人もいるようですが。(ただし、表面的に見た感じは似るが、本来の胆礬(たんぱん)では無いとか....)
今回制作して気がついたことですが、見栄えよく黄瀬戸の器を仕上げるには、
土や釉薬、焼成の方法だけではなく、特に器の形や大きさ、それに厚さが大切な要素になりそうです。
やっと緒についたばかり。
華やかな食卓を飾る黄瀬戸の器としては、まだまだ課題が残っています。
暫くは黄瀬戸釉との格闘が続きます。
黄瀬戸は難しいですね