勝手にお喋りーSanctuaryー

マニアックな趣味のお喋りを勝手につらつらと語っていますー聖域と言うより、隠れ家ー

たいした話じゃないのに

2004-08-17 | 日常のお喋り
続きは明日ーなどと書いてしまった。
今頃?と言われそうな話題だ。
Mograさんのサイトで知り、asahi.comの記事だけチェックしていた「電車男」を、この際だから最初から全部読んでみた。
ね?知ってる人にとっては「今頃?」の話でしょう?

念のため、知らない人向けに。
発端は2chの「独身男」スレッドだ。
もてない男たちのスレッドだったらしいが、ある日常連の一人に彼女が出来た。
その様子を掲示板に詳しく報告し、みなはその報告を楽しみに待っていた。
その後同時進行で何人かが同じような報告を始める。
通称「電車男」もその中の一人だった。

彼女いない歴=年齢の「電車男」くんが、電車の中で絡まれている女性を助けたことから始まるこの物語。
実によく出来ているのだ。
私が関係ない掲示板を、数時間かけて読んでしまったのも、「電車男」があちこちにさり気なく仕掛けて行く「アイテム」に引きずられたからだ。
彼女から送られてきたお礼が「HELMES」のペアカップ。
「電車男」はこれをエルメスと読むことすら知らない。(或いはその振りをする)
以来彼女は掲示板の中で《エルメス》と呼ばれることに。
その後も英国王室御用達の特注ティーなどを使い、彼女のセレブぶりをアピール。
掲示板に集まる常連の心をぐいぐいと惹き付けて行く。

掲示板自体はとうになくなり、私が読んだのは抜粋されたものだけなのだが。
今日は「電車男」と「エルメス」が会う日となると、朝方まで「電車男」の報告を待つ書き込みが延々続くらしい。
冷やかしもあるだろうが、真剣に応援を始める人の数もかなりの多さだ。
身近にいる「友達」より掲示板の「赤の他人」に彼らはシンパシーを感じてる。
すでにみなにとって「電車男」は大事な「親友」なのだ。

これはネット上の仮想空間だからこそ生まれる友情なのだろう。
そこに生活はなく、傷ついたらいつでも逃げ出せる。
実際の友情には危険がつき物だから、ネット上で傷つかないごっこ遊びをして楽しむ。
素晴らしいはけ口じゃないか。
「自殺サイト」とか、「掲示板の陰口」が動機とか、悪い方面しか報道されないネットの、正しい使い方の見本のような気さえする。

ネットの遊びは、ルールをわきまえた人たちの、想像力を駆使した英知の上に成り立つ高級なゲームだ。
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