ありゃりゃサンポ

近現代の建築と一日八千歩の散歩の忘備録。美味しいご飯と音楽と。
東京都全域を徒歩で塗り潰す計画進行中。

防音リフォーム

2024年05月14日 | リフォームPart 1&2
懸案だった防音リフォーム。連休明けの1週間をかけて無事に終了しました。リフォームのきっかけとなった出来事はこちら

あの日からどのようなリフォームをすべきかあれこれ考えて、防音リフォームの専門会社もたくさん調べました。
それらの多くは、音楽スタジオや専門の音楽家、もしくはそれに近いアマチュアのためのガチの防音設計が主体で私の希望するゆるい防音には向いていませんでした。
もちろんガチで防音できればそれにこしたことはないのですが、そうするには四方の壁と天井、床の2方向まで二重にしなければできません。
部屋の容積は3/4程度に減ってしまいますし、せっかくの作り付けの書斎家具も壊さなければなりません。費用は最低でも3百万円程度必要です。どれも困ります。
そんな中で目に留まったのがこちらの会社。部屋が狭くならないことを第一の特徴に上げている。
壁の石膏ボードと石膏ボードの隙間に防音・吸音素材を挟むというのが基本なので壁の厚みはそれ以前と変わりません。
当然ながら防音効果は二重壁と比べればそれなりですが、音漏れが50%軽減できれば良いという私の要望にはマッチします。
問い合わせの電話をすると3時間後には担当者が家に来ていました。そのフットワークの良さが好印象でした。
担当者の提案は
・壁の防音化
・防音ドア
・内窓の追加
・防音床マット
の4点。費用も想定内でした。
その後、草加にあるショールームに行って使われる防音材や建具を見て、その会社にお任せすることにしました。ここまでで約1か月。
採寸後、窓とドアを作るのに3週間かかるということで工事はゴールデンウィーク明けからになりました。

5月7日。工事前の最後の姿。26年お世話になったドアともお別れです。

工事開始。リビング側から石膏ボードを壊して行きます。

ダイニング部分が作業場になりました。薄いシートで囲まれてコロナ禍の臨時診療所のようです。

運び出されていくドア。「いいドアなのにもったいない」と言われました。ホントにねー。

石膏ボードが取り除かれました。ピンクの袋はガラが入っています。

ドアのなくなった書斎から。

中に充填するドイツ製の自然素材でできた断熱材。

これを切って間柱の間に埋めて行きます。その前に黒い防音シートも張られているのが見えます。

全て埋め終ると上から防音シートでサンド。

その間に元々ある窓の内側にもう一つ窓が取り付けられました。TOSTEMのインプラス。

元の窓枠の幅が充分あったのでその中に納まりました。内側のクレセント鍵同士が微妙に干渉しましたが、普段閉めっぱなしの窓なので気にしない。
夜間に内窓を開け閉めしてみると内窓によって外のざわめきや車の音、風の音がほとんど聞こえなくなって部屋がし~~んとなります。効果抜群。

工事期間中はこちらの空間で生活します。

材料を切断する際に出るホコリがすごかったので空気清浄機を買ってきました。

床材。耐震防音のウレタンゴムマットと防音タイルカーペット。

9年前のリフォームの時に最もこだわったブラックチェリー挽き板のフローロングが覆い隠されてしまいました。ちょっと切ない。

ドアがつきました。そんなに違和感なくて一安心。防音シート上に高密度のボードが張られました。

通常、ドアの下は数ミリ隙間がありますが、防音ドアは足元部分もパッキンで塞ぐので枠が下にもあります。そのために床に段差ができてしまいます。
将来車椅子暮らしとかになったら、このことがQOLを下げるかも知れません。そんときゃそんときだ。

最後は漆喰を塗ります。漆喰は厚みが2~4ミリ程度あり、多孔質なので防音効果に優れます。話好きの左官さん。尾崎豊のお葬式に部活をさぼって護国寺まで行ったそうです。

リビング側も塗ります。この時、書斎ではウレタンゴムの上に防音カーペットを敷く作業が進んでいました。

漆喰完了。

左官さんはドアの左側の壁紙と違和感がない塗り方を提案されましたが、私は手塗りの感じがしっかり見えた方が良かったので粗さの残る仕上げにしてもらいました。
1週間不自由な暮らしを容認してくれた妻への感謝を込めて壁の隅にRのアルファベットを仕込みました。うちに来ることがあれば探してみてください。

カーペットの敷かれた書斎。

週開けて月曜日には新しいエアコンもつきました。ドア枠が太いのでドア周りの壁が一段壁が厚くなりました。これはこれでスタジオみたいでちょっとかこいい。

肝心の防音性能ですが、ほぼ期待通りかそれ以上でした。多少大きめの音で鳴らすスピーカーからの音楽は、重低音以外は部屋の外では聞こえなくなります。
アコギは指弾きならほとんど聞こえない。ストロークは漏れます。歌と笛類も聞こえます。あくまでも簡易防音、という騒音低減工事ですからそれは当然です。
やれる範囲でやれるだけのことはやったと言う自負はあるのでこれで充分満足です。
9年前ののリフォームの時に防音に関して何もできなくてずっと悔やんでいたことからようやく解放される気がします。

最後に工事費内訳
・壁施工 241,800
・防音ドア 230,000
・床施工 105,000
・内窓施工 94,000
・その他 190,000
税込み合計で945,000円。これにエアコンが工事費込みでプラス10万円ほどでした。
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