あるBOX(改)

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山中慎介がTKO勝ちで12度防衛に成功(2)

2017年03月03日 | ボクシング
3/2のWBC世界バンタム級タイトルマッチ(両国国技館)でメキシコの
カールソンに圧勝した王者・山中慎介(34才/帝拳)。

元WBA世界ライトフライ級王者、具志堅用高氏(61才)の持つ連続防衛
日本記録「13」に王手をかけたワケだが、防衛ペースは随分と先輩王者と
異なる。

具志堅さん戴冠からV12まで約3年7カ月のハイペース。
「年4度防衛」は、ある意味で伝説だ。



一方、防衛ペースが年2回の山中は約5年4カ月かかっている。
21才で王座奪取した具志堅さんが∨14に失敗して引退したのは25才。

29才で王者となった山中は、現在34才だ。
ただ、山中に大きな衰えは見受けられず。試合の中での微調整やピンチでの
クリンチなど、むしろ経験で総合力を上げ、決め手の左は磨きが掛かっている。
また、負傷などで大きなブランクを作らず、防衛戦をこなしているのも大した物。
※強打者特有の拳の負傷が無いのが凄い。「無事これ名馬」です。

世界戦の雰囲気も昔とは違う。
今の山中も、指名挑戦者やモレノのような実力者と戦い、相当の格を感じさせて
くれるのだが。

やはり1970年代の世界戦のムードは異様だった。
会場はタバコ臭く、黒やグレーのスーツを着た成人男性が思い詰めたように押し
掛け、リングを見つめていた。

具志堅さんは異様なテンションで相手に襲いかかり、連打に次ぐ連打で打ち倒した。
小林弘さんの日本記録、ルイス・エスタバのJフライ級連続防衛記録が掛かった試合
では、快勝の後プレッシャーから開放されて羽ばたくようなポーズを見せた。

一試合の集中力、消耗度も凄かったという。王者としての晩年は精神的な事から、
胃腸にダメージが現れたそうだ。
※それだけの試合だったからこそ視聴率が40%越えたのだろう。



一方の山中慎介は、良い意味でマイペースだ。
仕事をこなすかの如く、リングに上がり、非情に相手を倒しつつも、どこかクール。

山中は、それで良いと思う。
また、それしか出来まい。

勝利者インタビュー。上重聡アナが、何度も立ち上がってきた挑戦者を「王者が称える」
ようなコメントを引き出そうとしたが
「ビデオで見て、倒れても立ち上がって来るのは分かってましたから」と普通に答える
クールな山中。

それでも「順番に声を掛けて試合を受けたのはカールソンだけだったんですよね」と
続け、それに対して王者が「感謝」を述べた時、何度も頷いた上重アナ、グッジョブ!

やっぱり世界王者には、対戦相手を「敗れても勇敢だった」「闘志が素晴らしかった」
と称えて欲しいものです。それでこそ一流の世界王者です。

子煩悩キャラ、良き家庭人という側面もある山中、変にリッチな生活とか見せない所も
好感持てます。

次は∨13の記録タイ試合だが、ご本人はマイペースを強調しているように見受けられる。
それで良いです。

帝拳のセニョール本田氏は「∨13なら相応の相手じゃないと」とコメントされている。
※浜田剛史さんの連続KO記録のときもそうだったな。

被弾や右リードの課題は残ったが、次戦もゴッドレフトの炸裂に期待したいと思います。