パラオの「オレオレ」にあっさりとだまされてしまったのは確か去年の11月頃だったと思います。あの後、被害も少額だったし、犯人が悪人っぽくなかったこともあり、赤ちゃんのミルク代になったなら、ま、いっかーっという気持ちにもなり、この一件については警察にも大使館にも届けないまま、すっかり記憶の外に放り出されていました。
それが、先週のことです。家の前に見慣れない車が停まったのです。チラッと見てうちの客じゃないな、と思ったので気にもしませんでした。向こうもすぐにうちには来ないで、隣の家の呼び鈴を鳴らしたり、その向こうの奥さんと話をしたりしていたのです。家の場所がわからなかったんですね。そのうちついにうちを探し当て、玄関先で「ハロー!」と声を掛けてきました。なに? 水道のメーターでも調べたいのかな?と思いながら「なにか?」と応えると、30代ぐらいのパラオ人の男は、「ここは●●(うちの夫の名前)の家か?」と聞きました。「はい、そうですけど。」と言うと、「自分は▲▲(夫の部下のパラオ人の名前)のブラザーだ。ちょっと助けてもらいたい(金を貸して欲しい)んだけど。」と言いました。またか!さすがの私も今回はすぐにピンと来ました。またしても前回と同じ男の名前が使われています。
今考えればもっとマシなことがいくらでも出来たと思うのだけれど、その時は突然の出来事だったので、真正直に、「あのね、私は前にもこんなことがあって、大変な目にあっているの。残念だけど私はあなたを助けることができないし、もし助けて欲しければ本人が直接うちの夫に話してちょうだい。そうじゃなかったら私は何もすることはできない。」なんて言ってしまいました。今▲▲に電話して確認するから待ってて、とか、ブラザーなら当然知っていなければならないような質問をするとか、セキュリティを呼ぶとか、車のナンバーを控えるとか、写真を撮るとか、いろいろ出来たはずなのです。
でもなー、とても悪人とは思えない顔をしてるのよー。もしかしたら本当のブラザーかもしれないし、あんまりきついことを言いたくない雰囲気だったんだよねー。甘いよね、私も。
結局彼は、「わかった、本人から直接電話させるね。」と言って感じよく帰っていきました。助手席からは彼女と思しき若い女性が興味津々(計画が成功するかどうか)って感じで、こちらの様子を伺ってました。もちろん、その後▲▲からの電話なんてあるはずもなく、あとで本人に、こういうことがあった、と言ったら「また俺の名前を使ったのか!なんで車のナンバーを控えてくれなかったんだ!」と烈火のごとく怒られました。一応控えようとはしたんだけどね、間に合わなかったのよ。やっぱり名前を語られる本人はイヤだよねえ。
前回のイトコといい、今回のブラザーといい、うちはこういう手口を使えばだませる、というリストに入っちゃっているのかもしれません。そういう犯罪グループ(というほどのものじゃないだろうけど)があるのかもしれません。同じようなこと他でもやってるかも。やっぱり大使館に届けるか。他の被害者を出さないためにもね。