コロコロコロール通信

南洋の小さな島に暮らす家族の日記

ベビーシャワー

2017-06-25 22:21:34 | パラオ文化

パラオの伝統的なシューカンの一つ、ベビーシャワー。パラオ語では「ンガス」。第一子を出産したお母さんを労い、赤ちゃんの誕生を祝う。赤ちゃんのお父さん側がお金を出して、お母さん側がお祝いに来てくれた人々に食べ物を用意する。この「ンガス」の前に、「オムスウル」と言って、いろんな薬草を使って出産後のお母さんの体をケアする、英語でホットバスと言われる儀式もあるが、これは家族内のことで公開するものではないので私も見たことがない。お客が呼ばれてお祝いするのはこの「ンガス」だ。久しぶりのベビーシャワーは夫の職場のスタッフ。お昼前ぐらいに行くと、会場である彼女のおじさんの家の前には大きな4つのテントが張ってあり、たくさんの人が来ていた。赤いTシャツのグループは赤ちゃんのお父さんの親戚、ピンクはお母さん側の親戚。白はお母さんの高校のクラスメイト、職場のスタッフたちはグレーのシャツ。それぞれに赤ちゃんの名前がかわいいデザインでプリントされている。葬式などのシューカンと違い、ベビーシャワーに呼ばれるお客はほとんどが女性だ。男は会場セッティングなどの力仕事を終えたらあとは遠くで見守っている。主役は出産の大役を果たしたお母さん。伝統の民族衣装で華やかにお出ましだ。そしてそれを世話する親戚のおばさんたち。おばあさんは一番の来賓だ。音楽担当で今日呼ばれているのはパラオ人歌手のリサ。彼女の歌に合わせてみんな踊る。パラオ人はみなダンスが上手だけれど、ひときわ面白い芸達者がどこにでもいる。女ばかりのお祭りでみんな自由に踊って笑う。面白いけれどだんだんとシモの方へと向かうおばちゃんの踊りを来賓のおばあさん達はどう思っているのかな、大丈夫かな、しぶい顔をしてるんじゃないのかな、とチラっと目をやると、心配ご無用、おばあさん、大ウケにウケていた。こういうお祝いの時は一ドル札を片手にうまいも下手もなく、主役を囲んでみんな踊る。私も踊る、もちろん。お祝いだから。でもな~、ああゆう面白い踊りを見せられると、自分がうんとつまらない人間のように思えてしまう。彼女たちはもう席を立った瞬間からストーリーが始まっているのだ。たいして派手な動きじゃないのに一挙手一投足が面白い。誰が見ていなくても自分の踊りに陶酔してる。かっこいいも悪いも関係ない、やりたいことをやりたいように最高に楽しんでやってるのがいいな~と思う。
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