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ロシア留学中・脱力進行中

モスクワ留学滞在記、スポーツ(特にテニス)のこと。他に趣味(漫画や音楽)等いろいろ・・・

終わりなき協奏曲 Kap.Ⅳ

2007-02-04 04:16:34 | 音楽・コンサート・バレエ・オペラ
3日(土)、ロシア人の友人スヴェータ、ウリアナと
チャイコフスキー・ホールへコンサートに行く。

5時、少し早めにマヤコフスカヤ駅で落ち合い、
以前にも行ったことのあるクレープ屋へ。(参考→聖地)
そこで1時間少しお喋りをしてから、目の前にあるホールに向かった。

チケットは最も安い200ルーブルの1階バルコーン、
しかし観客が少なかったせいもあって自由な場所に座ってOKという事になった。
それですごく良い席に座れた。ラッキー。

演目は「若き天才達」
パガニーニのヴァイオリン協奏曲第1番 ソリスト=セルゲイ・ドガディン
リストのピアノ協奏曲第2番 ソリスト=アーシャ・コレパノワ
ラフマニノフのピアノ協奏曲第3番 ソリスト=ドミトリー・カプリン
アレクサンドル・スルツキー指揮、ロシア国立アカデミー交響楽団の演奏

最初のパガニーニは、少しソリストがイマイチだった気がするが、
(高音部分でかなり音がかすれていて、あまり良い気はしなかった)
パガニーニのヴァイオリン協奏曲はやっぱり超絶技巧だなぁ、ということが分かった。
2曲目のリストは、ソリストの熱演が良く、あまり聴きなれない曲ではあったが、
かなり満足。他の2人もやっぱりこっちが気に入ったらしい。
でも俺たちだけでなく観客も含めて全員、お目当てはラフマニノフなんだよな。
で、結果はとても良かった。変に情感にうったえない演奏のが心を揺さぶられる。
演出過多はどこの世界でも気をつけなければいけないものだとつくづく思う。
一昨年11月にもここで「若き天才達」のプログラムを聴いたが(参考→終わりなき協奏曲)
その時もソリストは違えどこのラフマニノフの3番は素晴らしかった。
このプログラムはかなり気に入ったので、機会があれば次にも行こう。

ちなみにこの日、スヴェータには、かねてからの約束であった、
ショスタコーヴィチの交響曲全集を貸した。
ロジェストヴェンスキー指揮とルドルフ・バルシャイ指揮の2つを持っており、
前者の方がよりお勧めだが、後者はボックスごと貸せるので、
曲名とか知らないスヴェータにはこっちの方がよい。
前者は箱から出してCDケースで持ってきているので、
貸すとなるとケースごとになるので他のCDも大量に貸さなきゃならないし。
まぁバルシャイの方はかなりオーソドックスに弾いてくれているので、
最初に聴くならこっちの方がいいかもしれない。
これで半月後には彼女もショスタコの虜だろう、フフフ。

ちなみに写真は上層階から撮ったホールのブッフェ。

音が深くなるのは・・・

2006-12-28 23:59:00 | 音楽・コンサート・バレエ・オペラ
前エントリー、Aサミの見送りでずいぶん遅れてしまったが、
今夜は今年最後のコンセルバトーリヤ。


第43回芸術祭「ロシアの冬」
ドボルザークのヴァイオリン協奏曲 ソリスト=イザベル・ファウスト
ショスタコーヴィチの交響曲第7番「レニングラード」
指揮はミハイル・プレトニョフ、ロシア・ナショナル交響楽団の演奏。

空港からマルシュルートカに乗って、メトロの駅に着いたのが6時40分。
そこからメトロで40分強、歩いて10分、入場5分。
チケットを持っていなかったため、再びダフ屋で買うことに。
運良く入り口前でおばさんが声を掛けてくれたため、
一番安い席を頂戴、と言うと300ルーブルだった。
席は3階席(2-йアンフィテアートル)の1番前。かなり気に入りの席。
定価で売ってくれたので、とてもお得に入ることが出来た。
上着を預け、結局ホールに入ったのは7時40分。
すでにヴァイオリン協奏曲の第2楽章が始まっていた。
この協奏曲は2楽章構成なので半分も聴いてないことになるが、
それほどたいした演奏ではなかった気がするのでまぁいいか。
どのみち今日の最大目標はショスタコーヴィチなのだから!!

人生初の生聴き「レニングラード」。
当初この第7番は俺の中で全ショスタコ15曲中5~6番目の位置づけだったが、
ここ2~3ヶ月で最も良く聴く最も大好きな曲となってしまっている。
第1楽章の軽い感じの出だしから、楽章が進むにつれて、
重く、深く、辛く、激しく、強くなっていくこの曲は、
ドイツ軍のレニングラード包囲下にあって書き上げられた曲。
だからこれほど戦争を連想させるようなすさまじい曲になっているのか・・・
実際、生は良かった。期待にたがわぬ素晴らしさ。
第1楽章中盤、小太鼓が静かに同じリズムを刻み始めるところでは、
CDでは聴き取れていなかった細かい表現までつぶさに伝わってきた。
そして最も好きな第4楽章冒頭2分~6分の、他の作曲家の作品では
聴いたこともない様な曲展開が繰り広げられるパートでは、
これがショスタコーヴィチなんだ!と1人で感動を噛み締めていたり。
そして最後のクライマックス部分、想像を超えるすごい速さで
弾き鳴らされるヴァイオリンやホルンは、こんな魅せ方もあるのかと感動した。
ヒロリンクルがいたら、また気に入らないと言われそうだが。。。
ただ金管が若干弱く、高音が体の芯まで響いてくる、まではいかなかったかな。
(普段CDで聴いてるのがロジェストヴェンスキーだからそう感じるだけかな?)
無茶苦茶良い、というわけではないがしっかり良い演奏で、
やっぱり初の「レニングラード」ということもあって素晴らしい1時間半だった。

これまでコンセルバトーリヤの写真は何枚も載せていたが、
観客席の写真はなかったので今回は客席の風景を。

今年のコンサート通いもこれで終了。第2期留学の9月からで数えてみると、
9月=1回、10月=1回、11月=3回、12月=3回。もう少し行けたかな?
来年も素晴らしい音楽が聴けますように。

交響組曲への招待 Kap.Ⅱ

2006-12-26 23:13:47 | 音楽・コンサート・バレエ・オペラ
26日(火)、先週に引き続きコンサートのため、
授業を6時ちょっと過ぎに早退。
今日はコンセルバトーリヤでシェヘラザード!!
指揮はあのマルク・ゴーレンシュテイン!!
M嬢もヒロリンクルもこの素晴らしいコンサートに来ないと抜かすため、
しゃーなしでAチ君を誘った。(Aチ君、嘘だぞ)
ちなみにゴーレンシュテインに感動した記事はコチラ


チケットを買っていなかったため急いでホールへ向かい、売り場へ。
「今日の一番安い席下さい、いくらですか?」「1,200ルーブルだよ」
まじかぁぁぁぁ!!!
よろめきながら後じさると、後ろにいた親子と思われる女性2人に話しかけられた。
英語で。
わかんねぇぇぇぇ!!
でも何とか聞きなおしてみると、チケットを買いたい模様。
今日のチケットは1,200ルーブルすると無茶苦茶拙い英語で伝えると、
諦めて帰っていった様だ。っていうか演目は何か?とも聞いてきた。
演目も知らずにチケット欲しがってたのか?
しかもリムスキー・コルサコフのシェヘラザードって答えても知らないっていうし!
そうこうしていると、思い通りにダフ屋のおばちゃんに話しかけられた。
「1人300ルーブルで、一番安い席を案内するよ」
よし来た。すぐに2人分600ルーブルを払ってお願いすることに。
すると裏口に連れて行かれ、
「あなた達の苗字は“アファナシエフ”よ。係員にそう言えば、招待客では入れるから」
果たして警備員は俺たちの名乗ったアファナシエフの苗字を名簿で見つけると、
本当に通してくれた!良かった良かった。
今日のコンサートが聴けなかったら一生の後悔だったよ。
結局席は、3階席(2-йアンフィテアートル)の背もたれ有りの8列目に落ち着けた。
かなりの満員だったから、早めに座れる席を確保しといて良かった。


第43回芸術祭「ロシアの冬」
ブラームスのピアノ協奏曲第1番 ソリスト=ヴァレリー・アファナシエフ
リムスキー・コルサコフの交響組曲「シェヘラザード」
指揮マルク・ゴーレンシュテイン、スヴェトラーノフ記念ロシア国立アカデミー交響楽団の演奏

演目発表の時ソリストの名前を聞いて驚いた。アファナシエフ・・・
俺たちはこのソリストの関係者らしい。
ブラームスのピアノ協奏曲は初聴きで、出だしは結構気に入ったものだが、
曲が進むにつれて結構どうでも良くなってきてしまった。
知らないせいもあるだろうが、盛り上がってはまた沈み、の繰り返しがたまらなく嫌で、
あまり好きになれなかった。特に第3~第4楽章。第1楽章は気に入ったのになぁ。
ピアニスト独奏のアンコールは、まったく訳の分からない曲だった。。。
自分たちのちゃんとした席がないので、休憩時間は素早く席に帰った。
コンセルバトーリヤ初体験のAチ君に、十分な案内が出来なかったのが残念。

本題のシェヘラザード。
まったくもってこの指揮者とこのオケは大好きだ。文句のつけようがない。
これで文句を言うようだったら、コンサートに来ない方がいい。
それぐらい良かった。ディ・モールト良かった。
コンサートマスターのヴァイオリン・ソロもフルート・ソロも、
トランペットもクラリネットもハープもティンパニも、
全てが素晴らしい調和を作り出してくれた。
数日前からようやく雪が降り続き冬らしくなったモスクワにあって、
今夜のコンセルバトーリヤ大ホールは、まさに南の海だった。
はっきし言おう、前回11月10日のシェヘラザードより良い!(11月10日の日記参照)
今まで聴いたコンサートの中で(大半はモスクワ、その更に大半はコンセルバトーリヤだが)
今回は最高ランクの“特A”認定。
・6年前のロシア初旅行の、ペテルブルク・ショスタコーヴィチ記念大ホールでの
ラフマニノフのピアノ協奏曲第3番(クラシックに本格的にはまる大きなきっかけ)。
・去年11月のチャイコフスキー・ホールでの同じくラフマニノフのピアノ協奏曲第3番(参照)。
・今年3月4日、コンセルバトーリヤでのフェドセーエフ指揮、モスクワ放送交響楽団の演奏、
ショスタコーヴィチの交響曲第8番(参照)。
・そして先月9日のゴーレンシュテイン指揮のショスタコーヴィチの交響曲第5番(参照)
上記4つに並び称される素晴らしいコンサートだった。
ちなみにあくまで個人的な好みなので、異論はどんどん下さい。


明後日28日は、今年最後のコンサート予定。場所はコンセルバトーリヤ。
曲目は。。。ショスタコーヴィチの交響曲第7番「レニングラード」!!!
これはいくら払っても聴かねばならぬ。聴かねば年を越せぬというものだ。

終わりなき交響曲

2006-12-19 23:15:00 | 音楽・コンサート・バレエ・オペラ
19日(火)、クラスの3人(俺、M嬢、ヒロリンクル)で
授業を30分ほど早めに抜けてドーム・ムーズィキへ。
今日はヒロリンクル一押しの演目なのだ。
当日券を買いに少し急いでホールに向かった。
この日は最も安い席で200ルーブル、少し高いな?
でも平日ということもあってか客があまり多くなく、全席ほぼ自由になった。
一番安い席にしといて良かった。


「ロシアの交響曲目の精髄」
チャイコフスキーの交響曲第4番
チャイコフスキーの弦楽四重奏曲より、アンダンテ・カンタービレ
チェロとオーケストラのためのロココの主題による変奏曲
           上記2曲のチェロソリスト=アレクサンドル・クニャゼフ
祝典序曲「1812年」
指揮マクシム・フェドートフ、「ロシア・フィルハーモニー」モスクワ交響楽団の演奏

今回はヒロリンクルの感想を参考として載せる。
まずは交響曲第4番。
「まったく気に入らない(怒)。弦楽隊はともかく、木管も金管も最悪!特にフルートとトランペットのソリスト!私が最も嫌いな演奏。管の中に入る息よりも外に出る息のほうが多くて、完全に音が死んでる。ドーム・ムーズィキの音響効果のせいじゃない、演奏自体が全くダメ。せっかくの第4番なのに拍子抜け(怒怒)」
挙句の果てに幕間の休憩時間も「ガックリ来たからトイレに行くのもだるい。ここで待ってるわ」怒り心頭でした。
次に真ん中2曲のチェロ。
「うん、これはまずまずね。あのチェリストはいいわ~。」管楽隊が抜けていたため、気に入らない奏者が居なくなってお気に召した模様。
最後にヒロリンクル最もお気に入りの曲「1812年」。
「第4番に比べたら大分良かった。フルート以外はそれほどひどくなかったし。でもラ・マルセイエーズの主題から後半の爆裂まで徐々に盛り上がっていく最初の部分で、本当は全体が静まり返った中にホルンの響きだけが奏でられていて欲しいのに、別の楽器の音が大きすぎ。あれではその後の大音響との対比が薄れて良くない」
以上、かなりの辛口コメントでした。
このオケはどんなオケなのか、先生に絶対聞いてみる、
とまで言っていらしたので怒りは頂点でしょう。
なお俺は、確かに管楽隊のしょぼさは感じたが、
ヒロリンクルほど辛口じゃないので、まぁこんなもんですか、って感じ。
「1812年」は普通に良かった。

どんなにヒロリンクルが怒りをぶちまけ、俺が素人音楽論をこねくり回しても、
モスクワ川は優雅に夜の光に映えていた。(写真)

交響組曲への招待

2006-11-10 23:51:11 | 音楽・コンサート・バレエ・オペラ
10日(金)、珍しく午前の授業に遅刻無く到着。さい先良し。
3時間しか寝てなかったため昼飯後に当然昼寝をし、
夜への英気を養う。

2日連続のコンサート、今夜はドーム・ムーズィキへ。
同行はクラスのS嬢、M嬢(←こういう順番で書くと怪しい)、Hさん改めひろりんくるの3人。
まさに百花繚乱、両手に花、ということに一応しておく。

演目は「ヨーロッパ流とロシア流」
ラベルの夢幻劇「シェヘラザード」序曲
ラベルの歌曲「シェヘラザード」 ソプラノとオーケストラのためのテーマ
 ソリスト;ソプラノ=ヒブラ・ゲルズマバ
リムスキー・コルサコフの交響組曲「シェヘラザード」
指揮ジェームス・コンロン、ロシアナショナルフィルハーモニーオーケストラの演奏。

前半2曲は夢うつつで聴くには良い曲。安らかに目を閉じてゆったり聴いた。
全く聴いたことなかったし、R・コルサコフ1本に狙いを絞ってるからしょうがない。
そう、勿論この日のメインはリムスキー・コルサコフのシェヘラザード。
ショスタコと出会うもっと前、たぶん大学時代に出会ってからずっと好きだから、
もう5年近くになるのだろうか?やっと辿りついた。
初めての生、このエキゾチックな音楽を生で聴ける日がやってくるとは!!
ヴァイオリンと、フルートと、チェロと、オーボエと、それらのソロに、
その他全ての楽器が反応して会場を完全にペルシャの空気に塗り替えてしまった。
特にフルート奏者が死ぬほど良かった。
第3楽章前半のフルートの副旋律は、音が転がってるみたいで、ってどんな表現だ?
とにかく良かった。音楽を言葉で表すのは虚しい努力だ。
一番好きな第4楽章、力強く、全楽器が爆音を奏で、まるで音が・・・もうやめよう。
CDを貸して予習済みのS嬢も、初聴きのM嬢も気に入ってくれた様だし、
ひろりんくるに至っては昨日のショスタコより良いと言い出す始末。何て尻軽なんだ。。。
とにかくシェヘラザードは異国情緒たっぷりで、聴いてくれとしか言いようが無い。
この曲のコンサートがあったらまた絶対に行く。
ところで会場で隣の席のおばさんからいきなり日本語で話しかけられビビった。
聞いてみるとこの人、01年~04年まで神戸外大でロシア語を教えていたガリーナ先生とな。
留学仲間のRオやAンナは知ってるはず、てかAンナは去年モスクワで会ってるんだよね。
今はツムでロシア語教師をしているようです。

帰り、フルンゼンスカヤ駅の前にあるマクドナルドで夕食をとっていると、
何と昨日のскрипкаさんが登場。コンセルバトーリヤからの帰りらしい。
150ルーブルのチケット代も高いと思えるひどい内容のコンサートだったようで、
金返せ!と大阪弁で怒っていらした。相変わらず面白い人だなぁ。
というかこの人も会場近くのマクドナルドで夕食を食べてきたのに、
わざわざまた地下鉄を降りて寄ってくれるところが律儀なのか暇なのか、
思わぬところで再会して非常に面白かった。
скрипка「土日は何か予定があるの」
ヒロキアイス「何もありません」
その後のツッコミはFカップの胸の内にしまっておいてください。

革命 Kap.Ⅳ

2006-11-09 23:32:28 | 音楽・コンサート・バレエ・オペラ
9日(木)、急遽授業が3時20分~6時20分に変更になり、
1コマ遅刻。いや、原因はそれじゃないんだが。
授業後はコンサート鑑賞の予定があるため、
先生に終わる時間を早めてもらい(遅刻したのに・・・)
6時に学校を出る。ギリギリで到着。
今日は久しぶりのチャイコフスキー・ホール、
同行はM嬢、Hさん、その友人のскрипкаさん(以前コメント欄に突然登場)。
チケットが普段に比べてえらい高く、かなり上の席(バルコニー席)で200ルーブルもした。

ベートーヴェンのピアノ、ヴァイオリン、チェロのための三重協奏曲
 ソリスト;P=ミハイル・ペトゥホフ、V=セルゲイ・ギルシェンコ、
      C=アレクサンドル・クニャーゼフ
ショスタコーヴィチの交響曲第5番
指揮マルク・ゴーレンシュテイン、スヴェトラーノフ記念ロシア国立アカデミー交響楽団の演奏

1曲目は全く知らない曲で、とりわけ良くも無く悪くも無く。。。
更に初めての席でちょっと見にくかったせいもあり、集中力を欠いた。
休憩中に席を移動。1曲目のときに見つけておいた空席へ。
といってもこの日は9割方埋まっており、ショスタコの人気ぶりが伺えた。
こないだのコンセルバトーリヤとはえらい違いだ・・・
で、肝心の5番だが、最高だ、コノヤロー!
今までモスクワで4回、この交響曲第5番を聴いてきた中で
(参考→革命革命 Kap.Ⅱ革命 Kap.Ⅲ
最も最も最も最も素晴らしいぃぃぃぃ!
オケも最高、テンポも申し分なし、ソリストはヴァイオリンもフルートもキレまくり。
先週辺りから聴きまくっていたCDでは全く物足りなくなる位のすごい生演奏だった。
Hさんは第4楽章のテンポが少し不満だと言っていた。
入りが多少速すぎ、終わりが多少遅すぎ、と感じたようだ。
ただ、俺は許容範囲だった。入りで同じく速すぎかな?と思ったが、
むしろその速さから更に1テンポ上がったところを聴いて、突き抜けた。
もう何ともいえない疾走感がホールを包んで、終曲まで一気阿世。
ゴーレンシュテインの指揮もすごく情熱的で、目でも耳でも楽しめる最高のエンターテイメント。
直(じか)はいい、コンサート通いは、だからやめられないんだ。
それ以上細かいことは書かない、というか書けない。今日の演奏に文句は無い。

コンサート終了後、道を挟んで向かいにあるケンタッキー・ロスティクスで遅い夕飯。
そこで初めてскрипкаさんと話したが、大阪弁コテコテの無茶苦茶面白い人だった。
見かけによらず、喋り方は完璧に大阪のおっさんのようだった。
あのHさんがタジタジになっているところは非常に見物だ。
と、あまり滅多な事を書くと、此処を御覧にならせられる可能性が御有りになるので、
これくらいで遠慮させて頂きとうございます。
M嬢がえらくскрипкаさん御気に召したようなので、次回も是非また御一緒させて頂きます。

聖地

2006-11-05 23:46:44 | 音楽・コンサート・バレエ・オペラ
5日(日)、今日はロシア人の友人スヴェータ他と
コンサートの予定。3時、地下鉄マヤコフスカヤ駅で
留学仲間のM嬢、K・K嬢と共にスヴェータと落ち合う。

そのままグリンカ中央音楽博物館へ。
実はここは以前に2回、02年の旅行と去年の9月30日(その日の日記を参照)に来て、
両方とも休館で入れなかったという因縁の博物館。
今日もなかなかに不安だったが、さすがに3度目の正直で入れた。
2階に昔の楽器やブリャート、ヤクート民族らの楽器を展示。
その中にいきなりダビッド・オイストラフの書斎が展示されていた。
3階はここのメイン、主にロシアの作曲家別に、ゆかりの品々が展示されており、
中でも注目はチャイコフスキーの交響曲第6番「悲愴」の手書きの譜面!
他にもショスタコの交響曲第7番やプロコフィエフのオペラ「戦争と平和」などの
手書きの楽譜が展示されているのだが、古さと全て揃っているという点で
チャイコフスキーに凱歌が上がった。いや、あれは素晴らしい!
その他、2階~3階の順路の間にある広間にショスタコの展示があり、
当時の告知広告や手書きの楽譜がいくつも揃っていて、ショスタコ好きとしては
かなり熱い内容だった。(上の写真はそこに掲げられていた神の肖像写真)

5時、博物館を出る。
歩いてコンセルバトーリヤへ向かうものの1時間以上時間が余るために、
スヴェータの勧めで、途中マヤコフスカヤ駅近くのクレープ屋に寄りお茶をした。
Крепери де пари」というフランス風ブリヌィの店で、モスクワに4件あるチェーン店。
値段も中々安く、味も良かった。気になった方は上記HPをご参照あれ。
ちなみに俺が食べたのはトップページにもあるКреп или галет "Пицца" 160ルーブル。

さて、コンセルバトーリヤ。今日の曲目は
ベートーヴェンのピアノ協奏曲第5番 ソリスト=ティグラン・アリハーノフ
ショスタコーヴィチの交響曲第10番
指揮レオニード・ニコライエフ、モスクワ・コンセルバトーリヤ交響楽団の演奏

何故かこの日はチケットが死ぬほど安く、最低30ルーブル、最高でも200ルーブル。
3階席(2-йアンフィテアートル)、50ルーブルの券を買ったのだが、
客が少ないために3階席は閉鎖で2階席に移れた。ラッキー。
それにしてもあからさまな客の少なさだった。全体の4割ほど。
これほど少ないのはいつも8割方埋まっているコンセルバトーリヤでは記憶に無い。
3連休の中日だからだろうか?

演奏は前回余り好みではなかったコンセルバトーリヤ交響楽団なので
ちょっと不安だったが(終わりなき協奏曲 Kap.Ⅲ参照)、
今回は素晴らしい演奏。最初のベートーヴェンも勿論良かったが、
この日はショスタコの10番に尽きる!
これまでは大好きな5、7、8番に比べて10番は余りCDでは聴いてこなかった方だが、
今日で一気に10番のファンになった。すごい迫力、指揮者のオーバーアクションも光った。
少ない観客でちょっとがっかりだっただろうに、熱演ありがとう。
スヴェータも今日でショスタコファンになったといっていた。
こう言ってくれるとコンサートに誘った甲斐があるってもんだ。
次会った時には交響曲全集でも貸そう。これで彼女もショスタコにはまるべ。

M嬢、K・K嬢ともに満足してくれたようで、今日の音楽尽くしの観光は無事終了。

終わりなき協奏曲 Kap.Ⅲ

2006-10-02 23:59:10 | 音楽・コンサート・バレエ・オペラ
10月2日(月)、10月に入り急に朝晩が冷えてきた。
午前の授業に行くときは少し肌寒い。
いよいよ冬が近づいてくる!待ち遠しいモスクワの冬が!

夜は今回の留学で初のコンセルバトーリヤ。
ラフマニノフが演るとあっては見逃せ、いや聴き逃せない。
留学仲間のH嬢(嬢と呼んでいいものかどうか?)、M嬢と3人で行く予定だったが、
直前になってH嬢が都合が悪くなってしまった。残念。
席は3階席(2-йアンフィテアートル)の3列目、100ルーブル。曲目は

「コンセルバトーリヤ140周年記念祝祭週間」
タニェーエフ、カンタータ「ダマスカスのヨハネ」 モスクワ・コンセルバトーリヤ学生合唱団
ラフマニノフ、ピアノ協奏曲第2番 ソリスト=アレクサンドル・ギンディン
指揮ヴラディーミル・ポーニキン、モスクワ・コンセルバトーリヤ交響楽団の演奏。

何と今週はコンセルバトーリヤ140周年の記念週間に当たる週で、今日がその初日。
壇上中央は花で飾られ、最初に15分ほどスピーチがあった。
何とプーチン大統領からも祝辞が届いていた模様。
名前が読み上げられて、おぉっ!となったが、全然聞いてなかった。不覚。
それにしても観客はイマイチ多くなかった。埋まっているのが全体の7割程度。
2曲目は超人気のラフマニノフなのにこの少なさは何故?

1曲目、全く知らない合唱付き曲。第2楽章がとても良かった。
でも作曲者も曲名も初めて耳にするくらいなので、それだけしか言えません。
2曲目、今日のメイン。全く観客が増えないので、どうせなら、と移動した。
2階席(1-йアンフィテアートル)2列目、これまで座ったこともない様な素晴らしい席。
ピアノ奏者の手がすごく良く見える。(写真はその位置から撮影、参考までに)
演奏はピアノは少しゆっくりで、噛み締める様な演奏。
ラフマニノフはソフト過ぎても魅力は褪せるが、気持ちをいれ過ぎても良くない。
この辺好みが分かれるだろうが、今日の演奏は少し冗長な部分があった。
と思いきや第3楽章で評価一変、このソリストが大好きになった。
第3楽章冒頭のカデンツァがこれまで聴いたことないほどクリアに聴こえる。
鍵盤の弾く音一つ一つが澄んでいた。
場所が良いだけに音も良く聴こえたのか?それとも奏者の手が良く見えるから、
それにつられて耳も良く聴こえている様な気になった錯覚なのか?
真相は知らないが、とにかくすごく良い音が耳に届いてきた。
第3楽章はソリスト最高。しかし!オケが少し弱い。
これまで此処で聴いたオケに比べると、音が薄いのか、弱かった。
それでラストの盛り上がりに欠けたのがちょっと残念。。。

とりあえずラフマニノフは素晴らしいので、Hさん(と呼ぶことにしよう)は惜しかった。
またの機会をお待ち申し上げております。

帰りはカメルゲルスキー横丁のレストラン(ムー・ムー形式)に寄って晩飯を食い、
赤の広場~アホートヌィ・リャトの夜景を見つつ帰宅。
空気が澄んで冷たく、朝に続いて冬が近づいてるのを感じた。

コンサートへの招待

2006-09-19 22:12:38 | 音楽・コンサート・バレエ・オペラ
再度18日(月)のこと。
博識のエレーナの授業中、いきなり今夜のコンサートに誘われた。
エレーナは知り合いにオーケストラの第一ヴァイオリン奏者がおり、
ドーム・ムーズィキで催されるコンサートによく招待されるそうで、
この日も4席分のチケットのうち1人分が余ってたそうだ。

ドーム・ムーズィキは地下鉄パヴェレツカヤから歩いて5~10分ほどの場所にあり、
ガラス張りの大きなホールが素晴らしく綺麗なとても新しいコンサートホール。
革命参照、ドーム・ムーズィキ公式HPはコチラ
6時40分、ホール入り口の前に集合。
家で昼寝してたらかなり遅刻ギリギリになって、あやうく遅れるところだった。
授業には遅れる遅刻間の俺だが、招待されて遅れるわけにはいかないので、
思いっきり走っていったらエレーナより前に着けた。良かった良かった。
この癖は治したいが死んでも治りそうにないな・・・
メンバーはエレーナ、エレーナのおばさん、その旦那さんとの計4人。
とてもいい人そうだったが、先生の親類ということで失礼があってはならないと思い、
ガラにもなく殊勝にしててあまり話せなかったのが不覚の極みだ。

コンサート内容は下記のとおり
「エフゲニー・スヴェトラーノフの思い出によせて」
プロコフィエフの交響曲第1番(「古典交響曲」)
グリエルのハープ協奏曲 ソリスト=イローナ・ノケライニェン
チャイコフスキーの組曲第3番
指揮サウリュス・サンデツキス、ロシアナショナルフィルハーモニーオーケストラの演奏。

不覚にもプロコフィエフの交響曲は1枚もCDを持っておらず(何たることだ!)、
番号をいわれてもどんな曲か分からない。でもこれは何処かで聞いたことがあった。
どこだろう?と考えて真っ先に思い当たったのは銀河英雄伝説。
調べたけどどうやら違っていた。これが外れるとあとは皆目見当が付かない。
まぁ有名な曲だからどこかしらで聞いたことがあるのは当然か。
ハープ協奏曲も、余り好きではないはずの組曲も良かった。
ただ!途中で携帯が鳴ったり、写真をフラッシュたいて撮ったり、
さらに楽章の合間に毎回拍手があったりと、
聴き手の質はコンセルバトーリヤより落ちるかな。

もちろんエレーナ一家はそんなことはしていない、さすがだ。
それよりもすごいのは、いつもとオーケストラの並びが違うと指摘していた。
そう言われて見ればそうだ。弦楽隊が左から第一、第二ヴァイオリン、
中央にビオラ、指揮者の右側にチェロ、その後ろにコントラバス。
日本では上記はごく普通の並びだと思って反論したのだが、良く考えれば、
ロシアではチェロの位置には普段は第二ヴァイオリンで、チェロが中央だったりするのだ。
さすが良く見ている。。。招待してくれた第一ヴァイオリン奏者に聞いてくれるそうなので、
次の金曜日の回答を待つことにしよう。

あと、観客以外にもこの日はオケに失態が。トライアングル奏者が、
チャイコの組曲の盛り上がる部分で熱く弾き過ぎてか楽器を落としてしまったのだ!
落とした音もしっかり響いた。これはさすがに初めて観た。

演奏曲自体は良かったし、何より無料なので文句は言えない。
エレーナとも初デートということで(年の差20歳以上、娘が俺より年上だけど)
この日は良しとする。帰りは方向が同じなので(地下鉄の隣の駅)、
ホールを出てから帰るまでずっと話すのがちょっと疲れたけど。
次のお誘いも是非お願いしておこう。

祭りの後

2006-04-25 23:50:41 | 音楽・コンサート・バレエ・オペラ
25日(火)、遂にこの日がやってきた。
コンセルバトーリヤ、19時開演。

ショスタコーヴィチ、交響曲第1番
プロコフィエフ、ピアノ協奏曲第5番 ソリスト=アレクサンドル・トラーゼ
ショスタコーヴィチ、交響曲第15番
指揮ヴァレリー・ゲルギエフ、マリインスキー劇場管弦楽団の演奏。

あのゲルギエフが手兵を率いてモスクワにやって来た!
世界最高の音楽・オペラ・バレエを生み出すペテルブルクの星キーロフ管の演奏、
これは聴きに行かないわけはない。
それと自慢だが、2年ほど前に東京にキーロフ管を率いてオペラ公演で来日した時、
ゲルギエフと一緒に写真を撮ってもらったことがあるのだッ!
その日出待ちしていた中では写真を撮らせてもらえたのは僅かに1人。
ロシア語でお願いしたのが良かったのかな?
少し禿げたおっさんと写真撮って何が嬉しいと言われるかもしれないが、
俺にとってはそれは記念の1枚なのだッ!!
クラシックに興味ない人には、シャラポワと会話したことある、って言ったほうが
羨ましがられるかな。(一言だけだけど一応会話だ)

日曜の「火の鳥」、5月6日の「ワルキューレ」は2週間前の時点で既に完売、
今日と5月8日のチケットのみが買えたというなかなかの盛況ッぷり。
(ちなみに8日はグルジアに行く予定なのでチケットは無駄になりそうです)
だが3階席(2-йアンフィテアートル)の8列目(後ろから4列目、ギリギリ背もたれ有り)で、
お値段何と200ルーブル。これだけ売れてるのならもう少し高くてもいいんでは?
ていうか前回19日(水)より少しだけいい席なのにこちらの方が安かったりする。何故?

会場は入り口から混雑、驚くことにスポンサー企業の立て看板まで出ている。
アエロフロート、イズベスチヤ、ロシアラジオなどなど。
席も超満員、立ち見も大量に居る。見たとこロシア人の比率が高い気がする。
少なくとも日本人や中国人は普段よりも見なかった。理由は知らない。

肝心の演奏だが、これは完全に俺の勉強不足!不覚!
言い訳すれば2つのショスタコ全集を現在友人に貸し出し中なので、
前もって1番・15番を聴くことができなかった。
っていうか普段1~3番、14・15番って最も聴かない曲なんだよね・・・
1番は良かった。自身最初の交響曲だけあってか彼の曲展開の素晴らしい特徴を持ちつつ、
激しい金管や打楽器、不協和音の響き、どれも忠実にショスタコ音。
でも15番は、演奏以前に曲自体が好きでない。全然ショスタコらしくない。
13種類もの打楽器を配しているというのでものすごい期待をしたが、
イマイチ迫力に欠ける、迫り来るものが感じられない曲だった。
「ウィリアム・テル」等、色んな曲の引用がされているのは面白いが・・・

この日1番気に入ったのはプロコフィエフのPコン。
もともとプログラムではバルトークのPコン1番の予定だったが、
近くになって変わったようだ。公式HPも演奏予定はバルトークのままだし。
プロコフィエフらしい現代的でコミカルな部分は勿論、
オケとピアノの超絶な速弾きとが相まって、素晴らしい調和が耳に届いてきた。
少し前に全集CD買ってたから良く知ってる曲だったっていう理由もあるけど。

終了後はブラボーの嵐。花束もたくさん。
いつもよりカーテンコールも多く、10回ほど登場してたんじゃないかな?
約2年ぶりに見た生ゲルギエフ。次はショスタコ4~12番が聴きたいなぁ。

写真は今日の舞台、遠くからなのでゲルギエフが誰か分かりづらい。。。
パスハ祭ということで舞台の飾りつけも普段より気合が入っておりました。
(普段の舞台参考→魔術師、還らず

革命 Kap.Ⅲ

2006-04-19 23:45:54 | 音楽・コンサート・バレエ・オペラ
19日(水)、連夜のコンセルバトーリヤ通い。
今日のお供はI氏とA嬢2号。
2人には俺のショスタコ交響曲全集を現在貸し出し中で、
今日はその中の白眉、5番を聴かせるために誘ったのだ!
フフフ、これで奴らもショスタコにハマったべ。


ブラームス、ヴィオラとピアノのためのソナタ ソリスト=ユーリ・バシュメット
ショスタコーヴィチ、交響曲第5番
ブラームス、ピアノ4重奏曲第1番
指揮エフゲニー・ブシコフ(1曲目のみ)&ユーリ・バシュメット。
「新ロシア」国立交響楽団の演奏。

7時を過ぎても会場の扉が開かず、一向に席に着けない。
入れたら入れたで、今度はオケ団員がなかなか現れない。
そんなこんなで始まったコンサート。
しかも席は3階席(2-йアンフィテアートル)の最後尾から3列目、
1曲目は非常に静かで優雅な曲。眠りに落ちる用意は整っていた。。。
普段、家では寝るときにはショスタコばっかりかけているため、
たまにはこんな美しい旋律でウトウトするのも良いと感じた。

2曲目、当然ブラームスが続くのかと思いきや、物凄い数の管楽隊。アレ?
何と休憩無しでショスタコの交響曲第5番に突入。これはビックリだった。
しかしもっとビックリしたのは演奏。これまで聴いてきたコンサートは、
良くも悪くもオーソドックスが多かったが、今日の演奏は全然普通じゃない。
まず、出だしのスローパートが恐ろしく遅い。モデラートなんてもんじゃない。
しかし8分過ぎからの非常に大好きな行進曲風のパートは、
とても音量豊かに演奏してくれてすごく気に入った。とくに弦楽隊が良かった。
しかし第2楽章、出だし部分でチェロがちょっと音があってなかった。
自分の耳に自信がないので、もしかしたらあれで良いと言われるかもしれないが。
第2~第3楽章は普通の演奏。テンポもそれほどスローじゃなかった。
一転、注目の第4楽章。凄い速さでスタートし、怒涛のようにリズムが迫ってくる。
これまで聴いた中ではアシュケナージと並んで最速の部類に入る第4楽章。
ところが、スローになる部分で急激にテンポが変わり、今度は恐ろしく遅い演奏。
あのままのスピードで行かれたらさすがにちょっと。。。という感じだったが、
かといってこの変調具合もどうだ!少しだけ不満が残った。
全体では、特に弦楽隊が素晴らしく良い演奏だったが、
このスタイルが好みかと聞かれるとそうでもないかな・・・?

3曲目は再びブラームス。ところがショスタコの交響曲後にかなりの人が帰ってしまい
(本当に終わりかと思ったのか最後の曲に興味がないのかは知らないが、
俺たちも危うく帰るところだった。気付いてよかった)
かなり空席が。シメタとばかりに1階席に移った。
これまで全く聴いた事のなかった曲だったが、特にラストの第4楽章は意外と激しく、
ヴァイオリンとチェロの素晴らしい掛け合いもあって良い曲だった。
これまでブラームスは交響曲とレクイエム以外ほとんど聴いたことないが、
日本に帰ったらCD探してみようかどうしようか。ショスタコのPコンが先かな、やっぱり。

コンサートとは関係ないが、20日はヒトラーの誕生日らしい。
留学生仲間でも1部話題になってはいたが、前日の今夜はコンセルバトーリヤ往復に
最寄の「レーニン図書館」駅で乗り降りし、途中「フルンゼンスカヤ」駅で
マクドナルドを食べて12時ちょっと前に帰り着いても問題はなかった。
さすがに明日は中心部は行かない方がいいとは思うが、
普段と同じく変な行動を取らなければ大丈夫だろう。
とかいって明日以降このブログが更新されることがなかったら・・・!シャレにならん。

ちなみに写真はコンセルバトーリヤ大ホールの外観。

終わりなき協奏曲 Kap.Ⅱ

2006-04-18 23:06:29 | 音楽・コンサート・バレエ・オペラ
今日は先週に続きテニスの予定だったが、
雨で壁打ち用の壁の前に水溜りがたくさん出来ていたのと、
夜にコンサートに行く予定が入っていたのとで急遽やめた。
また来週。

さて、夜は今月2度目のコンセルバトーリヤへ。
席は2階席(1-йアンフィテアートル)で300ルーブル、演目は

モーツァルト、ピアノ協奏曲第9番 ソリスト=ニコライ・ルガンスキー
ショスタコーヴィチ、ピアノ協奏曲第1番 ソリスト同上
ラフマニノフ、ピアノ協奏曲第2番 ソリスト同上
指揮アレクサンドル・ベデルニコフ(最初の2曲)&マルク・ゴーレンシュテイン、
ロシア国立アカデミー交響楽団の演奏。

まずはモーツァルト。いかにも彼らしい軽い感じの出だしから、
終始明るい音楽で心が和む。和む・・・が!
ショスタコの重たい音に染まってしまった今となっては、少し物足りないかな。
モーツァルトの交響曲といい協奏曲といいソナタといい、
これらの曲を聴いてると、レクイエムの作曲家と同一人物なのか疑わしくなってくる。
やっぱり、底知れない天才だったんだろう、が軽い音楽は少し物足りない。。。
寝不足で行った為もあり、第3楽章はしっかり夢に落ちてしまった。

2曲目にショスタコ。3月4日(魔術師、還らず参照)にも一度聴いて気に入った、
ショスタコ風味バリバリの素晴らしい協奏曲。特に第1楽章の展開といったらこれ以上ない!
トランペットのソリスト、アレクサンドル・レベデェフがこれまた素晴らしい演奏だった。
どうでもいいが、意外と管楽隊の編成が少ない(というかトランペット1人)のが驚いた。
打楽器も全く居なかったかも?ショスタコだからかなり金管や打楽器が凄いと思いきや、
そうでないのにアレほどの音を響かせるのがまた凄い。結局凄い。ショスタコ万歳。

トリを飾るのは当然ラフマニノフ。此処で2番を聴くのは2回目。3番は3回聴いたかな?
この曲に限っては、指揮者が交替して、前回の3番の時でも降っていた
マルク・ゴーレンシュテインに(4月4日付コンサートへの誘い参照)。
会場も、最後の曲なのに逆に観客が増えている!?
明らかに立ち見の人間が目立ち始め、4月4日の前回ほどとは言えなくとも、
相当の人気ぶりだった。この人たちは1~2曲目は居なかったのだろうか?
さて、肝心の曲の方は出だしからかなり力強い演奏、オケもピアノも。
特に第1楽章6分過ぎの最も盛り上がる部分では、ピアノ単体で
オケの音を凌駕しているのかと思うほどに強く弾いていた。
負けじとオケも、打楽器の音が強く鳴る。こんな所でその音があったのを初めて知った。
第3楽章の盛り上がり部分も言うことなし。最高。
モスクワでのラフマニノフ、計5回の内でもかなりいい部類の演奏だった。
まぁどんな奏法が好きかは前回のラフマニノフの回で書いたので、ここでは書かない。
この素晴らしい演奏中、一つ残念なことが。
第3楽章の盛り上がりに直結する第2楽章終盤の非常に静かな場面、
ピアノ単体でゆったりと高音を聴かせる場面であろうことか携帯が!!
コンセルバトーリヤにはかなりの回数来ているが、携帯が鳴ったのは初めて。
前に行ったドーム・ムーズィキのコンサートでは何人か鳴らしていたが。
ついでにアンコール曲が始まったときも、2人ほど携帯鳴らしていた。何て骨体。

あと関係ないけど、今日は中国系、日本人系の人が結構いた。
あちこちで日本語が聞こえてきた。
今日の写真はコンセルバトーリヤ大ホールの内装の模様を。
反対側にも同じく、計14人の有名作曲家の肖像が並んでおります。

革命 Kap.Ⅱ

2006-04-13 23:38:45 | 音楽・コンサート・バレエ・オペラ
13日(木)授業をさぼってしまった・・・
先週は木・金、今週は月・木と、2回ずつ。
最悪だ。何故こんなに起きれないのだろうか?
春眠暁を覚えずを自ら実践する必要などどこにある!?

気をとりなおして夜はコンサート。
今日はチャイコフスキーホールで念願のショスタコ!
6時過ぎ、いつものメンバーI氏、H君、K嬢と出発。時間ぎりぎりに到着。
席は結構遠くのほうだったが、割と空席があったので前に移動しても良かったかな?
と今更ながらに後悔しても遅いか。

ショスタコーヴィチの交響曲第9番
チャイコフスキーのヴァイオリン協奏曲、ソリスト=ユリア・フィッシャー
ショスタコーヴィチの交響曲第5番
指揮はヤコブ・グレイツベルグ。ロシア国際交響楽団の演奏。

初めて聴く9番、良かった。さすがショスタコ!
コミカルに始まる第1楽章は、体操女子ウクライナ代表のリュボフ・シェレメタが、
'97年の世界選手権の床演技の際に使用していた音楽で初めて聴いた。
ずっと曲名が分からなかったが、数年前にショスタコにハマってようやく謎が解けた時は
結構嬉しかったものだ。この話はコンサートの内容とは全く関係ないが。
5楽章はいずれも短く(最長でも7分弱)、小品なのかと思いきや、
速いテンポの聴かせどころは勿論、第4楽章冒頭の低い低い金管や
打楽器の音の量の多さなどを見てもショスタコ風味満載。
かなり好きな交響曲の一つ。いや、良かった。

次のチャイコフスキーのヴァイオリン協奏曲は若い綺麗なソリストがかなりの熱演。
今日はショスタコ聴きに行って、チャイコはおまけって感じだったのにも関わらず、
個人的には3曲の中でこの演奏が一番良かった。最高に熱いソロだった。
だが、やってしまいました・・・第1楽章のラストがあまりにも激しく、
観客からも拍手が沸き、自分もつられて拍手喝采をしてしまった。
困った顔をするソリスト。。。
そりゃそうだ。まだ曲は半分も終わってないのに。
チャイコフスキーの交響曲第6番“悲愴”で第3楽章終わりに拍手する奴に
「なんでやねん!」と憤っていた自分が恥ずかしい。
でもしばらく聴いてない曲だとこういうこともあるよね?ね!?
最近チャイコもきてなかったしな~。(と言い訳しておこう)
とにかくソリストはかなり良かったです。

本日のメインディッシュは第5番。
生で聴くこの曲は大迫力で、第1楽章7分過ぎから始まる行進曲風の場面は最高。
打楽器4種、木琴、金管、木管が悲鳴を上げる第4楽章は体全体が持っていかれる。
緊張の糸が切れることなく50分弱を聴かせ続けるショスタコはやっぱり凄いなぁ。

ちょっと気になったのは、ラストで弦楽器の弓の上下がバラバラになってたこと。
あれってわざとやってる訳じゃないよね?
普通は併せるものだと思うのだが、何か意図が合ったのだろうか?ただのミスかな?
あと、第9番でも第5番でも、冒頭辺りに少しだけズレがあったのが気になった。
ちょっと細かいか。全体的には音量良くいい演奏でした。

第5番は来週水曜日にも聴きに行くので楽しみにしている。
ていうか今月は計5回もコンサートに行く。行き過ぎか?

コンサートへの誘い

2006-04-04 23:45:28 | 音楽・コンサート・バレエ・オペラ
4日(火)夜、Y嬢とコンセルバトーリヤへ。
3月末に「残り3ヶ月充実した生活を送る」宣言をした同期イチの変わり者Y嬢に、
4日のコンサートに行くか?と誘ったら、「行く」と即答だったので、
前日の3日(月)にチケットを買いに行った。
一番好きな2階席(1-йアンフィテアートル)は売り切れだったため、
3階席(2-йアンフィテアートル)を買った。1枚300ルーブル。2枚で600ルーブル。
お金を払う段になって400ルーブルよ、と言われたので「?」と思いつつ
1,000ルーブル札を出すと、お釣りに600ルーブル返ってきた。
チケットにはしっかり1枚300ルーブルと書いてある。何故?得した。


さて当日。演目は
ラフマニノフのピアノ協奏曲第3番、ソリスト=アレクサンドル・メリニコフ
ラフマニノフの交響曲第3番
指揮マルク・ゴーレンシュテイン、ロシア国立アカデミー交響楽団の演奏。

最初、初めての席だったので自分の席が分からなくて、
演奏開始直前に席を移動する不覚!自分の席が獲られてなくて良かった。
演奏が始まっても後から後から人が入ってきて、最初の数分間少しざわついてた。
見ると、立ち見の客が3~40人ほども居る!
さすがにこんなにたくさんの人が入っているのは初めて、まさに超満員。
どうりでいつも買う席種が前日に売り切れていたわけだ。
むしろまだ券が残っていたことを幸運に思うべきか。
演奏は申し分なし。自分の好むところの、基本に忠実且つ情熱的な・・・
一体何が言いたいのか分からないが、気に入る演奏だった。
普通ラフマニノフのピアノ協奏曲は、あまり淡白に惹かれると魅力が失せると思う。
あの、古今の音楽の中でも最も扇情的で最もエロい音楽は、若いソリストが
感情豊かに弾いてこそその魅力が最大限に発揮されるというものだ。
ただ、だからといって自分の解釈を入れられすぎると、ちょっと萎えてしまう。
情熱的且つ曲本来の滑らかさも失わない抑揚の付け方・・・と言えばいいのかどうか。
音楽を言葉で説明するのは虚しい努力だ・・・。
とりあえずこの日の演奏は気に入ったということだ。
交響曲は初聴き。
オケの力感たっぷりの演奏は素晴らしかった。稀に観る熱演。
指揮者も(この指揮者を知らなかったが、ロシア人民芸術家の称号を持っている)
オーバーアクトでオケをグイグイ引っ張っていた。
ちなみに曲自体は気に入ったかどうかというと、まぁまぁかな、というのが正直な感想。
やはりショスタコでなければ満足できない身体になっている・・・!!?
聴衆は立ち見客はピアノ協奏曲で帰り、残っているのはちゃんと席のあるお客のみ。
(↑それでも珍しいくらい満員の会場)
だが終わった後の拍手は物凄く、アンコールを1曲やった後も拍手は収まりそうにない。
オケ団員の方が拍手が終わるより先に立ち上がって舞台から去ったほどだった。

今回は前回のコンサートから1ヶ月も感覚が空いてしまった。
Y嬢ではないが残り3ヶ月弱、充実した生活を送るためもっと通おう。

魔術師、還らず

2006-03-04 23:54:27 | 音楽・コンサート・バレエ・オペラ
今日はタコ8!
ということで5日(土)は例のコンセルバトーリヤに、
同期のA嬢とショスタコーヴィチの8番を聴きに行ってまいりました。
といってもA嬢は約40分遅れての来場だったが。夜7時開演。

「ショスタコーヴィチ生誕100周年記念」
ショスタコーヴィチのピアノ協奏曲第1番 ソリスト=デニス・マツエフ
ショスタコーヴィチの交響曲第8番
指揮ヴラディーミル・フェドセーエフ(←!!) モスクワ放送交響楽団の演奏。

そう、指揮はなんとフェドセーエフです!俺が名前を知っているくらいだから、
詳しいクラシックファンには有名も有名、巨匠でしょう、きっと。
(調べてみたらソ連邦人民芸術家の称号を貰ってました。すげぇ)
以前11月22日に同じコンセルバトーリヤで、ロジェストヴェンスキーの
ショスタコーヴィチ第4番が指揮者急病で中止になったので、(病に斃れ参照)
今回はこれまでで最も有名な指揮者の演奏となる。ちょっと緊張。
と思ったが良く考えたら日本でゲルギエフ指揮のボリス・ゴドゥノフを、
リハーサル演奏だけども聴いたことがあったんだった。
そして出待ちして一緒に写真を撮ってもらった事があったのだった。ちょっと自慢。
フェドセーエフ率いる楽団も1930年設立、モスクワ最古の超有名楽団。
直訳では「ロシア国立アカデミー大交響楽団」となるんだが英語や日本語では、
「モスクワ放送交響楽団」だそうだ。(→公式HP、略して「БСО」だそうだ)
何が言いたいかというと、今日の演奏はものすごいということだ。

1曲目はピアノ協奏曲第1番。実はこれもCD持っていないのですよ。。。
でも良かった。初めて聴くがとても良かった。
さすがショスタコ!と言うようなすごい旋律。高音がバリバリ響いていた。
悪いが先日買ったプロコフィエフのピアノ協奏曲全集よりも、
ショスタコの協奏曲買えば良かったって思ったくらいだ。いや良かった。

だが!次の交響曲第8番(クラシッカーはタコ8と呼ぶらしい)で、
そのピアノ協奏曲の感動は掻き消された!
まず休憩時間に管楽隊がちょろっと練習で弾いていたのが大好きな第3楽章の旋律。
気持ちが高まってきたところで巨匠が入場して演奏開始!
何度も何度もCDで聴いた音が生で聴けるなんて・・・
第1楽章から音の洪水にやられっぱなし(マジで音量でかかった)、
そして第2~第3楽章は素晴らしいアップテンポに鼻血が出そう。
フェドセーエフの2本の手に操られて音が踊る!
大量の音、襲い掛かるように連打される打楽器、弾ける木管、悲鳴を上げる金管、
弦楽隊が繰り返すトレモロは心臓が口から飛び出そうな不安感。
すさまじい13分間だった。死にそう。
第4~第5楽章はもはや体力を使い果たしてグッタリ。ゆったり聴くことにした。
と思ったら第5楽章の中盤でまた大音量で金管が響き渡るし。
息もつかせてくれない60分間だった。すごかった。

今日の席は初のパルテール(平土間)だったため、普段よりとても指揮者と近く、
間近で巨匠の指揮を見れたのが素晴らしい。(上の写真は自分の席から)
ただ難点もあって、弦楽隊以外はほとんど顔が見れないことだ。
管楽器で「この音は何かな」と思っても良く分からないのが痛い・・・
(クラシック素人なので音を聴いただけでは楽器が正確には分からんのですよ)
あと今回のオーケストラの配置は弦楽隊でチェロが中央に居たのだが、
これはこの楽団の特徴?それともこの曲の特徴?それともこれも普通の配置なのかな?
ご存知の方いらしたら教えてください。

※この音楽を知ったのが、というかショスタコーヴィチの素晴らしさを知ったのが、
OVA「銀河英雄伝説」。中でもこの曲は使われ方が最も印象的で、
このエントリーの題名にも拝借した第82話「魔術師、還らず」で大量に使用されている。
話の内容と曲のイメージが相まって、忘れられないシーン満載。