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ロシア留学中・脱力進行中

モスクワ留学滞在記、スポーツ(特にテニス)のこと。他に趣味(漫画や音楽)等いろいろ・・・

ロシアの英雄 Kap.Ⅱ

2007-05-31 23:53:51 | 体操・フィギュアスケートその他スポーツ
5月31日(木)、ルージニキの小スポーツアリーナで
ネモフの体操ショー『Полёты Времени』を観てきた。
昨年5月17日に第1回のショーが行われ、今回は2度目。
前回はショー自体はイマイチだったものの、終了後の出待ちで
ネモフ、ヨブチェフ、ボンダレンコ、ホルキナ、ザモロドチコワ、パブロワ、
カバエワ、チャシナなど錚々たるメンバーと一緒に写真が撮れて最高だった。

前回は高めのチケットを買っても席はかなり遠かったので、
今回買った席は最も安い300ルーブル。それでも前回とそれほど変わらなかった気がする。
同行者は新4月生のNオコ嬢、Mリエ嬢、Sズエ嬢の3人。
彼女達は全く体操を知らないので、気に入ってくれるか心配だったが、
今回は2回目ともあり演出も洗練され、飽きることなく見ることが出来た。
特に休憩後の後半はトランポリンを2つ並べてその間を飛び交う、
漫画のようなアクロバティックな演技に魅了された。(写真参照)
体操よりこっちの方がすごかったり・・・
ネモフは前半の最後に鉄棒を一度演技しただけだったが、コバチは健在で、
さらにイワンコフ、ヨブチェフが凄く頑張ってくれて、見応えがあった。
ホルキナもサーカスの様な空中に吊るされた輪を使っての演技を披露してくれた。
後から知ったことだが、ツヴェトノイ・ブリバールのサーカスに、
ホルキナが出演していたらしい!なんてこった、見逃した!!大ショック。

終了後は彼女ら3人を半ば強引に誘っての出待ち。やはりこれは外せない。
前回は来て無かったイワンコフや観客で来ていたクリュコフと撮れたのは嬉しい。
他にパブロワや、ネモフの息子、そして勿論ネモフとも!
ネモフは写真の後、彼から手を出して握手をしてくれた。うぉぉ、感激だー!

ちなみに去年の出待ちでも一緒だったグルジア人親子とまた会った。
かーなとゆり、憶えてるかな?写真を送ってくれなかったって恨み事言われたので、
わしが代わりに渡すことになりました。
丸1年越しに同じ場所で再開。会うかもなと思っていたが本当に会えるとは。
娘のニーナは可愛くなっていた。来年は来れないから会えないのが残念だ。

帝国の残照 Kap.Ⅱ

2007-01-07 12:00:38 | 体操・フィギュアスケートその他スポーツ
6日(土)、フィギュアスケートのロシア選手権に行った。
ムィティシというモスクワ北西の郊外にある
「氷の宮殿」アリーナで開催されていて、
行ったのは3日目の男子シングル、ペア、アイスダンスの決勝の日。
女子は前日2日目に終了していて観れなかった。
この町に住んでいるスヴェータ、ナターシャ、そしてヒロリンクルの4人での観戦。
チケットは500ルーブル。審判席の真後ろ15列目で、恐ろしく見やすかった。

行くときに余裕を持って出たつもりが、チケットを忘れたことに気がつき、
地下鉄の駅から走って引き返すという愚考。15分ほどロス。
さらに北の端にある地下鉄メドヴェートコボ駅で余裕こいてたら、
意外と会場までのバスが遠回りして、時間がかかって10分遅刻。
スヴェータ、すまん。。。

最初はアイスダンス。第1グループは嘆かわしい内容で、
ナフカ&コストマロフ引退後の暗黒時代を感じさせたが、
最終滑走、期待のドムニナ&シャバリンは期待以上だった・・・
・・・ドムニナの美貌が。
あれはやばいよ!ナフカやタニス・ベルビンに負けない美しさ!!
まだ22歳だし、次の五輪はかなり期待できるかも!
ベルビン&アゴストとの美貌対決は、色んな意味で見逃せない!!

ペアは、出場予定に書いてあるうちの、期待していた2組が棄権。
いつの間にか競技が終わっていたって感じで、まったく拍子抜けだった。
第3グループがあると思っていた矢先、2グループで終了だったので、
「終わりかよ!」って4人で突っ込んでいた。

男子、ヒロリンクルがすごい知識を披露。
俺は勿論、ロシア人のスヴェータでも着いていけない程のロシア・フィギュア通ぶり。
まずヒロリンクルのお勧めはアルトゥール・ガチンスキー。
若干13歳ながら、入りのトリプルアクセルをきっちり決め、その後も
かなりの高い難度のジャンプを決めていく。第一滑走ながら天晴れな内容。
ステップもプルシェンコを彷彿とさせ、ミーシン・コーチの元で修行を積めば、
自分のスタイルを確立させる頃には世界の表舞台に躍り出ることだろう。
次のお勧め、ウスペンスキー兄弟は、ヴラディーミルしか出ていなかったが、
それほど強烈な印象と言うわけでもなかった。
その後で、ジャンプの難度はそれほどでもないながら、強烈な印象を残した選手がいた。
ただ、名前を忘れてしまった!アルチョーム・ボロドゥリンだったかな?
ステップといいスピンといい表現力といいかなりの魅せ方。
彼も若そうだったので将来に期待。
そして最終・第3グループのトップ滑走では、
ヒロリンクルの王子様、アンドレイ・グリャゼフが。
4回転こそ跳ばなかったものの、トリプルアクセル、ルッツ他すべてほぼ完璧。
これ以上ないという出来で、演技の途中で2回ほどガッツポーズも飛び出て、
SP7点差を跳ね返してそのまま優勝。
グランプリ・シリーズのロシア杯とはうって変わった素晴らしいパフォーマンスだった。
ヒロリンクルも王子様の久しぶりの素晴らしい演技に酔いしれ、満足そうであった。
2位はアンドレイ・ルタイ。SPで77点台、2位以下に7点以上もつける大差で、
恐らく彼1人が4回転を成功させていたのだろうと思われる。
FSでも唯一の4回転成功者であったものの、その後の3回転(詳しくは忘れた)で
難度か失敗し、結局グリャゼフには届かず2位。しかし良い滑りだった。

ただ!
これではジュベールやランビエールには届かないであろうことを明記しておく。
奴らはやっぱり頭一つ抜けている。

11月25日のグランプリ・シリーズ、ロシア杯と比べればレベル的にも低く、
更にプルシェンコ他、ロシアのチャンピオン達に会えなかったのは残念。
ただ、腐ってもフィギュア大国ロシア、を見せつけられた。
特に男子は、この年齢でこんなに滑れるんだ!とすごさを実感した。
2時前に寮を出て、結局帰り着いたのは夜1時半だったが、楽しい時間が過ごせた。
そういえば最後、競技終了が11時過ぎでメトロ駅へのバスがなくなったのだが、
近くに座っていたスヴェータのお隣さん(以外にも会場にはスヴェータの知り合いが沢山)
の彼氏に寮まで送ってもらえた。なんと彼は俺たちの寮からすごい近くに住んでいるらしい。
ラッキー。

帝国の残照

2006-11-25 23:31:17 | 体操・フィギュアスケートその他スポーツ
26日(土)、ルージニキ小スポーツアリーナで行われた
フィギュアスケートのグランプリ・シリーズの一つ
「ロシア・カップ」を観戦してきた。
チケット料金、開催種目については前回参照お願いします。

参加選手はペテルブルクで行われた昨年大会よりちょっと寂しめ、
五輪後のロシア全メダリストの引退または競技休止が原因か。。。
去年わざわざ急遽ペテルブルクまで行った元同じクラスのA嬢がつくづく羨ましい。
ちなみに主な参加戦湯。()内の右側はトリノ五輪順位

男子=ブライアン・ジュベール(FRA・6位)04、06世界選手権2位
     ジョニー・ウェアー(USA・5位)
     エマニュエル・サンデュ(CAN・13位)06世界選手権5位
     イリヤ・クリムキン(RUS・11位)04欧州選手権3位
女子=恩田美恵
     ユリア・セバスチャン(HUN・18位)04欧州選手権1位
     エレーナ・ソコロワ(RUS・14位)03世界選手権2位、死ぬほど可愛い(写真)
     サラ・メイヤー(SUI・8位)06世界選手権6位
ペア=サフチェンコ&ショルコウィ(GER・6位)06欧州選手権2位
     ペトロワ&ティホノフ(RUS・5位)00世界選手権1位、05・2位、06・3位
ダンス=ベルビン&アゴスト(USA・2位)05世界選手権2位、06・3位、死ぬほどべっぴん
      デラベル&ショーエンフェルダー(FRA・4位)

ほとんどブライアン・ジュベールとベルビン&アゴストの為だけに行った。
そして共に凄かったが、特にジュベールの凄さは群を抜いていた。
俺はかねてから、プルシェンコ引退後の金メダル候補№1はジュベールだと言ってきたが、
改めてその凄さを実感した次第。プログラムもメタリカ・メドレー、
メタル好きなのでそっちでも魅了された。素晴らしかった。
ただスヴェータは、ジュベールの滑りはヤグディンのコピーと言って気に入らない様子。
俺はそうは思わないんだが、多少は似てるかも!?

ロシアに来てエキシビジョンに2回行ったが、競技会は初の観戦。
フィギュア好きの先生リリアが、「私は競技会の方が好きだわ」と言ってたが、
実際に両方観てみて、やっぱりその通りだと納得。
前回2回観たエキシビジョンと比べたら選手のネーム・ヴァリューはガクッと落ちるが、
しのぎを削って勝利を求める滑りをしてるところが、何か楽しめた。

で、こういった大会にはお約束、色々な選手と写真が撮れた。
トットミアーナ、ベルビン&アゴスト、極めつけはプルシェンコ!!
何とプルシェンコと写真が撮れたのだ!競技よりもこっちの方が興奮したよ!
うぉぉぉぉ!

ロシアの英雄

2006-05-04 23:32:03 | 体操・フィギュアスケートその他スポーツ
4日(木)、3時に授業が終わった後、大学から一駅隣にある
ルージニキ大スポーツアリーナに行ってきた。

ここで5月17日(水)に、体操のショーが開かれるのだ!
詳細(ロシア語)→「Шоу Алексея Немова "Легенда о спорте"
アレクセイ・ネモフを冠に、ザモロドチコワ、ボンダレンコ、カバエバ、チャシナなど、
ロシアの体操、新体操の錚々たるメンバーが勢ぞろい!(ホルキナが居ないのは残念だが)
さらに道端に貼ってあったポスターによると、ケキやヨブチェフまで来る!
これに行かなきゃ体操ファンの名が泣くってことで、今日チケットを買いに行った次第。

上記サイトによると、最も高い席は2,000ルーブル(約8,000円)。
さすがにこの値段はしんどいので、「Сектор8」の600ルーブルの席に妥協した。
月末には2度目のフィギュアスケート・ショーにも行く予定。
こちらの出演はヤグディン、ベレズナヤ&シハルリトゼ、ナフカ&コストマロフら。
1ヶ月にこんなにもたくさんの金メダリストに会えるとは、なんて素晴らしい5月。。。

注;アレクセイ・ネモフ=ヴィタリー・シェルボと並び、'90年代の体操界を代表するロシアのスーパースター。アトランタ、シドニーでの五輪獲得メダルは計12個を数え、世界選手権、W杯、欧州選手権なども含めるとその数は限りなし。吊り輪以外の全てで五輪種目別メダルを獲得するなど、近年珍しいオールラウンダー。床の伸身ムーンサルトと開脚旋回~ゴゴラーゼは並ぶ者の居ない美しさ。五輪メダル内わけ;アトランタ=金2つ、銀1つ、銅3つ(金:団体・跳馬、銀:個人総合、銅:床・あん馬・鉄棒)シドニー=金2つ、銀1つ、銅3つ(金:個人総合・鉄棒、銀:床、銅:団体・あん馬・平行棒)。現在リーボックの広告塔として、モスクワ市内のあちこちで彼の顔を見かけることが出来る。合言葉は「Я это Я」(自分は自分)。

5日午前2時追記;思い出した。確かアンナ・パブロワも出る予定だと思われる。
結構ファンなので、正直嬉しい。

ロシアの英雄

2006-03-07 23:57:09 | 体操・フィギュアスケートその他スポーツ
7日(火)夜7時、ルージニキ大スポーツアリーナ。
2月14日のエントリー「眠りが深くなるのは」にも書いた、
フィギュアスケートのエキシビジョン、
~チャンピオン達のアイスショー『ロシアは待っている』~
(正式名称=Ледовое Шоу Чемпионов 『Россия ждет』)
に行って参りました。

同行者は全て留学同期生のI氏、H君、K嬢、A嬢、Y嬢。
フィギュアファン暦は結構長いが、実は今まで一度も生で見たことなかったので、
今回のチャンスはとても嬉しかった。重ねて言うがこのチケットをいち早く見つけた
Y嬢(スタンド名キャットちゃん)、本当に有難う。

開場は7時だったが実際に入場できたのは7時20分過ぎ。始まったのは7時半頃。
会場はこれがロシアか!?と思うくらい近代的で、大スクリーンが計8個。
観客もほぼ完全に埋まっていて、最後尾列まで空席が見当たらなかった。
出場メンバーは前回のエントリーにも書いた通り超豪華。
残念ながらスルツカヤが負けたため、4つの金メダルが揃うことはなかったが、
それでもこれだけのメンバーを揃えられるのはロシアだけだろう。
念のため、確認できただけのメンバーをもう一度↓
「プルシェンコ、スルツカヤ、ナフカ&コストマロフ、トットミアーナ&マリニン、
ペトロワ&ティホノフ、デンコワ&スタヴィスキー、ツァイト&サフノフスキー、
ドロビアツコ&バナガス、ドムニナ&シャバリン、レオノバ&フバリコ
ソコロワ、ジェデバニシビリ、クリムキン、アブト、ロバチェバ&アベルブフ(司会兼)」

ということで、凄かった。中でもプルシェンコは別格だった。
2度滑った内の最初の演目(プル様に詳しいA嬢によると「トスカ」)では、
メインのジャンプが3回転-3回転-2回転だったが、
大歓声に応えたアンコールで何と4回転-3回転-2回転-2回転!!!
余りにも凄すぎて、最後の2回転を見逃してました。すみません。
帰ってK嬢の動画で初めて確認できた。悔しすぎる。
なんでエキシビジョンでこんなのが跳べるんだろうか?
ちなみに一番好きなプログラム「Sex Bomb」を期待したが、残念ながらそれは無かった。

他にも、ロシアで物凄い人気のスルツカヤは楽しいプログラムを見せてくれ、
ナフカ&コストマロフに至っては今回フリーで踊り金メダルを取ったプログラム
「カルメン」を魅せてくれた。生で見ると一層素晴らしかった。
上記3人が2度ずつの登場だったのに比べて、トットミアーナ&マリニンが
1度だけだったのは何故だろうか?特に理由は無いかもしれないが。

ロシア以外の選手では、ペアのペトロワ&ティホノフが大層気に入った。
リフトがどれも独創的で、競技会で見てもエキシビジョンでも見栄えがする。
ドロビアツコ&バナガスもとても個性的な演出で盛り上げてくれた。
他に、司会のロバチェバ&アベルブフが踊るシーンがあり、
その際スクリーンで過去のロシアの栄光の映像が流されており、
クーリックやウルマノフ、グリシューク&プラトフ、ゴルデーワ&グリンコフなど、
歴代のチャンピオンの映像が流れてきたところで無性に感動してしまったよ。

とりとめない日記になってしまったが、初フィギュア生観戦はとても素晴らしかった。
家に帰り、興奮して「Sex Bomb」をDVDで見たところで今に至る。

黄金メダルの下に

2006-02-24 10:05:22 | 体操・フィギュアスケートその他スポーツ
ズキュウウゥン
スタンドも月まで吹っ飛ぶこの衝撃。
お前は今まで跳んだルッツの回数を覚えているのか?
静香…あなたの「覚悟」は…この登りゆく日の丸よりも、
明るい輝きで『道』を照らしている。

どれだけ名言を積み重ねても言い表せないほどの、荒川静香の渾身の滑走!
女子シングルで、ここまで興奮して感動したのは初めてだ。ヤヴァイ・・・


トリノのフィギュアスケート競技の最後を飾ったのは、大接戦の女子シングル・FS。
ソコロワも安藤美姫もコストナーもSPで順位を落とし、
メダルを争う3人はコーエン、スルツカヤ、荒川が0.71の僅差でひしめき、
トップから約5ポイント差で村主が追う展開。他選手の入り込む余地は無い。
ここまでメダル0の日本が、唯一メダル獲得の道があるとすればここだ。
きっと日本でも大盛り上がりの女子シングル・FS。
無論ここモスクワでも、全4種目制覇の最後の一つなので注目度は高い。

メダル争いに関係ない序盤、SPで失敗した中で注目してた選手の中では、
ソコロワがまずまずの滑りを見せて順位を上げたが、
リアシェンコは不本意な結果に終わった。3回目の五輪、さすがにもう引退だろうか?
さて、先ず最初に第3グループで登場したのが安藤美姫。
4回転を跳ぶと公言していたが、実際最初のジャンプで4サルコウに挑戦・・・
も失敗。派手に転倒し回転不足も指摘されそうな着氷だった。
その後も計4回~ほど転倒&失敗し、力は出し切れなかった。
得点も伸びず84点台。残念、この経験を是非4年後のバンクーバーに生かして欲しい。
エミリー・ヒューズは一度の転倒はあったものの、ジャンプも高く安定し、
ビールマンスピンなども綺麗で良くまとまっていた。
100点越えでそれまでのトップに立ち、結果7位。将来への期待を感じさせた。
第3グループ最終演技者のコストナーも地元の声援の中で良く魅せた。
ただ入りの振り付けはちょっと音楽外してた気がする。
イマイチ得点は伸びなかったがそれのせいか?


大混戦の最終グループ。
メダル候補の中ではSPでトップのコーエンが2番手で登場。
入りの3ルッツ(コンビネーションか?)、2度目のトリプル(フリップ?)で、
連続の転倒。SPの安定感が嘘のような失敗だった。
しかしその後立て直すのがさすがのサーシャ。
後のジャンプはコンビネーション含め全てをしっかり決めて、
見事その時点での断トツトップに立つ116.63を叩き出した。
2度の転倒があってこの得点は、しっかりスケーティングが評価されている証拠だろう。
何より彼女はI字、ビールマンなどスピンの美しさが目を引く。

3番手は荒川静香。目の前でトップの転倒を見ている。どんな心境だろう?
曲はトゥーランドット。04年に世界選手権を制した思い入れのある曲。
入りのコンビネーション、3ルッツ~2ループ。
一瞬乱れ?があったような気がした。もしかしたらSPと同じく、3~3を狙っていて、
ジャンプの最中に危険を避けて予定を変更したのかもしれない。
続く3サルコウ~2トゥループもしっかり決めて、
あとは得意のスピンやスパイラルで魅せる魅せる。
身長の高さを利して美しく生えるビールマンスピンも会場を沸かせた。
一度、ループが2回転になった以外はミスは無い。
圧巻は3分過ぎの終盤、イナバウアーからの3サルコウ~2トゥループ~2ループ。
完璧な着氷。
最後はトリノの観客が物凄い盛り上がりで彼女の演技を讃える。
素晴らしい瞬間だった。これまでイマイチ好きになれなかった女子シングルで、
ここまで熱くなれたのは初めてだ。というか日本選手をこれほど応援したことも無い。
そして審判団は期待に応えてくれた。最高の点が出た。2要素とも60点を超え、
この時点でトップのコーエンの遥か上を行く、125.32。
計191.34は、コーエンに約8ポイントの差をつけ断トツのトップ。
SPの得点に続きこのFS、そして合計得点でも彼女のパーソナル・ベストを更新した。

荒川の完璧な滑りを受けて、約4ポイント差を追う村主。
こちらもミスの無い綺麗なスケーティング。
ラフマニノフの曲もストレートラインステップで最も盛り上がり、良い。
ただ柔軟性に難がある分、荒川、コーエンと比べてスピンやスパイラルで
明らかに魅せ方が劣ってしまうと感じた。
最後のスピンは回転が速く締めくくりに相応しいが、少し表現にかけるかな?
それが影響してたのかどうか、得点は思ったより伸びず113.48。
2度の転倒をしたコーエンより下だが、順位的にはそれでも妥当だっただろう。

最終滑走者。ロシア!ロシア!の大声援を受けてリンクに立つのはスルツカヤ。
金メダルの大本命であり、ロシア全種目制覇の最後の1つを担う。
表情は非常に集中している感じ。これならイケる!
入りは3ルッツ。そして2つ目に3サルコウ~2トゥループ~2ループ。
完璧な着氷。アナウンサーからマラジェッツが出た!
3つ目の3フリップも、僅かにバランスを崩すもパワーで着氷。
ただ、ここから少しジャンプのミスが続く。
次の3フリップ~2トゥループでは最初が2回転に。
そして直後の3フリップで唯一の転倒。これは痛い・・・
最後の3トゥループ~2トゥループは見事に決めたものの、
少し終盤にミスが続いたのがどう得点に出るのか?
最後は軸足を変え、3度のビールマンスピン(計4度)を魅せて見事に演技終了。
採点に全てを託す。
祈るような気持ちだった。俺の個人的採点では荒川有利も、
かなりの僅差の勝負になると思ってた。勿論これは贔屓目が入っている。
荒川にはもちろん勝って欲しい。素晴らしいスケーティングだった。
でも、10年間応援し続けた選手の最後のチャンスなんだ、非国民でも良いよね?

果たして結果は無情だった。得点が出た瞬間、スルツカヤも頭を抱えた。
まさかの114.74。計181.44はコーエンにも負けての銅メダル。
彼女のオリンピックは終わった。でも笑顔だったのが救いだった。
採点に不満は見せず、会場内の物凄い応援に手を上げて応えていた。
でも、それが余計に・・・悲しいんだよ俺は。
銅メダルを誇らしく下げて、3月7日ルージニキ大スポーツアリーナで会おうじゃないか。
そして病気を治療し、健康に第2の人生を楽しんでくれ、イリーナよ。


荒川は凄かった。あの滑りには誰も文句を言うまい。
彼女こそが金メダルに相応しいスケートをしたということだ。
これほどの熱い戦いを見ることが出来て、この1週間は本当に満足だった。

最後に、女子シングルの結果のまとめ(公式サイトより)

Rank Name        NOC Code TotalScore SP FS
 1  ARAKAWA Shizuka (JPN)    191.34   3  1
 2  COHEN Sasha    (USA)    183.36   1  2
 3  SLUTSKAYA Irina  (RUS)   181.44   2  3
 4  SUGURI Fumie    (JPN)   175.23   4  4
 5  ROCHETTE Joannie (CAN)   167.27   9  5

静香の戦い

2006-02-22 02:45:22 | 体操・フィギュアスケートその他スポーツ
トリノオリンピック、フィギュアスケートも
女子シングルを残すのみとなった。
今日はSP(ショートプログラム)。
メダルの期待が掛かる3人の日本選手が登場する。

この五輪で日本は未だメダルゼロ。
もしフィギュア女子でメダルが取れなければ、
恐らく日本はメダルがゼロのままで終わることになるだろう。
さてそんな意味でも大注目の女子シングル。
俺の事前の予想は金=スルツカヤ、銀=ソコロワ、銅=荒川or村主。

先ず日本選手だが、冷静に見て安藤美姫の安定感ではメダルは難しいと思う。
今シーズンは持ち味のジャンプが不安定な上、直前になってプログラムを変える失敗。
ニュースなどでは「マイ・ファニー・バレンタイン」で磨いた表現力、
→「蝶々婦人」への変更で得意のジャンプをよりアグレッシブに跳ぶための変更、
などと言っていたが、五輪シーズン途中のプログラム変更で良かった試しが無い。
ソルトレーク五輪シーズンのプルシェンコがいい例だ。
プログラムの滑り込みで出す表現力にも、反復で成功率を上げるジャンプにも、
明らかに良い影響は出ないと思う。と言っても「マイ・ファニー・~」は
スローテンポでとっても難しい曲なので、変えざるを得ないのだろうが。
ということで安藤は6位~8位が予想。

ミキティで長く書きすぎた。
村主は表情を含めた表現力がロシアや欧州の審判の評価が高く、
ジャンプも比較的安定しているので大きく崩れることは無いだろう。
ただ、日本勢で一押しは荒川!昔は全く好きではなかったのだが、
いつのまにあんな美人スケーターになったのか。
いや、顔云々ではないよ、顔も日本選手では一番綺麗だとは思うが。
スケーティングがとてもクール、表情は出ないがそれが余計にクール!
身長や手足の長さもプログラム選曲も、そして新たに取得したビールマンスピン(!)も、
彼女の雰囲気全てがクールにまとまっていると思う。
実際12月の日本選手権では最も良い印象を受けた。
村主に負けて2位だったが、俺の個人採点では1位だ(全く勝手な採点だが)。

ソコロワは、個人的に容姿が好みなのとロシア選手なのと、
あとなんとなくコーエンよりソコロワかな?と思って。それだけなんだが。
1位はスルツカヤ。何も言うことはない。金を取ってくれ。
ここ何大会か、五輪の女子シングルは、ポッと出てサッと金メダルを獲って、
サクッとプロに転向してしまう選手達ばかり。
銀盤の女王の名に相応しい金メダリストというのは、
カルガリー五輪のカタリナ・ビット以来居ないのではないか?
その意味で、彼女には是非とも金メダルを獲ってほしい。
まぁそんな理由は後付けで、勿論彼女が重病で五輪後は競技を続けられないとか、
そんな日本のマスコミが喜びそうなお涙頂戴の話も関係ない。
単に17歳の時にフジTVの「International Open Figure」で観たとき以来のファンなのだ。

さてSP。注目選手の中では最初にソコロワが登場。
7日のモスクワのエキシビジョンにも出るので良い演技を期待したが、
2度のジャンプで転倒して大きく点を下げた。早くも予想ハズレ、残念無念天津飯。
続く安藤美姫はコンビネーションジャンプで手を付いたものの、
その後を何とかまとめて56点ジャスト。少し硬くなってる気がした。
安藤の直後にソルトレークの女王サラ・ヒューズの妹エミリー・ヒューズ。
安定感もあって将来を感じさせる・・・のかな?
ちょっとスケーティングが甘いと思いつつ、でも安藤をしっかり上回ってきた。

第4グループの最初にスルツカヤ。素晴らしかった。
それまで1人も届いてない60点台を遥かに超えて、66.70。
ジャンプの安定感は勿論、いつものタイツの衣装は彼女に合っており、
得意のビールマンスピンも軸足を代えて3度も披露!
テクニカル・メリットで36点越えは完全な一人旅だ。
と思ったら!3人後に登場した荒川静香が信じられない滑りで猛追!
これは来た!プログラム・コンポーネンツではスルツカヤを上回り、
わずか0コンマ68点差の66・02で2位に付ける。彼女のパーソナルベストだ。
荒川のすぐ後にエレーナ・リアシェンコが出てきてビックリした。
まだ現役でやっていたのか!頑張って欲しかったが思ったより点が伸びなかった、何故?

最終グループ、最後から3番目に村主の演技。
ジャンプもスパイラルもとても安定していて、ロシアのテレビ解説者は
「ハラショー」「ズドーラバ」を連発。とてもお気に入りのようだ。
荒川のが上だがポイントはかなり近いところまで行くか、と思って見ていたら、
意外と伸びずに61.75。表現点でもスルツカヤ、荒川の2人に負けていた。ちょっと意外。
最後の演技者はサーシャ・コーエン。これが、すごかった。トリに相応しい演技。
ジャンプもスパイラルも勿論だが、最後のスピン!
他選手とは一味違う切れ味で強烈な印象を残した。ファンになりました。
そして叩き出された得点は、スルツカヤをコンマ03点上回る66.73!!
一気にSP滑走全選手の一番上に立った。

これは全く予断を許さない状況でフリーを迎えそうだ。
上位3選手が0コンマ73点以内にひしめく。
転倒は以ての外、僅かのミスでも許されないギリギリの戦い。
明後日のフリーが今から待ち遠しい。学校は木曜~日曜の4連休だが、
遊びになんか行ってる場合じゃない!!?


※後日の注
安藤だけでなく荒川も五輪直前にプログラムを変えていたのですね。トゥーランドット。
まあ彼女の場合は04年に世界選手権を制した曲という事で女権は同じじゃないでしょうが、
でもスケーティングの内容はどうなのだろうか?

ナフカ&コストマロフ狂乱麗舞

2006-02-21 02:30:30 | 体操・フィギュアスケートその他スポーツ
最高のカルメン!ナフカ&コストマロフ優勝!
ミス無く滑りきり、ロシアフィギュア陣営に3つ目の金メダルをもたらした。
初日CD、まさかの2位スタートも、2日目のODで上位陣が総崩れする中、
N&Kはほとんどミス無く3日間を滑りきった。
特に最終日はグルシナ&ゴンチャロフが目の前で良い滑りを見せ、
後には約1.3ポイント差で2位につけるベルビン&アゴスト組が控える状況。
ロシア国民より“金メダル奪回”を期待されるプレッシャーは簡単ではないはずだ。
しかも“全種目金メダル”が期待される中で、自分達だけ落とすことは出来ない、
というオマケつき。(勿論このプレッシャーは4種目の6人全員に当てはまるが)
見ているこちらが以上に心配してしまったが、彼らは深いエッジを事も無げに織り交ぜ、
リフトも細かいステップもポジショニングも全て優雅に決めてくれた。
まさにブラボーだ。総ポイントが200点を超えたのは1組だけ。最後に実力の差が出た。
(ちなみに彼らのパーソナルベストは227.81→参考はこちら。ソルトレーク以降をほとんど見てなかったのだが、今日の滑りをもってしてもどうしてこれ程違いが出るのか?どなたか詳しい方教えてください)

2位はアメリカのベルビン&アゴスト組。
N&Kのカルメンと同じくスペイン風のフラメンコ。
そしてナフカと同じくらい、もしかしたらそれ以上にベルビンもべっぴん。
すごい綺麗。たぶんトリノ出場選手中1位。
相方のアゴストも、ラテンの雰囲気がまた曲に似合ってる。
そんなB&Aの滑りはN&Kとは一味違った表現を見せ、スピード感とノリが売り。
雰囲気も素晴らしく、会場からは大きな手拍子が。
エッジワークや細かいステップでスケーティングのレベルの高さを見せるN&Kと、
速いテンポに乗ったスピーディーな動き、ラテンのリズムのB&A。
審判のジャッジはやはり基本に忠実なN&Kに下ったが、
2ペアの特徴が良く出ていてとても面白い試合だった。
3位には最終組のトップで素晴らしい演技を披露したグルシナ&ゴンチャロフ。
4位には、実はFDだけなら2位のデロベル&シェーンフェルダー。
彼らは独特の雰囲気と独創的なリフトでトリを努めるのに相応しいペアだった。
惜しむらくは初日のCDで7位、3位のG&Gと約1ポイント差と、
やや出遅れたのが痛かったか・・・

ちなみに地元期待のフーザル・ポリ&マルガリオは、
昨日の失敗もあり今日は物凄く慎重なスケーティング。
ただ片足を軸にしてのリフトで大きくバランスを崩す場面も見られ、減点2点が付いた。
結果FDは8位、総合で6位。前回ソルトレークの銅メダルを上回ることは出来なかった。

全体としては昨日のODとはうって変わって、ミスの少ない引き締まった演技で、
それぞれのペアの力は存分に発揮されていたと思う。
そのなかで前評判通りに勝ちきったナフカ&コストマロフは最高だった。
3月7日は、彼らを生で見れるビッグチャンス。今から楽しみだ。

アイスダンス動乱

2006-02-20 02:09:17 | 体操・フィギュアスケートその他スポーツ
トリノ五輪、フィギュアスケート。
アイスダンス2日目はOD(オリジナルダンス)が行われた。

初日のCD(コンパルソリーダンス)を見てなかったのだが、
なんと1位にイタリアのフーザル・ポリ&マルガリオ!!復帰してたのか。
地元の有利さもあり、ナフカ&コストマロフを抑えての1位滑り出し。
金メダル争いが非常に面白くなってきた・・・と思っていたが!

なんと本日のODでは転倒続出。覚えているだけでも
フーザル・ポリ&マルガリオ、デュブレイユ&ローゾン、ドロビアツコ&バナガス。
確か他にも居たが、中でもCD1位のフーザル・ポリ&マルガリオの転倒は、
アイスダンスのメダルを左右する大きな大きな転倒。
ラストのメインリフトでの転倒だったためテクニカル・メリットの減点が物凄く大きく、
ODは何と10位、2日間トータルで7位まで順位を下げた。えらいこっちゃ。
フィニッシュの後、フーザル・ポリが相棒のマルガリオを凄い形相で睨んでいた。
そういえばこのペアは、前回ソルトレークでも転倒をして3位。
その時もステップで転倒したのがマルガリオだった様な・・・
フーザル・ポリが怒るのは分かるが、まだ採点中にあの態度は止めた方が良いのでは?
審判が採点中の得点にも響きそうな気がしてならない。
そんなの関係ないと言われても、点を付けるのは人間だから印象は重要だと思うのですよ。

対照的にナフカ&コストマロフは完璧な滑り。しっかりと首位に立った。
今日の夕方テレビでナフカ&コストマロフ組の特番をやっていて、
ナフカが凄い美人な事を知って一気にファンになった(きっかけなんてそんなもんだ)。
しかもあの容姿、あのスタイルで子持ち、30歳!!信じられん・・・

ただしN&Kの首位はダントツとは言えない。アメリカのベルビン&アゴスト組が、
すぐ後ろに迫っている。特にODの点はほとんど差が無かった。
FD(フリーダンス)の演技順がアメリカペアの方が後なのも、点数に影響しそうだ。
他にはグルシナ&ゴンチャロフが金メダル射程圏内だろうか。ここまで3点以内。
一つのミスが大きく分けるだけに、そして今大会は各ペアにミスが続出しているだけに、
明日のフリーで順位が大きく入れ替わる事だってありうる。
ナフカ&コストマロフのFDのカルメンは先日のヨーロッパ選手権の放送で見たが、
とても素晴らしかった。無事、金メダルを獲ってくれることを願ってやまない。

白銀の盤 Kap.Ⅱ

2006-02-02 23:49:59 | 体操・フィギュアスケートその他スポーツ
Kap.Ⅰはこちら

前に書いてからえらい時間が経ってしまった。
もうすぐトリノ五輪も開幕することだし、特に書く事ない日なのでⅡを書いてみる。

アイスダンスという競技自体を知ったのが、彼らのお陰だった。
マリーナ・アニシナ&グェンダル・ペイゼラー組(フランス)。
2人を知ったのは96年のNHK杯。
エキシビジョンでとても素晴らしいカチューシャを踊っていて、一気にファンになった。
とても美人なアニシナと、無茶苦茶格好いいペイゼラーは凄く眩しかった。
フリーダンスもアラビアンな踊りで、この年NHK杯初優勝。
フランスの先輩ペアでディフェンディングチャンピオンの、
モニオット&ラバンシー組を破っての堂々たる優勝だった。

この後の彼らの画期的な業績と言えば、長野五輪シーズンの'97~'98年に発表された、
女性による男性のリフト、だろうか。
これをやっているペアは他に観たことがない。
(ソルトレーク以来フィギュアを長らく観てないので詳細は分からないが)
スピードが極端に落ちる、落下の危険性などのデメリットはあるが、
俺はこういう革命戦士に弱いのだ(別に長州力は好きくないけど)。
そういえば長野でも解説の五十嵐さんに、
「メインの女性リフトでガクッとスピードが落ちた。採点者たちの目の前なのでどうか?」
のようなことを言われていた。実際、FDは4位。
CD、ODと併せてギリギリ3位。メダルを守るのが精一杯だった。
それでも彼らは上位2組の引退した後の4年間、トップに君臨し続けた。
カナダのボーン&クラッツ、イタリアのフーザル・ポリ&マルガリオの猛追を受けながらも。
ソルトレークでは音楽へのヴォーカル使用が解禁になった為、
キング牧師の演説と言う難しいテーマを選択。
しっかりと滑りきって見事、表彰台の真ん中に立った。

それっきり、モスクワに来るまでほとんどフィギュアを観なくなってしまった訳だが、
今の競技状況はどんな感じなのだろうか?
ロシアのナフカ&コストマロフ組が強いって事くらいしか知らない。
そういえばフィギュア好きな文法の先生リリアは、
「ロシアが4種目で金メダルを取るわ」と息巻いてたな・・・。
この話、前の回でも書いてたな・・・。

次回、書くとすれば再びアイスダンス編で、ボーン&クラッツ組。
書かないかもしれない。

白銀の盤 Kap.Ⅰ

2005-12-16 23:16:52 | 体操・フィギュアスケートその他スポーツ
さすがに平日は特に書くことが無い。
毎週何処かに行っているわけでもないので・・・
なのでたまにはロシアと関係ない趣味の話でも書いていこうかと思い立った次第。
まぁ趣味も、漫画無数、映画多数、スポーツ複数あるので
何から書こうか迷うところだが。
とりあえず16日(金)の授業で先生が話していたフィギュアスケートについて書く。

この日は文法の授業。先生はリリアという厳しい人なのだが、
教え方がうまいし厳しい分手は抜けないので都合は良いかも。
そのリリアが授業中、A嬢が出したオリンピックの話に反応して、
フィギュアスケートを熱弁しだした。
なんと先生、昨年(一昨年?)モスクワで開かれた世界選手権を全日見に行ったという。
そんなフィギュア好きの先生は、トリノでロシアは4つの金メダルを取るわよ、
と鼻高々に言っていた。
俺のフィギュア熱が一番過熱していた時期は長野五輪前後から2~3年。
ソルトレークの後は全く見なくなってしまっていた。
現在では、それほど興味のあるスポーツではないが、
やはり授業で自分の知っていることが話題に上ると嬉しいもので。
色々なスケーターの名前を挙げて話に相槌打ってみたり。

その昔最も好きだったスケーターはフランスのフィリップ・キャンデロロ。
中学2年のときだろうか、NHK杯エキシビジョンのパフォーマンスを見て、
一気にファンになった。次の日クラスで話題にもなっていた。
鮮明に記憶しているのは97年の1月の「International Open Figure」。
そこで見たナポレオンは、アウステルリッツを指揮する英雄の姿。
軍旗を掲げて行進する兵士、望遠鏡を取り出し敵陣の配置を調べ作戦を寝る英雄、
元帥達を配列させいたずらっぽく一人ひとりを視察するナポレオン。
すべての動作が練りこまれ、強烈な印象を残してくれた。
世界史で大好きだった英雄は、まさしくこういった姿だったろうと思わせてくれた。
97年NHK杯ではエキシビジョンの登場して、
2ヵ月後の長野本番で演技予定の「ダルタニアン」を世界初披露。
ストレートラインステップ一つであそこまで観客を引き込むとは!
はっきり言って本戦に出ていたすべての選手よりも魅了してくれた。
無論、五輪本番ではそのときとは比べ物にならない完成度。
じっくりと練り直された動作は細かいものまで本当に音を丁寧に使い、
ダルタニアンの物語が手に取るようにわかるほど。
友人の音楽家が作ったオリジナルの曲も大変良い。
入りのトリプルアクセルを気合で成功させてからは、不安のジャンプも何とかこなす。
そして名物の、“サーベルを持っている”と見紛うストレートラインステップは、
完璧に相手と戦っていた。信じられないプログラムだった。
大学1年時、金が無いのに無理してBSアンテナとチューナー付きビデオを買って、
後悔などは全くしなかった。生で見れてよかった。

キャンデロロはこの五輪の後引退をしてしまった。2大会連続で銅メダル。
五輪で悲願の金メダルは取れなかった。
しかし彼のスケーティングはその後のスケート界に大きな足跡を残したと思う。
日本ではプロの大会を放映することが少なく、観戦に行ったこともないために、
その後キャンデロロのスケーティングは見たことが無い。
今どうしているのだろうか?

残念ながらこの記事は続く。次回はアイスダンス編。