本日、快晴。

映画中心雑記。後ろ向きなポジティブが売りです。

黒く濁る村【映画】

2010年11月30日 | 【映画】
久々に韓国映画を見てきました。
TV番組で特集を見て、ちょっと興味が湧き。

http://kurokunigorumura.com/
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『シルミド/SILMIDO』のカン・ウソク監督が、
韓国で人気を博したユン・テホ原作の
ウェブ・コミックを映画化したミステリー。
長年音信不通だった父親の死を知った息子が、
山奥の村で封印されたある秘密に迫る様子を描写する。
次から次へと暴かれていく村の真実に身震いする。
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何はともあれ、160分という上映時間は長いっす。
それでも何とか座って観れていたのは、
モヤモヤ感満載のストーリーに、いつか決着がつくことを期待していたから。

然しながら、脱帽。

全然、色々投げっぱなし。説明が足りな過ぎ。
原作は超大作なのだろうか。
それをだいぶ端折っているのではないだろうか。
それなのに160分て。もう、なんか、どんだけよ。


全く何も提示されないかと言われれば、そんなこともないんだけれど、
とりあえず、全エピソードが弱い。
だから、一体どれが真実なのかが分からない。

入り混じる過去のエピソードと現代のエピソード。
父の言い分、村長の言い分、チンピラの言い分、女子の言い分、主人公の言い分、etc。
それぞれに微妙な食い違いがあって、
でもそれが1本に繋がってこそのミステリーだと思うんだけど、
この映画は繋がらなかったなー。

最後まで引っ張るのはいいんです。
ミステリーとはそういうものだと思うし。
だけど、引っ張るだけ引っ張ったのに結局どれが真実なの??てのは
ルール違反な気がするんだよなぁ。。。
伏線らしきテーマは至るところで頻出しているからこそ何だか拍子抜けでした。。。
あたしの理解力の無さかなと思ったら、他の評価も同様だったので、
恐らくそういうことなんでしょう。

あと、映画のふれ込みで、
「次から次へと暴かれていく村の真実に身震いする。」
「1人、また1人と死んでいく…」
「村に隠された驚愕の事実とは!?」
みたいな文句をよく目にしたんですが、過剰に煽り過ぎです。

だって最後にオチがないだもん。
終わったら、あれ??これで終わりですか??て感じ。
煽りに対して、返ってくるものがないんだから、仕方ないよね。


ちなみにラストシーン。
ネタバレ回避のために多くは言いませんが、
結構、王道パターンだと思います。
でも、何か、他の諸々全部ひっくり返して結局それなの!?って感じでした。



ちなみに役者さん達は上手でした。
村長役の人なんて、35歳で70代の役をやっているけど、
それほど違和感もなかったし。
(そりゃあ、足腰元気だなとは思ったけどww)
サイコな雰囲気もそれぞれから感じ取れて良かったです。
だからこそ、残念。



考察としては色々とあるんだけど、
とにもかくにも、本当にツッコミどころが多い映画なので、
是非とも原作を読んでスッキリしたいところです。


ちなみに、この監督はオリジナル作品が多く、
原作ものは今作が初めてなんだそうです。
韓国の映画祭・映画賞では絶賛されているそうですが、
あたしは「シルミド」の方が見応えあって良かったかな。
好みもあるでしょうが、
純粋にミステリーとか驚愕のオチとかを期待すると痛い目を見る映画だと思います。

今年ワースト映画(tanako評)との呼び声の高い
「イン●テミル」に比べれば…という感じですが、
積極的におすすめはしないかなー。

演劇集団キャラメルボックス「サンタクロースが歌ってくれた」アナザーキャストver.【舞台】

2010年11月29日 | 【舞台】
※舞台の記事はいつも非常にマニアックになりますので要注意。飛ばしてね。※

http://www.caramelbox.com/

久しぶりのキャラメルボックスです。
平日夜のご鑑賞。
おかげさまで、前から2列目でした。久々の良席~☆


「キラキラしてる」と評されたりするキャラメルボックスを
歳を重ねるごとに敬遠しているあたしにとっても、
この作品はわりと特別で。
高校時代にこのTV放送を録画して以来、
数えきれないくらい見直してます。


完全なる王道ファンタジーなのですが、
エンターテイメント色が強く、
ストーリーのテンポが良く、
設定に、“映画”“昭和”“文学”等、
わりと好きなジャンルのテーマということもあり、
いまだに、いまだに、結構好きなんです。

…基本、苦手なんですけどね。ファンタジー。


今年はキャラメルボックス結成25周年ということで、
また、その年のラストツアーということで、
2パターンのキャストで上演されています。
今回はその1つを見てきました。こっちは東京・10日間限定バージョン。

正直言うと、あたしは全国回ってるツアーの方が見たくって、
(上川氏・近江谷氏が出るのでね。)
でもせっかく東京に居るし、そもそも作品が好きだし、とチケットを取りました。

取ってよかった。面白かったです。

キャストについて語っても、なんのこっちゃとなると思うので割愛しますが、
主役・芥川役はもしかしたらこっちの方がいいかも。年齢とか見た目とか。
警部の役も個人的にはこっちが好きです。カワイイ。
(どちらももう1つの方は何か伝説のキャストみたいな扱いなので…。)

加えて、40代の創設メンバーの女優さんが
10代の娘さん役を、超可愛いく演じてたりするのを見ると、
演劇って、役者さんって、凄いなぁと思ったり。
入団して数年の若手の役者さんはまだうーん、てとこもあったけど、
(でも一番の新人さんは浮いてなかった。これは凄い。)
一生懸命さは伝わったし、全員とてもハマっていたし、
何より、全員が全員、心からこの公演を楽しんでいる感じが
観客側にも伝わってきたので、とても楽しかったんだと思います。


キャラメルを見れるなんて!!!と感動していた頃とは違う、
大人冷静な目線でも楽しめました。良かった。


ただ、音楽は再演の時の方が好きだったなぁ。
もちろん、何回も繰り返し見ている分のハードルの高さはあると思うけど、
再演時の方がテンションが高かったんだと思う。曲調とか。テンポとか。
今回は、全曲書き下ろし、録り下ろし、ということを売り文句にしていたけど、
しっとりとしたよりも元気な感じを期待したあたしには、
若干盛り上がらなかったかも。
今までも再演で曲が変わることはあっても、あんまり違和感は感じなかっただけに、
ちょっとだけ気になってしまったのが残念。


あと、これは完全に運が悪かっただけなんだけど、
劇場の構造上、下手前方にスピーカーが配置してあったせいで、
あたしの席では、音響とセリフががっつり喧嘩してしまって、
キャストのセリフがいまいち聞き取れなかったり…。
多分発声の問題ではないな、あれは。
かなり前方だったからいいじゃないか、とそこは納得するしかなかったっす。。。やるせなす。


思っていたよりも自分の中での期待値が高かったので、
その分、色々と目についたこともあったけど、それも愛嬌。
何よりこの公演はお祭りだよなと思うと、
やっぱりチケット取って良かったなと思いました。


次回は、本キャスト(別に今回が偽な訳じゃないんだけどね。)を見に、
12月に参戦します。また平日、有無を言わさず定時で帰ります。

明日からまた、ファンタジーとは縁遠い現実世界で、がんばります。

裁判長!ここは懲役4年でどうすか【映画】

2010年11月23日 | 【映画】
「裁判長!ここは懲役4年でどうすか 」
http://blog.goo.ne.jp/analogue-tanako/e/155f8b77ef45b09af25ebbef402d9fcb

「裁判長!これで執行猶予は甘くないすか」
http://blog.goo.ne.jp/analogue-tanako/e/7936db44965e6617da20033f315713f4


原作…というか元ネタはエッセイです。
上記どちらも、読み物として非常に面白いです。おすすめです。

でも映画は正直微妙でした。わはは。



まず。

そもそも、元ネタがエッセイで、
且つ、オムニバス(一話完結型??)になっているため、
映画としてのプロットと形式が違う。
だから、それに無理やり浅い設定をつけたって、
いまいち観客がストーリーに入り切れないんだと思う。
だから、鈴木砂羽が、変なオバサンで終わってしまうんだと思う。

あと。
原作は、著者の、一般人目線なツッコミが秀逸だったので、
テンポよく読めて面白かったんだけど、
映像にすると、エピソードが薄い。浅い。
ある程度好き勝手言えるエッセイとは少し違って、
映像は色々と制限されてしまうのも分かるので、仕方ないんだけど。
それでも、映画の演出とか表現方法は上手だったんですよ。
設楽の表情とか目線で、見せるツッコミは特に良かった。
だからこそエピソードで、もっともっとボケて欲しかったんだけどなあ。

そして脚本。
“ウォッチメン”という裁判傍聴マニア集団の発想は良いし、
キャラクターもそれなりに立っているんだけど、
裁判エピソードの中で、それがあんまり活かせてないのが残念。
折角、良い裁判ネタを題材にしているのに、
それをあんまり面白く(面白い、というのも不謹慎ではあるけど…)
描けてないのが本当に残念。
被告とか、裁判長とか、弁護士に検事。
それぞれに個性があり、それを表現出来ているのに、
何かいまいち、爆笑が来ない。何と言う勿体なさ。
裁判は人間ドラマなんだ、というのならば、
もっと深く掘り下げる方が伝わるのではないだろうか。

あとちょっと気になったのは、
脚本がいきなりブツ切りで終わったり、と構成が斬新。
良いか悪いかは、個人の好みだと思いますが、
あたしは映画としてあんまりだったかな。
最後どういう風に終わらせたらいいか分かんなくなって投げた、みたいに見えたし。


ちなみに。
役者陣については、あまり不満はないです。
バナナマン設楽については、きっと普通さが良かったんだと思う。
変に個性がなく、一般人としておかしなところに絶妙にツッコミを入れられる人物として、
とても適任でした。演技もまぁまぁ。
ウォッチメンの面々は、全員良いです。行き過ぎた個性もこの映画ではアリ。

然しながら、ただ一人。どうしても解せないのが、片瀬那奈。
マドンナ的・超美人検事。いいんですよ。適役だと思うんですけどね…。
それ以前に滑舌にだいぶ問題がある方だと思うので、
笑っちゃうんですよねー。裁判シーンで。こっちが。
(相方と二人で同じとこで吹き出しちゃったんす。全然笑うシーンじゃないのに。)
ビジュアル完璧なのに勿体ないなー。
嫌いじゃないんですけど、この人が出てると、どうも見る気なくなるんだよね。。。



ここまで書いてると、
あたしはこの映画あんまり好きじゃなかったんだと思います。
ただ、題材と着想とキャラクターは悪くないので、
形を変えれば面白いコンテンツになったんじゃないかと。

2時間の特別番組でコント仕立てとかの方が楽しめるんじゃないかなぁ。
せっかくバナナマン使ってるし、日村も良い味出してるし、
昨今のつまんないバラエティよりも余程面白くなると思うのに。
ドラマ(向井君主演でやってましたが酷かったっす。)とか映画を選んだ時点で、
すでに選択を誤っていたのかなと。

と、同時に。
文字の力、文章の力を再認識しました。
活字だからこそ、あの原作エッセイが面白かったんだなぁと。
北尾トロという人の才能を実感しましたね。


なんでもかんでも、メディアミックスが成功する訳じゃない、という
顕著な例だと思います。
てか、エッセイは映像化するには難しいよね。

迷ってる方は、TV放映でいいと思います。
でも、果たしてやるかな(笑)。

世迷いごと【本】

2010年11月20日 | 【本】
マツコ・デラックス著作を読みました。
かなり最近出たので中身も結構タイムリーな話題が多く、
この人はよく芸能ニュースを見てるなぁと思いました。
その辺は、一般人目線も交えてていいです。面白かったです。


個人的に、マツコは大好きです。
世の中に対して媚びない姿勢とか、
思ったことをはっきり言える人にとても憧れるので。


この本では、マツコが気になる女性有名人について、
あれやこれや語っています。
エッセイというよりは、ざっくばらんなインタービューみたい。
まとまった文章でない分、読みながらの親近感がわくので、
最近活字離れしているあたしには、とても読みやすかったです。

勝手なイメージですが、
マツコならもう少し突っ込んでくれるかなと思っていたけど、
愛ある毒舌という感じ。

実際に書いてあるけど「興味がなければさようなら」なので、
好きと嫌いは裏返しで、
ここに書かれている人は
良くも悪くもマツコが好きだと思う人なんだなと。
確かに、興味ない人の悪口書いたって、建設的じゃないしね。
達観してるなぁと思いました。


ちなみに、あたし個人的には、
書かれている中では、アヤパン、寺島しのぶ、福原愛ちゃんは好きな方で、
その他はさほど興味がありません。
積極的に好きではない人も、まぁいます。

基本的に肯定口調で書いていたけど、
その中でも、マツコ個人の好みは何となく伝わりました。
正の感情と負の感情が、文章から暗に伝わるというか。
その辺は、あたしの感情と合致するものが多かったので、
基本的にストレス溜めずに読めました。

あと、本文の中には、
引き合いに出されただけの有名人も何人かいるんだけど、
多くを語らない分、全く興味がないんだなと思うと、
この人達が一番哀れな気がしました。

有名人は叩かれてナンボ、話題にされてナンボですね。


コラム本とまではいかないけど、
暇つぶしに読むにはちょうどいいかな。

マツコのキャラも手伝ってだと思うけど、
読んでてイヤな気分にあまりならないのは凄いなぁと
純粋に感心しましたよ。

ブレない生き方。【雑談】

2010年11月19日 | 【雑談】
>AKB48ドキュメンタリー映画、岩井俊二監督がプロデュース
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20101119-00000013-eiga-movi


>岩井監督は、AKB48が2月に発表した第15弾シングル「桜の栞」のPV監督を務めている。
>また、今回の映画のメガホンをとるのは、
>佐々木希主演作「天使の恋」で長編監督デビューを飾った寒竹ゆり。
>また、総合プロデュースの秋元康は、企画として参加する。



ここ数年の、岩井俊二の迷走っぷりが凄まじい件。
「BANDAGE」とか。

逆に、行定勲なんかは、
ここ数年で持ち直して来ている気がする。

どっちもあたしの勝手な印象ですが。



勿論諸事情があるのはわかるけれど、
個人的には、ブレない人の方がカッコいいなと思います。