鬼才と呼ばれることの多いフランスの監督、
ギャスパー・ノエの最新作を見ました。
何年振りだろう。「アレックス」以来??
この監督は、なんというか、
“ドギツイ”映画を撮る人、という印象が強く、
個性的な監督だと思います。
「カノン」「カルネ」「アレックス」と見たけど、
キライではないんだけど、体力を使うので、
見直したりするのには勇気がいる監督だと思います。
そんな久々のノエ作品。
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東京にやって来たオスカー(ナサニエル・ブラウン)と
リンダ(パス・デ・ラ・ウエルタ)の兄妹。
しかし、麻薬ディーラーのオスカーは警察に追われ、銃で撃たれてしまう。
オスカーの魂は体から離脱し、愛するリンダを追いながら、
東京の夜の街をさまよい始めるが……。
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これね、あらすじだけ見るとなんてことないんですよ。
実際に鑑賞しないと分からないと思う。
とっても概念的な、宗教的な、内容だと思います。
話の筋はシンプルだし、別に理解不能というわけではない。
最初から同じことをずっと言ってるし(開始15分くらいでラストが読めます。)、
セリフがなくても、目指しているものはわかるようになってる。
映像は独創的だけど、まぁ、キレイだし、
新宿歌舞伎町を上から映した映像は見る価値ありと思います。
しかしながら・・・
超・長い。
監督が、自分のイメージを表現するためには必要な尺だったのかもしれないけど、
観客にはシンプルに伝わっているので、実際以上の長さに感じます。
もう少し短くできたんじゃないかしら・・・。
相方はひっきりなしに時計を見て溜息をついてたし、
あたしも1時間半くらいまでは我慢できたけど、
その後は本当に退屈だった。
編集して90分くらいの映画だったらもっと評価は高いと思うなー。
性的描写の多さについてですが、
この是非はよく分かりません。
そんなに必要とも思えないけど、
まぁテーマ的にこのくらいあってもいいのかも。
終盤の、何というか、応酬的な数の多さには辟易しましたけども。
あと、これは日本人として、海外でこれが公開された時に、
東京は、SEXとドラッグにまみれた街だと思われたらどうしようと思いました(笑)。
外国人のちょっと誤った偏見も含まれていると思います。
フィクションだからいいんだけどさ。
あと、監督が東京をどう理解しているかはわかりませんが、
看板に大きく「LOVE HOTEL」と書いてある建物はないよねぇ。
その辺は逆に日本人として笑えます。
と、まぁ、あたしは若干間違った楽しみ方もしたのですが、
如何せん、長いうえにあまり内容がない映画なので、
あまりオススメはしません。
相方曰く、今年のワースト候補だそうです。
うーん。
それも、仕方なし。
映像はキレイなので、興味のある人だけどうぞ。