本日、快晴。

映画中心雑記。後ろ向きなポジティブが売りです。

ラブ&ピース【映画】

2015年07月22日 | 【映画】


@TOHOシネマズ新宿

一昨年度の私のランキング1位「地獄でなぜ悪い」公開後、
長谷川博己主演で新作を撮る、という情報が開示された瞬間から、
公開を心待ちにしていた作品です。

・・・でした。

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ロックミュージシャンになる夢を諦めて以来
パッとしない毎日を送るサラリーマン鈴木良一(長谷川博己)は、
職場の同僚・寺島裕子(麻生久美子)が気になっているものの
話し掛けることができない。
ある日、1匹のミドリガメと運命的に出会いピカドンと名付けるが、
同僚に笑われてトイレに流してしまう。
すぐに後悔する鈴木だったが、
ピカドンは下水道を通って地下に住む
謎の老人(西田敏行)のもとにたどり着き……。
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最近の園子温監督は、
良く言えば、挑戦的に、
悪く言えば、悪戯に、
多種多様ジャンルの作品を発信している印象です。

(wikipedia引用・たぶん公開順)
TOKYO TRIBE(2014年)
新宿スワン(2015年)
ラブ&ピース(2015年)
リアル鬼ごっこ(2015年)
ひそひそ星(2015年)
みんな!エスパーだよ!(2015年9月公開予定)


トロント国際映画祭ミッドナイト・マッドネス部門観客賞を授賞した
「地獄でなぜ悪い」が、正直ピークな印象です。

それでも本作は、豪華俳優陣を目当てに観にいきました。
・・・行きましたところ。
何だか、気持ちが沈んで、帰路につきました。


本作についてのインタビューでは、至る所で、
『子供でも見れる』『血とか一切出ない』『ハートフルストーリー』と
監督が繰り返し発言していました。
なのですが、「そんなこと言いつつも・・・」と、
ダチョウ倶楽部的なノリでの発言だと、勝手に勘違いした私に否があると思います。

それでもなあ・・・。

本作をジャンル分けするのであれば、
"ファンタジー"と"ラブコメ"ですが、
ラブコメ至上主義の私をもってしても、許容しがたいファンタジー度合い。
なるほど、日本でこの類のファンタジーを作ると、
こんなにも違和感が拭えないのか、と。勉強になりました。

ディズニーとかピクサーとかドリームワークスに任せておけば良かったんじゃない?


笑い要素もあります。多分。
クスリ、くらいには私も笑ったような、笑ってないような。
ちょっと時間経ったから、あんまり覚えてないけれど。

ただ、ワイルド・リョウの痛々しさについては、笑いどころとして狙っているんでしょうが、
正直、イタさが過ぎて、ちょっとした嫌がらせにも感じます。
長谷川博己が全力で演っているのが、それに拍車をかけている感じ。
私は彼のファンですが、こんな役見たくない!!!とは思わないけど、、
「地獄でなぜ悪い」と比べて、
キャラクターの馬鹿さに対する監督の愛が感じられない、というのが正直な感想。
まあしょうがないのかな。今回は自分がモデルじゃないもんね。

あとは、これはちょっとデリケートなところではあるんですけど、
「反●●」的な社会的メッセージが少し強いかなと。
笑いに変えようとしてるのは分かるんだけど、緩和出来ていないので、
フラットに観たい観客としては、少し萎えるかなあ、というところ。
前述した、キャラクターの馬鹿さへの愛と、
社会的メッセージの強さの比率が、もしも逆だったなら、
映画作品としてのまとまりは良かったんじゃないかなあ、と勝手ながらに思いました。



・・・どうしよう。
さっきから、褒めようと試みているのだけれど、全く浮かんで来ない。


あ。俳優陣の演技だけは、作品とは切り離して良かったと思います。
麻生久美子って本当にキレイなのに、ああいう役が上手。。
白髪交じりのサエない状態から、恋をしてキレイになっていく姿も良かったし、
長谷川博己は、憑依型だからこういう役はとても上手いし。
西田敏行なんか、言わずもがなでしょう。
あとは、声を当てていた星野源とかしょこたんも良かったです。


あ!あ!あ!
1つあった、良いところ。

ラブコメ要素の入れ込み方、これ王道の少女マンガの如し。
ラスト間際の亀の告白と、麻生久美子のラストカット。
特にラストカットは、園子温監督作品だと気づかないくらいの良演出でした。


まあ、それでも。
単純に、シンプルに、
私には合わない作品でした。

異色ファンタジーと称すべき作品ですが、
園子温監督への印象は少し変わると思いますので、
赤い血の色が鮮やかな作品が好きな方には、正直オススメできません。

と言うか、私の好みではないので、
誰にもオススメはしないかなー。

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