本日、快晴。

映画中心雑記。後ろ向きなポジティブが売りです。

進撃の巨人 ATTACK ON TITAN エンド オブ ザ ワールド【映画】

2015年10月07日 | 【映画】


@新宿ピカデリー

前編のレビューには『それでも後編でどうまとめるかによる』と書きました。

後編を観ないのも気持ち悪いし、
腰は、後回しにすればするほど重くなるに違いない、と
意を決して、観に行きました。後編。
実際、終わりよければ・・・と思っていたし、
公開初日で、変な先入観もなかったです。

だがしかし。だがしかし。
・・・やっちゃったなー、これ・・・。

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100年以上ぶりに現れた超大型巨人に多くの人間が捕食され、
生き残ったエレン(三浦春馬)は調査兵団の一員として外壁修復作戦を決行。
しかし巨人に襲われてしまい、アルミン(本郷奏多)をかばったエレンは
巨人に飲み込まれてしまう。
その直後、黒髪の巨人が出現し、
ほかの巨人たちを攻撃するという謎の行動を見せる。
人類の存続を懸けて彼らは巨人たちと戦い続けるが……。
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さて。何から書きますかね。悪い点しかありませんが。

第一に、物語の展開についてですが、
まあこうなるよね、という予想の範囲内で、意外性には欠けます。
別にそれ自体はおかしくはないんだけど、
演出が古臭い(これは前編から同じ。)のと、
ディティールの詰めが甘いのが、目に余ります。
端的に言うと、つっこみどころが多いというか。

白い部屋、とか。
巨人化バレバレ、とか。
壁上れば見えるんじゃね、とか。
何ここ、日本なの?とか。
石の塔の脆さ、とか。
人命の軽さ、とか。
ラブシーンの要否、とか。
前から狙われてるのに、みすみす討たれるとか。
爆弾の造りとか。
超大型巨人の背中の温度、とか。

まだまだあるんだけど、思い出せないのでこのくらいで。

最初から、声出してツッコミ入れながら観たり、
それこそ、ニコニコ動画ばりにコメント付きで観たら、
別の楽しみ方が出来るなあ、と本気で思いました。


余談ですが、
イライラが最高潮に達した私は上映中に声が出てしまい、
相方に怒られ、反省しました。
というのは、後述。


第二に、キャストについてですが、
前編ではまだアリかなと思っていた人物も、
登場シーンの少なさ(ミカサ)と、
不要な恋愛設定(アルミン)で、イマイチな印象。

これに加え、
前編でもナシだなと思っていた人物は、輪をかけてナシになっていました。
多分、演出が悪いのが最大の要因ではあるとは思います。思いますがね・・・。

エレンとシキシマは過剰演技がしつこいしずっと同じ調子だし。
サシャは大食いキャラが雑だし、恋愛要素いらないし。
(これについては、ななみちゃんのせいではないかもしれない。)

ハンジは、ネットで評価されてるみたいですが、原作トレースも出来てないと思う。
うるさいだけでは、指揮は取れないですし、
そういう意味では、ポジション的にも、キャラ的にもちょっと違うんじゃないかな。
ただ、本作に関してだけで言えば、
うるさい、という意味で、ハンジがまだマシに見えるくらい、
ジャンが、本当に本当に、酷かった。
工夫なく言うと、終始ウルサイし、邪魔しかしない。

前述した私の無意識のつぶやきは「うるさい・・・。」でした。


更に余談ですが、本作鑑賞後、
相方と私の間では、"ウルサイ"、"ウザイ"ことを、
『ジャン』という単位で表す遊びが流行っています。
相方曰く、本作でのジャンは『10ジャン』だそうです。
(そもそもの基準値がおかしいですがw)


一応役者さんの名誉のために書いておくとすれば、
それでもまだよかったのは、サンナギ(松尾諭)とソウダ(ピエール瀧)くらいですかね。
演技的にも、キャラ的にも、一貫していたし、良かったと思います。



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先日、ライムスター宇多丸氏が、ラジオで裏話としてお話しされていましたが、
本作は元々1本の作品として製作されていたけれど、
予算の都合で2本に分けられた、とのこと。

ただ、観客にとってはそんなこと関係なくて、
多い人だと、前後編観て、3,600円払っているわけです。

こんな映画のために、足を運んでくれている人に3,600円払わせる、
日本映画界の仕組みにも腹は立ちますが、
それでこれかよ!と、いう映画の出来で更に、腹が立ちました。

(ちなみに、同じことを「SPEC」の時にもかなり憂いています。)

それと、腹が立つと同時に、落胆もしました。

前編は、CGではなく特撮を使ったという点で評価に値すると思いましたし、
それでもうまくまとめられたら、原作とは別物として、1本の映画作品として、
観れるものになるんじゃないかと思っていました。

ある意味で、挑戦的な実写化作品だったとは思いますが、
原作に敬意を払っているかも疑わしいのに、
異なるラストにするにも、設定のディティールが甘いとか、
どうしても、話題先行で、ともすれば金儲けのために製作されたとさえ思えてしまうんですよ。

事実はそうじゃないかもしれないけれど、そう見えてしまうことが問題で。

芸術性と利益は、必ずしも相容れるものではないのかもしれないけれど、
それでも、1人の映画ファンとして、
劇場公開される映画作品が、利益重視でのみ製作されて
あまつさえ、原作となっている作品にさえも悪いイメージをつけてしまうとか。

私のような一般人に目に映る問題なんて、氷山の一角かもしれませんが、
今後もこういう風潮が続くとなれば、忌々しき問題であり、
日本映画界が衰退していくのかなと思うと、非常に残念です。


映画のレビューから脱線してしまいましたが、
配給会社・製作会社には、
メディアミックスの問題点を、きっちり洗い出して払拭してから、取り組んで頂きたい。

そして私達観客も、提示された作品群をしっかり見極めて、
"NO"を突きつけていかないといけないですね。

"観ない"という選択肢も含めつつ、今後に活かしていこうと思います。

(でも、観ないと分からないので、
私は"観ない"という選択肢は、極力とりたくないのです。)


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最後。
これから観に行こうかなと思っている人で、
検索したらたまたま私のブログにたどり着いた人。
そして、こんな長い記事を、飽きずに最後まで読んでくれた人へ一言。

Yahoo映画レビュー点数は低いですが、妥当な評価です。

余程、気になることがなければ、
前編観た方も、観なくて良いと思いますよ。
無料招待券とか、ものすごい時間的余裕とかある方は、覚悟してどうぞ。

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