蛸と凧との絡み合い。
前作「スカイフォール」の敵は、Mに対する私怨が育て上げたと言って過言ではない人物であったが、今回はボンドとの浅からぬ縁が鍵となる。
D.クレイグのシリーズはすべて続きものになっているので、前の作品を復習しておかないとついていけない部分ができてしまう。「金曜ロードショー」に感謝だ。
続きものは話がインフレになりやすくなるところが辛い。今回の敵・オーベルハウザーは、シリーズこれまでの災難はすべて自分の組織が仕組んだものであると暴露する。
前作はおもしろかったし、あんなにがんばったのに・・・と思うと少し複雑。「嵐の中で踊るだけの凧」という表現がぴったりハマる。時々羽目を外さないとやってられない稼業なわけだ。
最強かつ最大の敵は、絶対的な力を持って世界を牛耳ろうとしていたが、心のどこかではボンドが困難を乗り越えて自分のところへやって来ることを期待してもいたと思う。
スカイフォールでの攻防をくぐり抜け、Mが遺したメッセージを発見し、ボンドは細い細い道を通ってオーベルハウザーの元へたどり着く。
ボンドが現れなければあっさりと世界を手玉に取れていただろうけど、きっと物足りなく感じてもいたであろう。闇の組織スペクターでは影の存在に徹していたものが、ボンドを目の前にしてからいきいきと自ら手を下し始める。
九分九厘勝利が決まった段階から形勢を逆転されても、逆上して自分を見失うような素振りは決して見せない。実は喜んでいるのではと思うほど冷静な敵なのである。
そんなオーベルハウザーを演じるのはC.ヴァルツ。出番こそ少ないものの、知的でありながら狂気を秘めた敵役を好演している。ボンドにとっては極めて私的な宿敵であるし、このまま終わってしまうのはもったいない気がした。
ボンドガール(若い方)はL.セドゥ。「M:I」の殺し屋から順調に出世街道をまい進。美しさにも磨きがかかっている。
D.クレイグのシリーズは区切りの段階を迎えた。本作は007としての半世紀を超える歴史の中で最高の興収を挙げているが、次回作はどうなるのか。もしD.クレイグが降板するとしたら、次のボンドは誰で、ストーリーは続きになるのか再度リブートすることになるのか。
ただ誰が取って代わるにしても、相当ハードルが高い挑戦になることは間違いなさそうだ。
(75点)
前作「スカイフォール」の敵は、Mに対する私怨が育て上げたと言って過言ではない人物であったが、今回はボンドとの浅からぬ縁が鍵となる。
D.クレイグのシリーズはすべて続きものになっているので、前の作品を復習しておかないとついていけない部分ができてしまう。「金曜ロードショー」に感謝だ。
続きものは話がインフレになりやすくなるところが辛い。今回の敵・オーベルハウザーは、シリーズこれまでの災難はすべて自分の組織が仕組んだものであると暴露する。
前作はおもしろかったし、あんなにがんばったのに・・・と思うと少し複雑。「嵐の中で踊るだけの凧」という表現がぴったりハマる。時々羽目を外さないとやってられない稼業なわけだ。
最強かつ最大の敵は、絶対的な力を持って世界を牛耳ろうとしていたが、心のどこかではボンドが困難を乗り越えて自分のところへやって来ることを期待してもいたと思う。
スカイフォールでの攻防をくぐり抜け、Mが遺したメッセージを発見し、ボンドは細い細い道を通ってオーベルハウザーの元へたどり着く。
ボンドが現れなければあっさりと世界を手玉に取れていただろうけど、きっと物足りなく感じてもいたであろう。闇の組織スペクターでは影の存在に徹していたものが、ボンドを目の前にしてからいきいきと自ら手を下し始める。
九分九厘勝利が決まった段階から形勢を逆転されても、逆上して自分を見失うような素振りは決して見せない。実は喜んでいるのではと思うほど冷静な敵なのである。
そんなオーベルハウザーを演じるのはC.ヴァルツ。出番こそ少ないものの、知的でありながら狂気を秘めた敵役を好演している。ボンドにとっては極めて私的な宿敵であるし、このまま終わってしまうのはもったいない気がした。
ボンドガール(若い方)はL.セドゥ。「M:I」の殺し屋から順調に出世街道をまい進。美しさにも磨きがかかっている。
D.クレイグのシリーズは区切りの段階を迎えた。本作は007としての半世紀を超える歴史の中で最高の興収を挙げているが、次回作はどうなるのか。もしD.クレイグが降板するとしたら、次のボンドは誰で、ストーリーは続きになるのか再度リブートすることになるのか。
ただ誰が取って代わるにしても、相当ハードルが高い挑戦になることは間違いなさそうだ。
(75点)
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